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安全!キレイ!簡単!新時代の革命的テクニック「アクリル塗料スミ入れ」の方法を徹底解説!我々はもう、スミ入れでガンプラが割れる恐怖から解放されたのです!

 こんにちは。プロモデラー林哲平です。

 皆さん、スミ入れはどんな方法でやっていますか?

 従来のエナメル塗料によるスミ入れはプラを破損するリスクがあるのは多くの人が知る事実です。

 「プラモが壊れるから怖くてできない」

 「頑張って作ったプラモがバラバラになったからもうしたくない」

 という人も多いのではないでしょうか?

 今回はそんなスミ入れへの恐怖を過去のものとする新技法「アクリル塗料スミ入れ」を紹介します。

 もう、我々はスミ入れでプラモが壊れる恐怖から解放されるのです!

目次

アクリル塗料スミ入れの必須素材!

 アクリルスミ入れに必要になるのが 、

 ①水性ホビーカラー

 ②タミヤアクリル溶剤

 ③マジックリン

 この3つです。

  アクリル塗料は伸びが悪く、そのままでは溶剤で薄めてもディテールにうまく流れません。

 しかし、マジックリンを入れることでエナメル塗料のように伸びが良くなり、流れやすくなるのです。

 なぜマジックリンを入れると伸びが良くなるのか? これはマジックリンに入っている界面活性剤の効果です。

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  界面活性剤洗剤や石鹸の主成分で、水と油を分解し、表面張力を弱める効果があります。

 つまり、アクリル塗料にマジックリンを入れることでアクリル塗料の顔料と繋ぎとして入っている樹脂成分を程よく分解。

 表面張力が弱くなるため流れがよくなり、毛細管現象を起こしやすくなるのでディテールの隅々まで行き渡りやすくなるのです。

 こちらの低体温氏の解説が非常にわかりやすかったのでお借りしております。

 解説ありがとうございます!

  これでアクリル塗料の持つ、「伸びが悪く、流れにくい」という問題を解決することができるのです。

アクリル塗料の組み合わせを考える!

 使用するアクリル塗料は模型店や玩具店で最も入手しやすい水性ホビーカラー、アクリジョン、タミヤアクリルとその溶剤で全ての組み合わせを試してみました。

 今回は「水性ホビーカラー×タミヤアクリル溶剤 」が流れたあとの塗料の密度感や使い勝手が一番良く感じたので採用しています。

 なお、ホビーカフェガイアさんの情報によるとワイドマジックリンのほうが成分的にはスミ入れに適しているらしいので、興味ある人はぜひこちらも使ってみてください。

 まだまだ開発途中のテクニックのため、ぜひいろんな方法をこれからも検証していきたいと思っております♪

アクリルスミ入れ塗料の配合法!

 塗料に対するアクリル溶剤の量は2:8くらいでやっていますが、増やしても全然OK。

  マジックリンを入れる量は全体に対して10〜30%くらい入れてますが、結構適当でも大丈夫です 。

 紙コップの壁面で流れるスピードを確認し、タミヤスミ入れ塗料と同じくらいの流れ具合に調整したらスミ入れスタートです!

 細筆に染み込ませてディテールに流し込んでいきます。

  ご覧の通り、エナメル塗料でのスミ入れのようにスーッとディテールに流れていきます。

  流れが悪いな〜と感じたらアクリル溶剤を足せばOK。

  エナメルでのスミ入れと違い、溶剤をどれほど足してもプラが割れることが無いので安心です♪

拭き取りは水でOK!しかも楽!

 拭き取りは水を染み込ませた綿棒で行います。

 水だけでも、ちょっと拭き取るだけで簡単に落とせます。

  落ちにくいときはマジックリンを染み込ませた綿棒で拭き取ればOK。

  私としては、プラが割れない安全性以上に、この拭き取りが楽であるというポイントがオススメなのです!

