こんにちは!プロモデラー林哲平です。
今回は「週末で作るガンプラ凄技テクニック」掲載のMGガンダムフレームモデルを紹介します♪
脱いでも凄い、MG Ver.2.0シリーズのフレームを作ってみよう!
ガンプラの中でも特別なのが一年戦争系のMG2.0シリーズです。
一年戦争系のVer2.0が開発された2005〜2008年頃は組み立てやすさよりも「精密でハイクオリティであること」が重視された時代で、開発者の愛が籠もった名作揃い。
中でもガンプラの王道とも言える、一年戦争のMGをリニューアルしたこのシリーズはとんでもなく出来がいいんですよ。
どれもPGの縮小版と言える内容で、特にフレームの完成度は非常に高く、単体で見てもまったく遜色ありません。
というわけで普通なら外装に隠れてしまう内部フレームを、フレームモデルとして仕上げてみよう!というのが今回のお題。
それではMG2.0シリーズの中心的存在であるMGガンダムVer.2.0の内部フレームをお手軽グレードアップしてみましょう♪
フレームを組み立ててから塗る!
内部フレームを組み立てます。
フレームモデルを作るときはゲート跡はデザインナイフでキレイに処理しておいたほうがいいでしょう。
ディテールを引き立てるドライブラシ塗装をすると、どうしても目立ってしまうからです。
ハイディテールな内部フレームを引き立てるために、缶スプレーでさっと塗装してみましょう。
上下に分け、GSIクレオスのネコの手でこうやって保持すればOKです。
Mr.カラースプレーのつや消しブラックを全身に吹き付けます。
フレームはディテールが入り組んでいて塗り残しが出やすいので、電気スタンドの光を当てて均等に塗れているかチェックしておきましょう。
フレームをそのまま塗装すると関節可動部などの内側まで塗料がまわりません。
関節を最大まで曲げて、再度缶スプレーで塗装しましょう。
なお、関節を戻すのは夏でも最低1時間くらいは乾燥時間をかけてください。
塗装してすぐ後は乾燥しているように見えて触って塗料がつかない状態でも、内部は乾燥しておらず、他のパーツと干渉したときに塗膜が剥がれやすくなっているからです。
フラットブラックを塗装した状態。キットの成型色むき出しの状態から、落ち着いた質感のある状態へと変化しました。
光沢のブラックだとドライブラシの色が乗りにくいので、かならずつや消しブラックを使ってください。
銀ドライブラシでフレームディテールを強調する!
ドライブラシで全身のディテールを際立たせてみましょう。
ガンダムマーカーガンダムシルバーを塗料皿に出します。
マーカーのシルバーは粒子が細かいので、ドライブラシには最適なのです。
筆先に塗料をつけ、ティッシュで拭き取ります。
シルバーは隠蔽力が強く、塗料がほとんどティッシュにつかないくらいまで拭き取っておかないと、パーツがすぐ銀ピカになってしまうので注意しましょう。
筆先でエッジやディテールを撫でるように塗料を乗せていきます。
こすりつけると塗料が付きすぎることが多いので、あくまで撫でるように。
塗料がなかなか乗らないくらいが調整しやすいので、急がずゆっくりでいきましょう。
ドライブラシした状態。
エッジやディテールにシルバーが乗り、全体のディテールがくっきりしてメリハリが付いた金属的な重量感溢れる仕上がりとなりました。
組み上げてバランスをチェック。
ドライブラシは筆に残った塗料の量により表面の具合が変わってくるので、慣れないうちはパーツによって仕上がりがばらつきがち。
組み上げると部分によって塗料の濃淡が極端に違うこともあるので、こうしたチェックが必要なのです。
4Artistマーカーでディテールを塗り分ける!
続いてディテールを塗り分けます。メッキ調の仕上がりが魅力の4Artistマーカーシルバーを使います。
ここでも塗料皿に出して使うのですが、乾燥が早いのでこまめに出しながら作業しましょう
シリンダーなどのディテールを塗り分けます。
筆はシタデルブラシのベース用の一番細いものが非常に使いやすく、はみ出しにくいので効率的に作業できます。
シルバーを塗ったら、続いて4Artistマーカーのゴールドで同様に塗り分けます。
要領はシルバーのときと同じでOKです。
塗り分けた状態。
ディテールが別パーツのようにくっきりと浮き上がり、格段にメカニカルな印象となりました。
4Artistマーカーはエナメル系塗料なので、はみ出た部分はエナメル溶剤をつけた綿棒で簡単に拭き取れます。
下地とドライブラシを侵さないので、失敗しやすい細かな塗り分けを安心して作業できるのです。
別パーツとなっているシリンダーなどは一度外し、クリップに挟んで塗装するとスムーズに作業できます。
ディテールの塗り分けをするときも全身のバランスをチェックしながらが安心です。
パーツ単位で作業すると、このパーツはすごく塗り分けているのに、このパーツは全然塗り分けが無い、みたいに場所ごとのバランスが崩れがちになってしまうのです。
外装パーツを部分的に作る!
