こんにちは!プロモデラー林哲平です!
今回はアクリル塗料を使った塗装での必需品、マジックリンについて解説します!
「え?プラモにマジックリン?」
というそこの貴方!
この記事を読み終える頃には
「よし!模型用に常備しておこう!」
となること間違いなしですよ♪
結論から言うと、マジックリンはアクリル塗料の塗膜を溶かして落とすことができるのです。
マジックリンはアクリル塗料をキレイに落とせる!
匂いが少なく、人体にも優しく、現在人気急上昇のアクリル塗料。
でも、アクリル塗料って一度固まると溶剤で拭き取ったり、洗っても全然落ちないんですよね。
安価で、安全な水性アクリル系塗料の筆塗りとか、最近する人が増えてきましたよね。
でも、うっかり筆を洗うのを忘れて固めてしまうと……
なかなか溶剤につけても塗料が落ちず、元に戻らないんですよね… ですが!
マジックリンでアクリルで固まった筆を洗うと、塗料が落ちるんですよ!
アクリル塗料の筆塗りが現在流行っていますが、これを知っているか知らないだけで、作業効率もコストも大幅に変わって来るんです。
エアブラシの洗浄にも使える!
最近はアクリル塗料をエアブラシで吹くことも増えてきました。
エアブラシは使ったあと洗浄しなければすぐにノズルが詰まって使い物のならなくなってしまうのですが、アクリル塗料は一度塗料が固まると溶剤では溶けにくいので、洗浄が大変だったんですよ。
これがマジックリンを使ってみると!
みるみるうちにエアブラシについたアクリル塗料が溶けて行くんですよね。
うがいの時に泡が出るのが独特ですが、あっという間にピカピカになります。
エアブラシの洗浄用としても、非常に役立つ、と言うか無いとエアブラシでアクリル塗料を使うのが難しいレベルで必需品なのです。
マジックリンの応用でアクリル塗料をエナメル塗料のように運用できる!
マジックリンの特性で特筆すべきはラッカー塗料の塗膜を侵さないことです。
これでエナメル塗料と同様の使い勝手で、拭き取り前提でアクリル塗料を使うことができるようになったのは非常に大きいポイントなのです。
エナメル塗料は塗膜が弱く、触るとはげるのですが、アクリル塗料はそれがほとんどありません。
これは特に可動させるときにいろんなところを触ってしまうガンプラにとって効果が高いんです。
エナメルでしっかり塗り分けておいたのに、気がついたら触った部分が全部ハゲて、おまけにその時ついた塗料が指について、すごく目立つ部分に指紋としてべったりついてがっかりした経験があるモデラーさんも多いはず。
アクリルのマジックリン落としを活用することで、そのような悲劇を防ぐことが可能なのです。
スミイレをアクリル塗料でする時代が来る!
この「マジックリン落とし」がもっと広がれば。
もしかしたら流れが良く、伸びの良いスミイレ専用アクリル塗料などが開発されて、エナメルのスミ入れでパーツを割る悲劇が無くなる時代が来るのかもしれません。
実際個人ではそれに近いことをしているモデラーさんもいるので、アクリルでスミイレするのが当たり前、のような時代は結構すぐそこまできているのかもしれません。
というわけでアクリル塗料を使ったスミ入れ法をやってみたので、興味ある人はぜひ読んでみてくださいね♪
なぜ、マジックリンでアクリル塗料が落ちるのか?
ところで、なぜマジックリンでアクリル系塗料の塗膜を落とすことができるのでしょうか?
マジックリンは「強アルカリ系洗剤」という洗剤に分類されます
強アルカリ剤は主に台所のガスコンロ周りであるとか、排水溝あたりの強い汚れを落とすときに使われています。
このような場所の汚れはタンパク質や油脂がこびりついており、これを分解して洗浄することが可能なのです
私も科学の専門家ではないため詳しいことはわかりませんが……
おそらく水性ホビーカラーなどの水性アクリル系塗料、シタデルカラーなどの水性エマルション系塗料に入っている、顔料同士をつなぐための成分は化学組成的にタンパク質や油脂に近い性質を持つもので、それを分解して塗料を落としているのでしょう。
ラッカー系塗料はこのつなぎの部分が油性であり、水性塗料とは違うので、マジックリンで拭いても溶けないんですね。
マジックリンは素晴らしい!
と言うわけでマジックリンの解説でした。
アクリル系塗料を使う人ならば、必ず持っておいて欲しいアイテムなので、ぜひ使ってみてくださいね♪
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コメント
コメント一覧 (4件)
これ、凄いですよね
昔からあったテクニックなんですか?
タミヤの1/48戦闘機の説明書なんかには、大面積をまずラッカースプレーで塗装して、
そのあと細かい所をアクルルやエナメルで塗っていきましょうとありますが、
この方法でアクリル部分を修正できるわけですね。
やっとタミヤの説明書の意図が分かりました・・・
戦艦とかでも、船体色をラッカーでドバっと噴いたあと、アクリル筆塗りで甲板色を塗っていけそうですね
はみだしも簡単に落とせるので。
これは色々便利だと思います、塗装方法が変わっていくような気がします。
どかべんさん、コメントありがとうございます!
実は昔から知られてはいたらしいのですが、私も知ったのはつい最近で、イラスト風塗装法を紹介しているネットの記事で知りました。
タミヤの缶スプレーはエナメル塗料で塗膜が溶けるので、アクリルで部分塗装してマジックリンで拭き取るのは効果抜群なんです。
超絶技巧の艦船模型を製作されるプロモデラーの木村直貴氏も甲板はアクリルの筆塗りで作ってますし。
アクリルのマジックリン落としがより進めば、もっと模型技術が進化していくと私も思います!
はじめまして。
最近プラモ復活した者です。
こちらの技法ではみ出し処理したあとは
水洗いしたほうが良いですか?
溶剤拭き取りは揮発性が高いのでそのままでいけますが洗剤となると跡が残りませんか?
ぼっかちゃんさん
はじめまして
コメントありがとうございます
私は拭き取ったあとは軽く水で拭いてはいますが、全体のパーツの洗浄はしていません
そもそもマジックリンは洗剤なので、表面はむしろ洗われて汚れなども落ちキレイになる感じです
どうしてもトップコートを吹くのに心配ならば他のパーツで試してみてから、洗浄などをしてみてはいかがでしょうか?
復活プラモライフ、ぜひ楽しんでくださいね♪