 エナメル塗料でスミ入れを拭きとりを考えてみましょう 。

 エナメルでのスミ入れは一度固まった溶剤を溶かして落とす作業となります。

 例えばスミ入れした後、一晩寝るとか、次の休日まで製作できないな長時間作業が空いた場合、完全乾燥してしまうとなかなか落ちにくくなります。

 そこでなかなか落ちないな〜とつい強く擦って塗膜を傷つけてしまったり、溶剤をつけすぎてプラを破損したり、タミヤスプレーや一部のMrカラー、金属色などラッカー塗料の銘柄によっては下に染み込んでしまったりと色々難点がありました。

 スミ入れ前後の比較写真。 

 アクリルスミ入れの場合、拭き取りは溶かして落とすのではなく、原理的には水や洗剤で汚れを落とすのと同じ。

 だから驚くほど綺麗に拭き取れるんですよね。

 さすが、マジックリン。油汚れだけではなく、ガンプラのスミ入れもピッカピカになるです!

トップコートを吹いてもOK!

 ツヤを消せばこの通り。

 エナメル塗料でのスミ入れ同様に、シャープかつ、現在のプラモシーンにおける最高精度のスミ入れと同様の仕上がりとなります。

  プラを割らず、手軽に拭き取れるためハイスピードで効率的に作業できる。 アクリルスミ入れはまさに新時代のスミ入れなのです

アクリルスミ入れ発案者はあのセイラマスオ氏!

 この方法は私のオリジナルではなく、実はセイラマスオ氏に教えていただいたテクニックなんです。

 マスオ氏のスミ入れは非常に独特で、HJ編集部で作例を直接見てもどうやっているのか全くわからなかったんですよ。

 それで2019年のホビージャパン50周年祭りでお会いしたときに直接聞いてみたんです

 そのとき聞いたのが

 「水彩絵の具を水で溶いて、ママレモンを垂らしたものをスミ入れしている」

 というもの!

 まさか、中性洗剤の界面活性効果を利用して塗料の伸びをよくするなんて!

 聞いた瞬間、これはスミ入れの歴史が変わる!と直感しました。

 ただ、さすがにマスオ氏を差し置いて私がこれを紹介するのは差し出がましいと思いまして。

  第23回オラザク選手権の審査でお会いしたときに

 「あれはツイッターで紹介したので、もう大丈夫ですよ」

  と言ってもらえたので今回私がアレンジしつつ、紹介となったわけです。

アクリルスミ入れの可能性!

 アクリルスミ入れが出来るようになるとどんないいことが起きるのでしょうか?

 まず活用できるのが関節やフレーム部分へのスミ入れです。

  ディテールが多くスミ入れ映えする反面、ABSやKPSなど普通のプラ以上にエナメルに弱く、かつ強度もかかるポイントなのでスミ入れするとすぐ割れてしまう部分でしたが、アクリルなら強度を下げずメリハリをつけることができます。

 タミヤカラースプレーのスミ入れにも使えます。

 いい色が揃っている反面、塗膜が弱くエナメルでスミ入れするには塗膜が強力なMrカラースプレー系のスプレーのクリアーでコートする必要がありました。

 ですが、アクリルスミ入れなら塗膜を痛めないので、わざわざコートしなくてもスミ入れできちゃうんですよね。

 そして何よりも、初心者に優しい!

 最近のガンプラはディテールも可動部も非常に多いですよね。

  アクリルスミ入れならば何度でもリカバリーが効きますし、初めてスミ入れする人でも、破損や汚れに恐怖することなく、作業を楽しむことができるようになるんです!

プラに優しいアクリル系スミ入れ専用塗料を模型メーカーさんに発売して欲しい!

 そしてできることならば、模型メーカーさんから是非ともアクリル系スミ入れ専用塗料を発売して欲しい!

  溶剤の調整って面倒に思う人も多いので、最初から調色されているアクリル系スミ入れ塗料があればかなり便利だと思うんですよ。

  個人的にはかなりの金鉱になるんじゃないかって予感があります!

