現在のガンプラウェザリングで最も優れた技法「らいだ〜Joe式塗装法」
こんにちは!林哲平です。
皆さんはプロモデラーのらいだ〜Joe氏をご存知ですか?
ガンプラをとにかく格好良く見せる、「魅せるためのウェザリング」に特化した仕上げと、徹底的な効率化による超高速のスピードフィニッシュ、効果な機材を使わないコストパフォーマンスに優れたマテリアル選択により作られた作品の数々はどれも素晴らしいもの。
成型色仕上げでGBWCファイナリスト入りするなど、その実力は文句無しのトップランクモデラーさんなんです。
私もらいだ〜Joe氏の作例を一眼見て、「これはやばい!凄すぎる!」と感激し、ぜひともみんなに紹介せねば!と「週末でつくるガンプラ凄技テクニック〜ガンプラ簡単フィニッシュのススメ」用の作例として、REハンマハンマを製作するに至ったわけです。
この記事ではらいだ〜Joe式塗装法のポイントについて解説していきたいと思います。
現在のガンプラウェザリングでは最も優れた手法です。
断言します!
ランナー塗装で作業を徹底効率化!
らいだ〜Joe式塗装法では基本的にランナーについた状態でパーツを塗装します。
パーツを一気に塗装できるので作業時間を大幅に短縮できるうえ、ランナー塗装でネックとなるゲート跡からむき出しになった成型色やパーティングラインなども完成後まったくわからなくなります。
まさにストレスフリーの製作法なのです!!!
イージーペインターを使いこなせ!
らいだ〜Joe式塗装法の重要アイテムであるイージーペインター。
ガイアノーツより販売されている安価な簡易エアブラシで、本来エアブラシが無いと使えない瓶の塗料をなんでもスプレー塗装できるというスグレモノ。
エアー缶は100円ショップのエアダスターとも互換性があり、工夫次第で非常にコスパが良い運用が可能なのも魅力なんです。
らいだ〜Joe氏は家族の迷惑にならないよう、基本的には水性ホビーカラーをイージーペインターで使用しているんです。
ランナー状態で装甲裏まで塗ってしまえ!
重量感が重要なウェザリング仕上げにおいて、装甲の裏側が成型色そのままだとどうしても軽そうに見えちゃうんですよね。
らいだ〜Joe式塗装法では水性ホビーカラーの焼鉄色をランナー状態で筆塗りし、完成時の質感を高める方法を採用しています。
水性ホビーカラーの焼鉄色は隠蔽力が高いのでさっと塗るだけでOKですし、はみ出しても後のウェザリングで誤魔化せるので塗り分けもストレスフリーで楽〜にできるんです♪
デカールもランナーに付いたまま貼ってしまえ!
何かと大変なデカール貼り。
らいだ〜Joe式塗装法ではなんとデカールもランナーに付いたまま貼ってしまいます。
ランナー状態なら、パーツがズラリと並んでいるので探す手間もなく、手早く一気に目立つ部品にデカールを貼ることができちゃうんです。
そもそもランナー状態でデカールが貼りにくい場所は完成しても目立たない部分が多いですし、こういう部分は省き、目立つことに徹底的に特化しているわけなんですね。
輝くメッキをお手軽に再現!4Artistマーカーを活用する!
ウェザリング仕上げってどうしても地味になりがちなのですが、らいだ〜Joe氏の作品はどれもすごく派手で見栄えがするんですよ!
その秘訣はズバリ!マーカーによるメッキ塗装。
らいだ〜Joe式塗装法ではメッキ調に簡単に塗れる4Artistマーカーで各部を塗装することにより、渋い仕上がりの中に格好よく目立つアクセントが配置され、より目を惹く派手な仕上がりとなるのです。
一回使うともう手放せなくなりますよ♪
究極のボカシペン、神ペンでリアルタッチマーカーの性能を極限まで発揮させる!
らいだ〜Joe式塗装法で欠かせないのが神ペンを使ったウェザリングです!
神ペンはリアルタッチマーカーを改造することにより作るボカシ専用のペン。
リアルタッチマーカーで引いた線をぼかすことにより、超お手軽にエアブラシで細吹きしたかのようなグラデーションをガンプラに表現することが出来るのです。
一回使うと手放せなくなるくらい、非常に便利なアイテムでまさに「神」のなを冠するにふさわしいペンなんです!
なお、リアルタッチマーカーによるぼかしはこちらの記事でより詳しく解説しているのでぜひ読んでみてくださいね♪
人造神ペン製作法ももちろん解説!
神ペンは市販されていないので、自分で作るしかありません。
リアルタッチマーカーを使い続けて誕生するのを待つのはちょっと大変なので、人造神ペンを簡単に作る方法も解説しています。
ゲート跡はリタッチしない?チッピングでごまかしちゃえ!
ランナー塗装だとどうしても気になるゲート跡 。
らいだ〜Joe式塗装法ではなんとゲート跡はリタッチしません!
エッジ部分に水性ホビーカラーの焼鉄色をスポンジでチッピングするのですが、その過程でチップにゲート跡が紛れてわからなくなってしまうのです。
大幅に作業時間を短縮できる素晴らしい手法なのです!
プラを割るリスクゼロでウォッシングさながらの効果を出す!
らいだ〜Joe式塗装法はまるで全身をウォッシングしたかのような仕上がりですが、これは全てリアルタッチマーカーによるスミ入れを神ペンでぼかしたグラデーションによりつけられた表面のテクスチャーなんです。
つまり、つけすぎるとプラスチックを割って破損してしまうエナメルや油彩に頼らずリスクゼロで面に深みのある表情をつけられるんです!
