こんにちは!プロモデラー林哲平です!
月刊ホビージャパン2020年5月号の連載記事「 ガンプラ凄技テクニック」にて製作したHG Zプラスユニコーン版を紹介します♪
全く新しい技法である現用航空機ウェザリングとは?
ガンプラのウェザリングは基本的にAFVモデルの技法を輸入したものです。
これは第一次ガンプラブームの頃から基本的には変わっていません。
そして、ウェザリングは数ある模型塗装表現の中でも、常に進化し続けてきた技法でもあります。
常に新たなウェザリングが生み出され、今ではAFVモデルだけではなく、船や航空機など様々なジャンルに適した技法が発展しています。
その中でも近年模型界に衝撃を与えたのが林周市氏の現用戦闘機のウェザリング技法です。
本物の戦闘機を徹底的に検証し、マスキングゾルによるリタッチや塩によるマスキング、フィルタリングを繰り返して深みを出す手法により作り上げられた戦闘機プラモデルは本物にしか見えないぐらい物凄いもの。
今回はこの林周市氏の技法をを参考に、MSに航空機風のウェザリングを施す方法を解説しています。
林周市氏の技法は「エアモデル・ウェザリングマスター 林 周市の世界」「Scale Aviation(スケールアヴィエーション) 2017年 11 月号で徹底的に解説されており、非常に衝撃的なテクニックばかりなのでぜひ読むことをオススメします。
別冊とスケールアヴィエーション2017年11月号では掲載作例が大きく違うので二冊とも持っておくとよいでしょう。
それではZプラス航空機ウェザリング仕上げ、行ってみましょう♪
マスキングゾルでリタッチ跡を再現する!
現用航空機は一機につき100億円を超える機体も多く、高額でそう簡単に買い換えることもできません。
なので必然的に長期間運用されることになり、風雨に晒された塗装は何度もリタッチを繰り返して補修されます。
といっても全体を塗り替えるオールペンをしょっちゅうすることはできないので、腐食部分をルーターで削り取り、人の手作業によるスプレーでリタッチされるのですが、リタッチした部分だけが元の綺麗な色になり、明るく浮かび上がるんですよね。
記事ではこの表現をマスキングゾルを使い再現。
成型色部分を隠してからウォッシングし、後で剥がすことにより成型色の綺麗な部分を残し、リタッチした部分として表現する方法を解説しています。
プラを割らないアクリル塗料でウォッシング!
Zプラスのような可動部や軸の多い可変機の場合、Mrウェザリングカラーでウォッシングすると関節に負担がかかり、割れる可能性が急上昇します。
記事ではプラに浸透せず、割ることの無いアクリル塗料を使ったウォッシングの方法を解説。
可変機以外にも、ABS製の完成品TOYやフレームが半完成品のハイレゾリューションモデル、非常にエナメル系溶剤に弱い塩ビ製フィギアなどなど、様々なシーンで活躍する汎用性の高いテクニックなのです。
可変翼の回転汚れを表現する!
可変翼機の動翼付け根には油やホコリなどの汚れがたまりやすく、可動部を中心に扇状の独特な汚れがつきます。
記事ではこれをエナメル塗料とコンパスにより表現する方法を解説。
可動部が多いMSだと、可変翼以外にもヒザ関節などこの汚れがつく部分は多いこと確実!
MSに応用することで非常に可能性が広がりそうなウェザリングなのです!
翼端灯を塗り分ける!
航空機の翼には翼端灯がついています。 色にはルールがあり、
左は赤、右は青となっているのはご存知ですか?
私は大学生の頃、飛行機モデラーの友人から「左翼はアカ」と教えてもらい一発で覚えられました(笑)
記事ではシタデルカラーのツマヨウジを使い、ディテールが無い部分にでも手軽に翼端灯の丸い小さな円を描く方法を解説しています。
ウェザリングマスターを多重に重ねてリアルなスス汚れを再現する!
現用機ではあまり無いですが、第二次世界大戦の戦闘機など、飛行機といえば排気炎で褐色に汚れた跡というのは特徴的なものです。
記事ではウェザリングマスターを多重に使い、リアルな排気炎をお手軽に再現する方法を解説しています。
可変機ウェザリングの可能性!
このウェザリングの面白いところは可変状態をメインでウェザリングするということ。
なので雨だれやサビ垂れがMS状態で上に登っていたり、チッピングで禿げるエッジ部分が綺麗だったりと、これまで戦車的なウェザリングにほとんど頼っていたガンプラウェザリングにとって革命的な変化をもたらす可能性を秘めているのです。
Zプラスに限らず、ギャプランやアッシマーなど「飛行するMA状態がメイン」の機体などでぜひとも試してみてくださいね。
「週末で作るガンプラ凄技テクニックHG編」にも収録!
こちらのZプラスですが、私の著書「週末で作るガンプラ凄技テクニックHG編」に、本誌連載当時よりも完成写真を増やして収録しています。
この記事を読んで「いいな♪やってみたいな♪」と感じてもらえたら、本も合わせて読んでいただけると私はすごく嬉しいです♪
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