部分的に組み付ける外装パーツは成型色を活かした仕上げとします。
ディテール部分にはリアルタッチマーカーのリアルタッチグレー2でスミ入れしておきます。
そのままだとリアル感に欠けるので、全体のツヤを消してフラットにし、質感を上げます。
このように割り箸で両面テープで固定すると一気に塗装できます。
プレミアムトップコートつや消しを全体に吹き付けてつや消しに。
このように割り箸にパーツを並べてパーツを塗装するときは角度によって塗料が乗っていないときがあるので、ライトの光などに当ててチェックを忘れないようにしましょう。
胸のフィンはシャープさを保ちつつ、金属的な重量感を出すためにマーカーではなくタミヤスプレーのゴールドで塗装します。
このようにランナーについたまま塗装すると作業が効率的です。
ゴールドの缶スプレーで塗装した状態。
メタリックのマーカーで塗装すると組み付けるときに手の脂で表面が曇ったり、塗膜が剥げたりして汚くなりがちですが、ラッカー塗料なら塗膜が強いのでそういった心配もありません。
コアファイターはこの状態で固定してつや消しで仕上げます。
パイロットやミサイルポッドなど、見えない部分のパーツは使わず、組み立て時間を短縮しています。
顔を塗り分けよう!
顔はガンダムの命。
フレームモデルでもそれは変わりません。
顔をかっこよく仕上げて、完成度をよりUPさせてみましょう
ツインアイは塗装して仕上げます。
まず、割り箸に両面テープでパーツをくっつけます。
小さく透明なので無くしやすいので要注意です。
Mr.カラースプレーのクリアーイエローで塗装します。
クリアーは塗れば塗るほど色が濃くなるので塗り重ねすぎには注意してください。
ツインアイのクマドリ部分をタミヤエナメルカラーのフラットブラックで塗装します。
多少ツインアイ部分にはみ出しても気にせず塗装しましょう。
はみ出した塗料をエナメル溶剤を染み込ませた綿棒で拭き取ります。
小さい面積なので、先端が細い綿棒でちょんちょん、とはみ出した塗料を溶かすように拭き取るのがコツです。
クリアーのツインアイはそのままだと内側が暗く沈んでしまい、死んだ目となってしまいます。
裏側からラピーなどのメタリックテープを貼り付けて反射板を作っておけば光を拾ってキラリと輝くツインアイになりますよ♪
マスク内側はそのままだと見栄えが悪いので、エナメルのフラットブラックで塗装します。
はみ出した部分はツインアイ同様に拭き取ってリカバリーしましょう
顔が仕上がった状態。
キラリと光るクリアーのツインアイに、フレームと同様に塗られて引き締まったマスクと格段に完成度が上がりました。
ツインアイのクリアを活かして塗る方法はフレームモデルだけではなく、普通にMGシリーズを製作するときにも役立つのでぜひ覚えておいてくださいね♪
ミラーベースを作る!
フレームモデルをより引き立てるために、モーターショー風のミラーベースを作ってみましょう。
まずは木製のデコパージュ台を用意します
木製ベースのはそのままだと見栄えが良くないので、木部用塗料のポアーステインで全体を塗装します。
乾燥が早いので、スピード仕上げには最適です。
台の下面の鏡面にしてよりスタイリッシュに仕上げてみましょう。
使用するのはホビーベースの底面ミラーです。
定規とデザインナイフで切り出して、両面テープでベースの上に貼り付けたらミラーベースの完成です。
普通に買うと高く、かつモデルに合うサイズのものを探すのも大変なもの。
自作は簡単なので、ぜひ挑戦してみてください♪
フレームモデルで一つのキットを2度楽しむ!
先にも書きましたが、一年戦争系のMG Ver2.0シリーズはフレーム単体でキットが成立するほど完成度が高いものばかり。
人気キットなので作ったことがある人も多いと思いますが、普通に組み立てるのに飽きたら、その真の姿であるフレーム自身を純粋に作り込むのもモデラーとしての楽しみではないでしょうか?
なお、今回ガンダムのフレームを使っているのは「週末で作るガンプラ凄技テクニック」の作例ラインナップで、本来一番フレームの出来がいいゲルググをバトルダメージ用作例として作ってしまっており、キットがかぶるので使えなかったんですよね。
最後発のゲルググVer2.0のフレームはとにかく出来がいいので、純粋にフレームモデルを作ってみたい人はゲルググが断然オススメです!
というわけでMG ガンダムVer.2.0フレームモデルでした♪
「週末で作るガンプラ凄技テクニック」をよろしくお願いします♪
コメント