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【必見!】ABSでも問題ナシ!ガンプラを割らずにスミ入れする「真・アクリル塗料スミ入れ」。ノーリスクで美しいスミ入れを実現する究極の方法はこれだ!

 こんにちは!プロモデラー林哲平です。

 エナメル塗料を使ったスミ入れでだとどうしても発生してしまう、プラが割れるリスクをゼロにした「アクリルスミ入れ」

 今回はアクリル塗料を使ったスミ入れをより発展させ、これまでの弱点を全てカバーした「真・アクリルスミ入れ」を紹介します♪

 自分で言うのもなんですが、この記事を読めば

 ○マスキングの手間がグンと減り、プラモデルの制作効率が格段に上がる!

 実際、私はもうこのテクニック無しではガンプラを作れません(笑)

 スミ入れの解説なのに、なんでマスキング?って思うかもしれませんが、とにかく読んでみてください!

 絶対に損はさせませんよ♪

目次

アクリルスミ入れとは?

 スジ彫りやディテールに塗料を流し、くっきりと目立たせるテクニック「スミ入れ」。

 プラモ製作には必須のテクニックで、従来はエナメル系塗料を使うのが一般的でした。

 ですが、スミ入れに使うエナメル系溶剤はプラスチックに浸透して割ってしまう、という性質があり、初心者モデラーさんだとパーツを壊してしまう、ということがよくあるのです。

 そこでエナメル系塗料ではなく、プラを割る心配の無いアクリル系塗料でスミ入れをする技法を考えてみたんですね。

 アクリルスミ入れの原理はこちらの記事で解説していますので、この記事をまだ読んでいないならぜひ目を通してみてください。

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 セイラマスオ氏のスミ入れテクニックを参考にして考案した「アクリルスミ入れ」 ですが、おかげさまで大好評を頂き、多くの人がガンプラの関節を割らずにスミ入れできる!と実践いただき本当〜に嬉しいです!

 ですが……まだ発展途上のテクニックであり、個人的にはどうしても気になる部分も数多くあったのです。

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 まず、拭き取りやすさや塗料の流れやすさを優先するためにマジックリンを入れたことにより、エナメル塗料でのスミ入れに比べると塗料の粒子感が目立つんですね。

 どうしても仕上がりの見栄えが一段落ちるのは、やはりモデラーとしては気になるポイントです。

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 かと言ってマジックリンを入れずにスミ入れすると、どうしても拭き取るのに時間がかかってしまい、お手軽にできるようなテクニックではなくなってしまいます。

 なんとかお手軽かつ、仕上げの見栄えもいい方法は無いか? そこで思いついたのが、エアブラシを使うアクリルスミ入れです。

エアブラシでスジ彫りを塗る!

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 ラッカー系塗料で下塗りしてから、アクリル系塗料の細吹きでディテールを塗り分けます。

 エアブラシでスミ入れ?というと大変そうに感じる人もいるかもしれません。

 ですが、凹ディテールやスジ彫り部分に均一に塗装できるため、普通に筆で塗料を薄めて流し込むよりはるかにキレイに塗装できるんです。

 実際、超高精度なガンプラ作品を作るモデラーさんで、エナメル塗料をエアブラシで細吹きしてスミ入れしている人も多いんです。

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 エアブラシで吹き付けた塗料は薄く均一に乾燥するため、マジックリンを塗料に混ぜていなくても断然拭き取りやすいのです。

  あまり強くこすりつけるとラッカー系塗料の塗膜を侵すことがあるエナメルと違い、実質「油汚れを浮かして落とす」だけ。

 パーツ表面が洗浄され、キレイになってしまう効果まであるんですよ。

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 ラッカーと水性アクリルは溶剤成分が全く違い、マジックリンはラッカー系塗料の塗膜を一切侵さないため塗膜が傷つくこともありません。

 カーモデルなどの「最終クリアがけ前中性洗剤でパーツを洗う」のと実質的に同じ状態になっているのです。

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 スミ入れした状態。

  ご覧の通り、スジ彫りやディテール部分に塗料のムラなども出来ず、ビシっとしたスミ入れになりました。

 エナメル塗料より拭き取りやすく、かつパーツの破損も防ぐことが可能なのです。

装甲裏側の塗装にも使える!

