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ハゲチョロから3Dモデリングまで。ガンプラテクニックの40年を総決算したモデラー必見の一冊、ホビージャパンメカニクス04発売!!!

 こんにちは!林哲平です。

 40〜50代のハイターゲット層を軸にガンプラを徹底的に深堀りして楽しむオトナのホビー専門誌 「HJメカニクス」の第4号が発売されました!

 04号のテーマは「ガンプラ技の歴史」。

 懐かしの旧キット製作法からMAX塗り、パール塗装、電飾にマスオディテールに3Dモデリングまで。

 ガンプラ40年の製作技法をまるごと詰め込んだ、これまでにないアプローチの一冊となっています。

目次

「ガンプラ技の歴史」とは?

 ガンプラが誕生して40年。 ガンプラの進化に伴い、様々な製作法が産まれ、歴史を刻んできました。

 スケールモデルのウェザリング手法が取り入れられた黎明期、ジャンクパーツを使った個性的なディテールが流行したZ〜逆シャア時代、誰でもグラデができるMAX塗りに、輝くパール塗装、果ては最新の3Dモデリングまで。

 今回のメカニクスはそんなガンプラの技法的な歴史に焦点を当てたもの。

 ガンプラの歴史ではなく「我々モデラーがいかにガンプラを作ってきたか」といういう「ガンプラモデラーの40年史」なんです。

 なお、「ガンプラ技の歴史」という特集タイトルですが、これはホビージャパン98年5月号のタイトルがモチーフとなっています。

 この号は波佐本英生氏がフィーチャーされた号で、波佐本ディテールの作りかたや生まれたきっかけなどが詳しく解説されていた永久保存な一冊で、私もなんども読み返したのを覚えています。

 98年5月号の特集は「ガンプラ技の歴史1」となっているので、21年越しの超パワーアップした「2」として楽しんでください♪

「HOWTOBUILDGUNDAM」の時代をテーマに只野☆慶氏が製作した1/100ザク

 ここからは掲載作例の一部を紹介して行きます。

 トップバッターはガンプラブームの点火剤となった「HOWTOBUILDGUNDAM」の時代をテーマに只野☆慶氏が製作した1/100ザク。

迷彩塗装やハゲチョロという往年のテクニックに加え、「旧キットの外装を活かしてMGに着せる」という逆転の発想が素晴らしい作品です。

波佐本ディテールを再現したコジマ大隊長氏のドワッジ改

 機動戦士Z、ZZの時代には線が増えたMSに対して、プラ板やジャンクパーツを貼り付けてディテールアップするのが流行しました 。

 その中でも波佐本英生氏によるディテーリングはとにかくカッコ良く、初代「ガンプラ技の歴史」のメインテーマに取り上げられたほど。

他のモデラーさんが考案したディテールを真似する、というのは結構難しいのですが、この作例の作者であるコジマ大隊長氏はその難関を見事にクリア。

 現代のパーツを駆使し、見事に波佐本ディテールを再現した作品なんです!

「近藤版MS」をテーマにした 澤武慎一郎氏によるHGサザビーとギラドーガのディオラマ

 80年代後半から90年代初頭にかけて高い人気を誇ったミニタリーテイスト溢れた「近藤版MS」

 コミックボンボンの「機動戦士Zガンダム」のコミカライズでデビューした近藤和久氏は戦車や戦闘機などの兵器に非常に造詣が深く、ご本人もモデラーだったことから現実の兵器の要素をMSデザインに積極的に取り入れ、多くのファンを獲得しました。