スミ入れでプラモが壊れる恐怖から解放された時代へ

 

 私、いつか自分の「ガンプラ凄技テクニック」シリーズで「ガンプラ初心者入門編」を出したいと思っておりまして。

 それを出す頃にはもうアクリル系スミ入れ塗料が普通にどこにでも売っていて、スミ入れでプラが壊れるとかもうすっかり過去のものになっていて。

 「昔はスミ入れでプラモが割れる時代があったんじゃよ〜」と解説できるようになっていればいいなあ、と願っております。

 とは言いつつ、流れも伸びの良いエナメル塗料でのスミ入れもやはり便利ですし、私もこれかもするシーンは少なく無いと思うのでエナメル塗料が必ずしも悪!というわけではなく。

 ラッカー塗装での下塗りとエナメル、アクリルでのスミ入れを組み合わせることでさらなる模型表現が可能となるのでは?と感じております。

 そして適材適所への使用により、一番効果的なスミ入れ方法を選べる時代がやってくるのかもしれません。

 というわけでアクリル塗料スミ入れでした!

 ぜひ試してみてくださいね♪

アクリルスミ入れを進化させた「真・アクリルスミ入れ」

 アクリルスミ入れの技法をより発展させた「真・アクリルスミ入れ」をこちらの記事で解説しています。

 ぜひ読んでみてくださいね♪

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「失敗したくない」「なにをしていいかわからない」初心者モデラーさんへ!

 現在、プラモデルを製作するとき多くの人が悩んでいるのが「情報が多すぎる」ということです。

 あの人はこう言ってるし、ツイッターで見かけたテクニックはああだったし、でもYou Tubeでだと反対のことをやっていたし……

 プラモデルにはいろんなテクニックがありますが、初心者モデラーさんだと何をしていいのかわからず、いきなり難しいテクニックに手を出して完成しなかったり、プラモを壊して失敗したり。

 作品の人気の法則を知らないため、すごく頑張ってつくった作品より色も塗らないパチ組みの作品に「いいね」が沢山ついてやる気を失ってしまったり。

 でも、安心してください!

 そんな悩めるモデラーさんのために、ホビージャパンから出版されているのが私の本「週末で作るガンプラ凄技テクニック」シリーズです。

 初心者モデラーさんがどうしても「難しい……」と感じる。

 ○合わせ目消し

 ○表面処理

 ○エアブラシ塗装

 は基本やりません!

 1作品最低でも30枚以上の写真で製作ポイントを詳細に解説し、プロモデラー目線で初心者さんが一番心配な「失敗するポイント」を徹底網羅しています。

 これは全部私が失敗してきたポイントなので、安全性は折り紙付きです(笑)

 こちら↓でそれぞれの本について紹介していますが、本の内容は記事でほぼ公開しておりますので、無料で!読むだけですぐカッコよくガンプラを作ることが可能です。

 「今すぐやってみたい!」

 という人はぜひどうぞ♪

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よりプラモデルを楽しみたいモデラーさんへ!

 よりガンプラを楽しみたい!

 上達したい!

 模型コンテストに入賞したい!

 SNSで多くのフォロワーを抱える有名モデラーになりたい!

 など、よりガンプラでいろんなことがしたい!というモデラーさんには「ガンプラ凄技テクニック 機動模型超級技術指南」をオススメします。

 この本は私が16年間のプロモデラー人生で学んだ極意を全て詰め込んでみました♪

 技術というより、知っているかいないかだけで今すぐに実践できる「知識」がメインコンテンツなので、どちらかというと「ガンプラ裏技テクニック」と言ってもいいのかもしれません(笑)

 正直、これが5年前とかならたぶん絶対だれにも教えなかったと思うのですが、私は本も沢山出て、ツイッターのフォロワーも25000を超え、プロモデラーとして地位をしっかり確立できました。

 なので、私の作品製作の基本的なコンセプトである、「とにかく目立ち、わかりやすく人目を引いてバズるような作品」を作る方法をみなさんに役立ててもらえるよう、全て公開しています。

 こちらも↓の記事でほぼ内容を紹介しているので、今すぐ無料で読んでみてくださいね♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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