こんにちは! プロモデラー林哲平です。
今回は自分のプロモデラー人生の中でも渾身の力を込めた思い出深い一冊、「戦車模型製作の教科書 MENG編」を紹介します!
この本がでる前の数か月はこの本の作例にかかりきり、しかも引っ越し準備もして他ので忙しくも充実した日々を過ごしてましたね〜
なお、この記事はこの本が出たばかりにの紹介記事に+αしてリライトしたものです。
その情報古いよ! と言わず、まあ読んでみてください♪
脅威の新興メーカー「モンモデル」!!!
今回の戦車模型の教科書はその名の通り、ここ数年注目のアイテムを連発していきなりAFVモデルのトップメーカーに踊りでた期待の新星「MENG MODEL」のAFVキットの製作法に特化した内容となっています。
ちなみに「メン」ではなく「モン」と読みます。
これはモンモデルの社長さんが「モン」さんだからモンモデルなんですね。
メルカバMKⅢDやD9ブルドーザー、ルノーFTのフルインテリアモデル、シャール2Cなど、人気は高くてもそれまで無かったキット。
私の周りでも、普段戦車を買わない人でも購入している人が多いのには驚きです。
しかし、やはり海外メーカーのキットであり、国産のタミヤのプラモデルのようにはなかなか簡単に制作するのは難しいものもあります。
「作りたいんだけど、ちょっと難しそうだし…」と買ったはいいものの、押入れに積んだままになっている人も多いのではないでしょうか。
そんな人にこそ、この本です。
数多くの写真でキット事の細かい製作ポイントを紹介しているので、ガイドにそって制作すれば戦車模型初心者でも素晴らしい作品を完成させること間違い無しです!
メルカバMkⅢバズを徹底解説!
私が製作を担当したのはメインの2つの作例。メルカバMKⅢバズとD9Rブルドーザーです。
MENGのメルカバMKⅢバズは素晴らしいキットとして知られていますが、ハセガワのF14のように恐ろしく難易度の高いキットとしても有名です。
実際製作するとわかりますが、押し出しピンやパーティングラインが干渉して装甲に隙間ができる部分が多く、すり合わせを何度も繰り返さないと綺麗に組み上げることは難しいんですね。
HOW TOではそのすり合わせを徹底的に解説しています。パーツが干渉する場所はすべてピックアップし、どう削ればピタリと合うかまで詳細に解説。これを読めば少なくとも「組めない!」ということは無いでしょう。
また上級者向けのディティールアップ講座も充実させました。
メルカバのディティールアップで避けられないチェーンカーテンの自作法、識別番号が書かれた布をアルミホイルから自作する方法、IDF戦闘車両独特のアンテナ自作法、フリウルモデルの履帯製作法まで現在メルカバに必要とされるディティールアップポイントはすべて網羅してあります♪
朝の5時から夜の12時まで、ず〜っとチェーンカーテンを作っていたら、奥さんに「あなた、なにそんなバカなことしてるの!」って怒られたのが懐かしいですね♪
D9Rブルドーザーを徹底解説!

D9Rブルドーザーは圧倒的な迫力が異彩を放つMENG屈指の良キット。
私、D9Rブルドーザーが大好きで、小学生のころから「プラモ出ないかな~」とずっと願っていた夢の一つでした。
ハンガリーのレジンキットメーカー、パラトンモデルの1/72キットをミニチュアパークに注文しようかと思っていた矢先にキット化が発表され、こうして作例を製作する機会に恵まれた私は本当に幸せ者ですね。
キットはブロック数が多い複雑な形状をしており、普通の戦車のように組み上げたあと一気に塗装するという方法は難しいもの。
HOW TOでは塗装時に分割しておくポイントやコクピットの後ハメ方法を紹介しているので、これさえ見ておけば組み立てに迷うことは無いでしょう。
そして塗装編では「ヘアスプレーチッピング法」を日本一詳しく解説しています。
現在のAFV塗装法の最先端であるヘアスプレーチッピングですが、なかなか本当に詳しい方法というものはどの模型誌でも解説されてきませんでした。
「どのヘアスプレーを使えばいいのか? 」「アクリル塗料を塗装するときの濃度は?」「 乾燥時間は?」「 剥がすタイミングは? 」「どの技法と併用すればよりリアルに仕上がるのか?」
私もいろいろと参考にしようとホビージャパン編集部に置かれていた模型本を片っ端から調べたのですが、日本語の書籍では細かなポイントが不明瞭なものが多く、結局辞書を引きながら洋書「タンクアート」をひたすら調べることに。
そのかいあって日本語の書籍ではもっとも詳しい解説となっているので、「ヘアスプレーチッピングにチャレンジしたい!!!」という人は絶対チェックです。
またピグメントを安く入手する方法も解説。買うところで買えば、じつはパステルよりはるかに安く買えるんですね。「ピグメント使いたいけど高いよ!!!」という人はこちらもチェックしてくださいね。
このD9Rブルドーザーは今まで自分が製作してきたAFVモデルの中では最高傑作と確信できる出来栄えなので、立ち読みでもいいのでぜひ見てみてくださいね♪
モンモデルの教科書思い出話!
このモンモデルの教科書、先にも書きましたが、私としてはすごく思い出深い本なんです。
一部この本のレビューで、
「商売上手のモンモデルが営業戦略の一貫としてホビージャパン に本の発売を推し進めた!」
みたいなのを見たことがあるんですが……
この本を編集したのは、私の友人であり、元ホビージャパン編集部の丹氏なのですが。
元々丹氏は「イスラエル戦車製作の教科書」を作ろうとしていたんです。
メルカバMkⅢバズ、D9Rブルドーザーをメインに据えて本を出そう!と言う話をしていたとき。
「あれ、これ全部モンモデルのキットだよね?いっそモンモデルの教科書にしたら?今ならモデラーの押入れにモンモデルのプラモいっぱい入ってるからw」
「お、それいいね!それでいこう!」
という感じでモンモデルの教科書になったので、モンモデルの世界戦略とはあまり関係が無かったりするんです(笑)
ですが、結果としてモンモデルは新興プラモデルメーカーとして確固たる地位を築き、AFVのみならずエアモデルやカーモデル、はたまたディフォルメスケールモデルやオリジナルのSFメカまで発売しているので、我々の先見の明は当たったと言うことですね♪
モンモデルの黎明期、真っ先に自腹で下北のサニーでミーネンロイマーを買って速攻で作り、
「このメーカーとこのキットすごいから作例にして!」
と言った自分を褒めてあげたいです♪
なお、丹氏は後に「ミニタリーモデリングマニュアルイスラエル戦車編」を編集しており、こちらは吉岡和哉氏の超絶IDF戦車塗装法が掲載されるなど、真の意味での「イスラエル戦車の教科書」となっているのでIDF好きは必読ですよ!

「戦車模型製作の教科書 MENG編」をよろしくお願いします!
と言うわけでちょっと思い出話に逸れてしまいましたが、この本は本当〜にすごくいい本です。
「戦車模型製作の教科書 MENG編」をよろしくお願いしますね♪
そしてMENGMODELさん、ぜひ旧ソ連のドリル推進戦車「ZIL-29061」をトレーラーとの合体機能付きでのキット化をよろしくお願いします!!!
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