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 この方法の利点はスミ入れだけに留まりません 。

 たとえばMSの装甲裏側やくぼみのディテール部分 。

 ラッカー系塗料でマスキングして塗り分けるのは大変ですし、エナメル系塗料は塗膜が弱いのでで塗ると触っただけで塗膜が剥げたり、可動させたとき擦れると、他のパーツに色が移ったりすることもあるんですよ。

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 はみ出した部分はスミ入れ同様にマジックリンを染み込ませた面部で拭き取ればこの通り!

  マスキングが必要無いので短時間で作業できますし、エナメルのように塗膜が剥げたり色移りすることもありません。

  本当にノーリスクかつ短時間で塗れてしまうのです!

エナメル系塗料と組み合わせればさらにスゴイ!

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 それではエナメル塗料はもう必要無いのでしょうか?

  いやいやいやいや!!!

 エナメル系塗料を加えることで、この技法は真価を発揮するのです 。

 まずはこのバーニア内部アクリル塗料のエアブラシ吹きで赤く塗ってみましょう。

 今回は水性ホビーカラーのシャインレッドを使っています。

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 アクリル塗料で赤い部分を塗ったら、中心部の黒いノズル内側は「エナメル塗料」で塗装し、はみ出た部分を拭き取ります。

 つまり、ラッカーの上からアクリルとエナメルの二層で塗ることにより、「二重拭き取り」が可能になるのです!

スミ入れは今後「二重拭き取り」が標準となる!

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 このアクリルスミ入れが「真」たる所以は、ラッカー、アクリル、エナメル三種の塗料を使い、二重に拭き取り可能にすることにより、面倒で複雑なマスキングの手間を大幅に省くことが可能になるということです。

 たとえばガンプラの装甲の裏側のハイディテールを活かしたいとき。

 ○全体はラッカーで塗り

 ○ 裏側をアクリルで塗ってはみ出た部分を拭き取り

 ○裏側のディテールやスジ彫りをエナメルでスミ入れして拭き取る

 …ということが出来るようになるのです!

 この方法はガンプラ意外にも、さまざまなジャンルに応用可能です。

  塗り分けが非常に複雑な、カーモデルのエンジンやホイール、ガールズモデルの瞳の塗装、AFVモデルの多重ウェザリングへの応用などなど。

  工夫しだいでいろんなことが出来るようになるかもしれません。

 というわけで「真・アクリルスミ入れ」でした!

 活用するとプラモの塗装がグンと楽になるので、ぜひ皆さんもやってみて、そしていい使い方があったら私に教えてくださいね♪

この技法は「機動模型超級技術指南」より……アップグレードしたものです!

 この記事で紹介した「真・アクリルスミ入れ」「二重拭き取り」は私のソウルブック「機動模型超級超級技術指南」に掲載したジークジオングの記事……に大幅に文章を増やして詳しく解説したものです。

 いや、本当はしっかり詳しく掲載したかったんですけど、どう〜してもページ数とスペースが足りなくてですね……

 というわけで合わせてこちらの本も読んでいただけると嬉しいです♪

 こちらで本の内容を徹底解説しているので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

コメント

コメント一覧 (2件)

  • パーツ表面の凹凸に応じてシステマティックに考えるアタマさえあれば、かなり複雑な事も可能になりそうですね。夢が膨らみます。

    マジックリンのパーツ表面への残留成分ってどうしても発生すると思うのですが、これは普通に塗膜の乾燥後に水洗いでしょうか?
    ABS製の食玩ユニコーンタイプのサイコフレーム塗り分けがとてつもなくアッサリ行きそうでワクワクしております♪
    スミ入れだと地味に難しい、ある程度の幅のある凹モールドにも有効なのが嬉しいですね

    • 鏡星人さま

      コメントありがとうございます。

      そうなんですよ!
      鏡星人さんがおっしゃるように、ABS製の食玩など、塗り分けが多いものの塗装にはすごく役立つ感じです

      残存マジックリンですが、私は「ちょっとつけすぎたかな?」と感じたを軽く水で拭くぐらいで、厳密に水洗いとかまではこだわらずに製作している感じです☺

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