これはもう、ウェザリング界における革命というほかありません!
手軽に使えるタミヤウェザリングマスターをガンガン使う!
手軽に使えるタミヤウェザリングマスターをガンガン使っていくのもらいだ〜Joe流。
ウェザリングマスターもプラを侵さない安全な素材ですし、複数の色を使うことでより深みのある表現を再現することができるのです。
らいだ〜Joe式塗装法がいかに優れているのか?3つの重要ポイントを知れ!
と、ついヒートアップしていろいろらいだ〜Joe式塗装法について語ってきましたが、この技法の最重要ポイントを3つに絞りまとめたいと思います。
私がプラモで世界を支配した暁には、公務員試験に問題として出すつもりなのでちゃんと覚えておいてくださいね!
①徹底的な効率化によるハイスピードモデリング!
らいだ〜Joe氏の製作法ではランナーごとパーツを塗装します。
仮組みをしないで済むので、バラす手間やいちいち持ち手にパーツをつける手間もなく、通常の製作法と比べて時間が大幅に短縮できるのです。
塗装済みキットを自分で作ってしまい、あとは組み立て。
細かい部分はウェザリングで修正すれば超スピードで作業できるのは自明の理。
一見泥臭い仕上げに見えるかも知れませんが、極めて高度でシステマチックな思想が根底に流れているのです。
②プラモと人への徹底的な安全性の配慮!
らいだ〜Joe式塗装法ではほとんど水性塗料を使って作業します。。
嫌な匂いは最小限に抑え、人体への安全性が高い素材ばかり。
子供のいる家庭や集合住宅に住んでいる人など、プラモデル製作で最も重要な「周りの人からの理解」を得やすいというのはこれからの時代何よりも大切なことではないでしょうか?
そして水性素材はプラスチックに浸透することが無いのでウェザリングで多様されている油彩やエナメル系塗料と違いどれだけ使ってもパーツを割ることがありません。
可動部が多く割れに弱いガンプラにとって、これほど最適なウェザリングが他にあるでしょうか?
③全てを覆えす、圧倒的なカッコよさ!
そして何よりもこの技法の最も優れているポイントは見た目が非常にカッコよく、見栄えのする仕上がりとなることです。
安全性やスピードはもちろん大事です。
でも、そればかり考えすぎて仕上がりが微妙になってしまっては元も子ありません。
ガンプラへのウェザリングは基本的にAFVモデルのウェザリングが基本となっていますが、このらいだ〜Joe式ウェザリングはガンプラに特化したもの。
「リアルに見せる」ではなく「カッコよく見せる」ためのウェザリング。
成型色ながらGBWCファイナリスト入りした実績のある、ガンプラウェザリングとして究極の技法なのです!
らいだ〜Joe氏のイフリートの衝撃!!!
私がらいだ〜Joe氏を初めて知ったのはホビージャパン2017年7月号の巻頭特集「僕たち私たちの週末モデリング日記」でのことでした。
他のプロモデラーさんの作例の実物を生でじっくり見られるのがホビージャパン編集部にいる特権。
「凄い作例が来たよ!」と実際にらいだ〜Joe氏のイフリートを見ると確かにものすごくカッコイイ!
「いやでも、水性塗料だけでこんな風に仕上がるわけないでしょ?」
とまず最初に思いました。
そしてヨドバシ展示した作例をツイッターで紹介したところ、らいだ〜Joe氏と仲良くなり、話を聞いていると確かに本気でこの方法で作っているんだ!となんとなくわかってきて。
じゃあ試してみよう、と元々は趣味で作り出したのがこのハンマハンマはだったんです。
試してみたらその通りになったので本当にびっくりしましたね。
2018年7月号はらいだ〜Joe式塗装法を学ぶにおいて原点となる本ですので、興味ある人はぜひ読んでおいてください。
誰がやっても同じようにできる技法こそが最高の凄技テクニックである!
ガンプラの技法はたくさんありますが、個人の超絶な才能や技巧のみに頼り、その人しかできない方法は普及しません。
再現性が無いからです。
らいだ〜Joe式塗装法の凄いところは非常に再現性が高いということ。
この方法通りにすれば誰が使っても同じようにカッコよく仕上がってしまうんです。
私のようなウェザリングに慣れた上級者ほど「本当にこうなるの?」と思い込み疑ってしまうでしょう。
でも、このハンマハンマこそが再現性の証なのです。
らいだ〜Joe氏は関西を中心に自身のウェザリング法を教えるワークショップを数多く開いているので、気になる人はぜひ行ってみてください。
実際ワークショップに参加して劇的に上達した人も数多いですし、やはりこういった技法はテクニックを編み出したご本人に教えてもらうのが一番です。
らいだ〜Joe氏のツイッターは常にチェックしておきましょう!
みんなもやろう!らいだ〜Joe式塗装法!
というわけでREハンマハンマらいだ〜Joe式塗装法仕上げでした。
ちなみにこのハンマハンマ、私のバイブルであるホビージャパン刊「ガンダムウェポンズ2」掲載の近藤和久氏のコミックスに登場するハマーン専用ハンマハンマ「ワルキュール」がモチーフとなっています。
まあ実際は黒いんですが、やっぱりハマーンといえば白でしょ!とこのカラーリングにしています。
ウェザリングも白のほうが映えますしね♫
究極のガンプラウェザリング法であるらいだ〜Joe式塗装法、ぜひともやってみてくださいね♫
「週末でつくるガンプラ凄技テクニック〜ガンプラ簡単フィニッシュのススメ〜 」をよろしくお願いします!
コメント