こんにちは!!! プロモデラー林哲平です。
今回は現在のホビージャパンのスタイルを決定付けた、記念すべきリニューアル号であるHJ2018年7月号を紹介します。

ちなみにこちらは前号である2020年6月号。
表紙の違いは一目瞭然ですが、中身も一新。
ホビージャパン がどう変わったか? をぜひご覧ください♪
気になるリニューアル内容は?
ホビージャパンのリニューアルですが、大きく変わったのは2つ。
「デザインレイアウトの刷新」「プラモデルのあるライフスタイルをどう楽しむか」です。
①まずデザイン。今までとガラリと変わった表紙ばかりに注目されがちですが、作例の紙面レイアウトが大幅に変わっています。
「作例ページは大きな写真でわかりやすく、ぱっとページを開けば直感的に脳に入ってくる」
「インタビューや読み物ページは文字の級数を上げ、導入からどんどん引き込まれて最後まで一気に読んでしまうように」
と工夫が凝らされています。
雑誌において、写真や記事のレイアウトを決めるデザインてなによりも大事な部分。
このスタイルに落ち着くまでホビージャパンの編集者はデザイナーさんたちと幾度となく打ち合わせを重ね、トライ・アンド・エラーを繰り返しており、この形に落ち着くまで紆余曲折…… とこれだけで一記事書けるレベルなのですが、ホビージャパンを読むときは紙面のデザインが以前とどう変わったか見比べてみるとより楽しめるでしょう。
②2つ目の変化や本の方向性を決めるもの。
「プラモデルのあるライフスタイルをどう楽しむか」はモデラーなら誰しも考えているもの。
今月号はそもそもの巻頭特集が「週末モデリング」ですし、他の記事にもHOW TO記事、それも「手軽に誰でも見栄えのする作品を仕上げる技法」という方向性にフォーカスしたHOW TOが集中的に掲載されています。
これまでプラモデルのHOW TOというとどうしても「より上達するためにいかに作り込むか」という方向性のものが多かったのですが、仕事に追われ、どしどしと魅力的なニューキットが山のように発売される現在、一個のキットをじっくり作り込む、というスタイルばかりでは現代のプラモデルシーンを楽しむのは難しくなってきました。
プラモ一辺倒ではなく、仕事も家庭も、趣味であるプラモも楽しむ。
かつて残業を減らそう、というワークライフバランスが話題になりましたが、リニューアルしたホビージャパンは「当たり前の生活の中で、無理なくプラモデルを楽しむ」という「プラモライフバランス」を提案する媒体へと変わりつつあるのかもしれません。
巻頭特集は「僕たち私たちの週末モデリング日記」。凄腕モデラーたちが紹介する、時短とクオリティを両立させるハイスピードモデリングテクニック!!!
一週間の仕事が終わり、帰りに模型店に寄って気になるニューキットを購入、土日の間に仕上げてツイッターやブログにアップして、反応を見る。
「お! 意外と反応いい!! いいねとリツイート結構行ってるじゃん!!!」
今を生きるモデラーにとって、一番幸せな瞬間ですよね。
でも、今のキットって部品数も多いし、普通の作り方をしていたらそう簡単に完成しません。
完成するころには話題は次のニューキットに移っていたり、自分も新しいキットに目移りしちゃって結局完成しなかったり…… 経験ある人は多いはずです。
なにより私がそうですからね(笑)
「僕たち私たちの週末モデリング」では普段超絶作例を連発するハイレベルなモデラーたちが「週末二日間の制作時間」という限られたリソース織り込める、最も効果的なモデリングテクニックを解説する今までにないHOW TO特集です。
ジャンルもガンプラ、AFV、飛行機、艦船、車、バイクと全模型ジャンルを完備!!!
どんなジャンルに興味がある人でも楽しめますし、普段はガンプラばっかり、スケールばっかりというモデラーさんは他のジャンルに手を出してみるいいきっかけになるんじゃないでしょうか?
○ガンプラでは話題のニューキット、MG F-91 Ver.2.0をDAISAN氏が
○AFVモデルは戦車入門者に最適なタミヤのティーガーⅠ初期型を小澤京介氏が
○艦船は海自のヘリ空母として話題になったハセガワのいずもを長徳佳崇氏が
○エアモデルは超絶ディテールが話題を呼んだファインモールドのF-14を木村誠二氏が
○カーモデルは組み立て易さに定評のあるタミヤの新生NSXをベテランモデラーの畠中浩氏が
○バイクは1/6と大型キットだからこそ作りやすいタミヤのカタナをみかん氏、YAS氏、ペ氏のホビージャパン合同チームが
週末という限られた時間を最大限に活かすテクニックを解説しています。
中でも自分が一番感銘を受けたのは、らいだ~Joe氏がREのイフリート改で解説している製作テクニックです!!!
作業場はキッチン、塗装は水性ホビーカラーをイージーペインターで、しかもウェザリングはほとんどウェザリングマスターとリアルタッチマーカーとスポンジチッピングのみ。
それであれだけド派手で目を引く仕上がりを週末という短時間で仕上げているのですから!!!
なんというか、本当にタイムマネジメントが上手です。
自分は専業のモデラーで、朝から夜までひたすらプラモを作っているのですが、どうしても「ああいなければいけない」「こうしなければいけない」「こんな短期間じゃあ納得のいくものはできない」とないないずくしの固定観念にいかに囚われていたか? と気付かされる内容でした。
これはやってみたい!!! と思わずヨドバシカメラのアプリでREシリーズを物色中です(笑)
そしてこんなのを完成させました(笑)