 私も近藤版MSはもう本当〜に大好きで、生まれて初めて買ったガレージキットはご意見無用ファクトリーのゴブリンだったりします。

担当した澤武慎一郎氏はツェメリットコーティングを施したサザビーとギラドーガでディオラマ仕立てに。

鉄道模型用テクスチャーなど最新のマテリアルで近藤版MS製作表現を提案する作品となっています。

黒立ち上げ塗装の名人野田啓之氏によるMAX塗りMGアレックスVer.2.0

 MGと共に誕生し、90年代後半から2000年代初頭にかけて爆発的なブームとなったMAX塗り。

 重量感を出すために黒から立ち上げるAFVモデルの塗装法をガンプラ用にMAX渡辺氏が発展させた塗装法です。

 当時のモデラーはこぞってMAX塗りに勤しみました。

 私の大学生時代がちょうどブームの真っ最中で、その時代のガンプラは全部MAX塗りで仕上げてましたね〜

  作例は黒立ち上げ塗装の名人野田啓之氏が担当。

 野田氏はデビュー以来、ガンプラに関してはほぼ全ての作例をMAX塗り風の黒立ち上げで仕上げているモデラーさんで、抜群の仕上がり。

 トップコート無しでこの昔ながらのMAX塗りのツヤ感まで表現できるモデラーさんは他にそういないんじゃないでしょうか?

まつおーじ氏による「パール塗装」REヤクトドーガ

 2000年のJAFCONで彗星のごとく現れた石川雅夫氏により産み出された「パール塗装」

 より美しく、より輝く塗料を求めるモデラーの声に呼応するように塗料も日進月歩で進化しており、輝くメタリック、パール塗装は現在でも明確なジャンルとして確立しています

 作例はクリーンフィニッシュからウェザリングにディオラマとななんでもこなすまつおーじ氏が担当。

 パール、メタリック、クリアーと扱いの難しい各種塗料を見事に使い分け、輝くような美しい仕上がりとなっており、これから美麗塗装にチャレンジするモデラーには絶好のお手本となっています。

3Dデジタルツールを使ったモデリングによる柳生圭太氏の1/100ゼクツヴァイ

 2010年ぐらいから急速に実用化された3Dデジタルツールを使ったモデリング。

左右対称や複雑なディテールを高精度かつスピーディーに製作可能となり、模型製作の可能性を一気に広げました。

担当したのは3Dモデリングをいちはやくロボットの造形に取り入れた、ガンプラ3Dモデリング界の盟主とも言える柳生圭太氏。

 大量のパーツ数、超複雑な機体構成に凄まじいボリュームを誇るゼクツヴァイを1/100というビッグスケールで見事に立体化しています。

 製作文で「3Dモデリングは特別なことではなく、デザインナイフやモーターツールのような道具の一つ」と語られており、これから3Dに挑戦したい人は非常に参考になること間違い無しの作例となっています。

長徳佳崇氏によるウェザリングカラーを駆使したガンダムF90Mタイプ

 ガンプラ技法の進化はプラモ用の塗料やパテなど、マテリアルの進化によるものが非常に大きいです。

 その中でも近年登場したGSIクレオスのMr.ウェザリングカラーはそれまでのエナメル塗料と違いプラを割りにくく、乾燥すると溶け出ししないので何層にも重ねる多重ウォッシングが可能となり、ガンプラウェザリングの幅を大きく広げました。

 長徳氏はウェザリングカラーを駆使し、海で戦うMSの塩が吹いた表面や水垢が流れた様子などを見事に再現。

 「最新素材を駆使したウェザリング」のテーマを見事に達成しています。

NAOKI氏の徹底改修藤田版F90

 ガンプラ製作の中でも、最高峰に位置づけられるのが「徹底改修」と呼ばれる製作法です。

 元キットを切り刻んでパテを盛り、自分の思うイメージを体現する徹底改修は工作・センス・塗装と全てのハイレベルで能力を問われることになります。

 NAOKI氏はメカデザイナーの藤田一巳氏が旧F 90のインストに描いた伝説的な「藤田版F 90」をMGベースに徹底改修で製作。

 この作例を見るためだけでも、この本を買おう!と思わせてくれる作例です!

ホビージャパン編集長木村学氏による成型色仕上げのMGジム寒冷地仕様

 現在のガンプラはほぼ全てのパーツが色分けされており、組み立てるだけでアニメのイメージ通りに仕上がります。

 ガンプラは本来組み立てた素のままが完成状態であり、塗装や工作をせずとも気軽に楽しめるのが素晴らしいところ。

 そんな中で発達してきたのが成型色を活かした「簡単フィニッシュ」です。

 仕事で忙しく、なかなか製作時間が取れない人にも優しい製作法で、現在はマテリアルとガンプラの進歩により本家全塗装仕上げを脅かすほどのクオリティーに仕上げることが可能となってきました。

 簡単フィニッシュの寒冷地ジムを担当したのはご存知ホビージャパン編集長の木村学氏。

 ホビージャパンの編集長ってびっくりするほど忙しく、ほぼ寸きざみのスケジューリングの中でもこの作例を完成させているという事実こそ、成型色フィニッシュの優秀性が示されていると思うのです。

最注目作例は山田卓司氏によるカラーモジュレーションのMGガンダムVer.2.0!!!