ちょっとピンぼけ写真ですが……
らいだ~Joe氏のイフリートは来月の6月25日前後まで新宿のヨドバシカメラホビー館2階に展示されているので、実物を見に行ける人は見ておいたほうがいいです。(現在公開は終了しています)
本物を見れば、本誌の内容と合わせてより週末モデリングへの情熱が燃え盛ること間違い無し!!!
すぐにキットも買えますしね(笑)
今月の一押し作例はせなすけ氏製作の「赤のマグヌス」!!!
今月の一押し作例ですが、今や日本のウォーハンマーシーンのトップモデラーとなったせなすけ氏の新作、「赤のマグヌス」です。

こちらも新宿ヨドバシカメラにて展示中です。(現在公開は終了しています)
見ての通り、全身を埋め尽くす圧倒的なペイント!!!
作品のテーマは「未知」。
いや、ほんとにこんな作品みたことありません。
私は5年くらい前からミニチュアを始めたんですが、海外のコミュニティサイトやホワイドワーフの作例、あとウォーハンマー以外のミニチュア作例など結構いろいろ見てきて目は肥えているほうだと自負していますが、今まで見てきたミニチュア作例の中で文句なしにナンバーワンです!!!
記事ではペイントの方法をしっかりと解説されているので、絵心がある人なら真似できる…… のか?
伝説の作例がまた一つ増えちゃいましたね。
ウォーハンマーは結構後ろの方のページなので、見逃さないように!!!
今月私が作った作例はズゴックと…… ジェガンキャノン?

今月私が作った作例は3つ。
一つは「ガンプラ簡単フィニッシュのススメ」にて製作したMGズゴック。
こちらはホビージャパン2018年5月号の「ガンプラウェザリング特集」にて長徳佳崇氏が製作されたMGズゴックの作例を参考に、もう少し初心者でも真似できるようにレベルを落とし、使用する素材を減らして誰でも簡単に水中型MSのウェザリングを簡単にできるように解説しているHOWTOです。
もちろん仕上げは成型色を活かした簡単フィニッシュ!!!
組み立てから完成まで役10時間程度、週末で十二分に仕上がる程度の難易度で、ゴッグだろうがアッガイだろうが応用できるのでぜひとも参考にしてみてください!!!
なお、こちらのズゴックはガンプラ技法書「週末で作るガンプラ凄技テクニック」に収録されているので、気になる人はぜひ覗いてみてください♪

2つ目は「SDガンダムクロスシルエットレビュー」にて簡単HOWTO講座で製作した、「RX-78-2 ガンダム」。

「SDガンダムクロスシルエット」は共用フレームに外装を組み付ける、新基軸のSDガンダムプラモシリーズ。
これまでのBB戦士や、リアルタイプのガンプラとも互換性があり、カスタマイズは自由自在。
6月からの販売なので、いまから楽しみですね。
こちらはリアルタッチマーカーで墨入れし、部分塗装を施してプレミアムトップコートでツヤを消したのみの成型色仕上げ。
購入したときはぜひともHOWTOを参考にしてくださいね♪


「モビルスーツアンサンブル」は関節やジョイントが全て共通規格となっており、手足や武器などが自由に交換できます。
第六段の大当たりはV2アサルトバスターガンダムですが、当てるまでにいろんなMSが増えることもあるでしょう。
そんなときはこんなふうに組み合わせ、自分だけのオリジナルMSを作ってみてはどうでしょう?
ガンプラよりも値段が安くカスタマイズのハードルは低いですし、今はシタデルカラーなどの簡単にペイントできるミニチュア用塗料が充実しているのでガシャポンのリペイントって実はすっごい熱いんです。
ガチャガチャを回してダブったときはぜひやってみてください!!!
リニューアルしたホビージャパンをよろしくお願いします!!!
と、リニューアルしたホビージャパンを紹介してきましたが、これはほんの一部。
今月は総計390ページとボリュームもリニューアル号にふさわしい内容で、一ヶ月かかっても読み切れるか? というくらい濃い内容。
ぜひとも手にとって読んでみてください。
今月もホビージャパンをよろしくお願いします。
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