 「HJメカニクス04」で最中目作例として私のイチオシ作例はこちら、情景王山田卓司氏によるカラーモジュレーション仕上げのMGガンダムVer.2.0です。

 カラーモジュレーションはヨーロッパのAFVモデラーにより発展したテクニックで、戦車の装甲の面ごとに光の当たり方を意識してグラデーション塗装を行い、絵画的な立体感を模型に与えるテクニックです。

 山田氏はこのカラーモジュレーション塗装の名人なんです。

 装甲ごとに陰影を巧みにつけたガンダムは立体感抜群で、まるでイラストが動いているように感じるほど。

 山田氏はデビュー40年の超ベテランモデラーですが、カラーモジュレーションのような新しい技法を積極的に取り入れる貪欲さがあるからこそ、現在でも第一線で活躍できているんです。

 私も見習わないと!

 ホビージャパン本誌に掲載されている山田卓司氏の戦車系作例を見るとよりカラーモジュレーションを理解しやすくなるのでぜひチェックしてみてください。

連載記事「メカニックデザイナー列伝」はやまだたかひろ氏

 HJメカニクスの好評連載記事「メカニックデザイナー列伝」はやまだたかひろ氏。

 ライジンオーなどエルドランシリーズのデザインで有名ですが、デビューしたエピソードやメカデザインへの考えかたなど非常に面白いものばかり。

 名前をひらがな表記としたのは子供でも読めるように、との配慮だということです。

 私、これ読んで初めて知ったのですが、ガンキラーなどのガンダム野郎に登場するオリジナルSDのいくつかはやまだ氏のデザインだったんです!

 SD好きにこそぜひとも読んでもらいたいインタビューです!

私の連載「林哲平の機動模型超級技術指南」は成形色フィニッシュの限界に挑む「RX–0パーフェクトユニコーンガンダム

 HJメカニクスで連載中の上級者向けガンプラ製作講座である私の連載「機動模型超級技術指南」。

 今回は本のテーマが「ガンプラ技の歴史」ということだったので、現在凄まじい勢いで進歩しているガンプラの成形色フィニッシュでどこまでできるか? にチャレンジしてみました。

 RGユニコーンガンダムを中心に、ナラティブA装備やMGユニコーン、ZZガンダムVer.kaを題材とし、パワーローダーを装備した「ぼくのかんがえたさいきょうのゆにこーんがんだむ」を大人げなく製作しています(笑)

 詳しい解説記事はこちら。

https://promodeler.net/2020/01/17/rx0perfectunicorn-gundam/

HJメカニクス04をよろしくお願いします!!!

というわけでHJメカニクス04でした!

 ガンプラを作品やMSごとにまとめた本はたくさんありますが、一冊でガンプラの技法的な歴史を全部見れる本というのは他にありません。

 ベテランは過去を懐かしみつつ、最近始めた人は「こんなのがあったんだ!」と楽しんで読んでもらえると嬉しいです。

HJメカニクス04をよろしくお願いします。

「ガンプラ凄技テクニック」シリーズ大好評続刊中です!

プロモデラー林哲平が送る、週末の空いた時間に、誰でも簡単、お気軽に、カッコいいガンプラがあっという間に作れてしまうガンプラ製作本「ガンプラ凄技テクニック」。

シリーズ続々と続刊中で、「読むと初心者でも本当にそのとおり作れる!」と皆様からも大好評!

実際に作った作品をSNSなどで「作ったよ!」と見せていただけることも多く、本を作る側として。モデラーとしてたまらない喜びを日々感じております♪

プラモデル趣味を思い切り楽しみたい!という人はぜひ読んでみてくださいね♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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