こんにちは!プロモデラー林哲平です!
今回はHJ2020年6月号掲載作例である、メタルコンポジットザクのウェザリング仕上げ作例を紹介します♪
究極のガンダムTOYであるメタルコンポジットとは?
メタルコンポジットはカトキハジメ氏プロデユースのMS完成品トイです。
ダイキャスト製パーツの重量感に超高精度のパーツ、塗装パーツの多様にタンポ印刷されたマーキングと、箱を開けるだけで雑誌作例レベルの完成品を手軽に手に入れることができるという、とんでもないシリーズなんです。
価格は2万円くらいしますが、正直これほどクオリティの高いアイテムをたった2万円で売ることができる、バンダイさんの技術力、生産管理能力、マーケティング力には本当に驚かされます!
メタコンを汚すんですか!!!
今回、編集部からメタルコンポジットをウェザリング仕上げで作ってくれ、と発注を受けて、私は正直ビビりました。
だって、2万円もする完成品を汚すんですよ!
最初はなんとか綺麗に仕上げた方がいいんじゃないんですか?と話してみたのですが、他の作例との兼ね合いもあり、最終的にはウェザリングするのが一番いい、と私も納得でき、さあいざウェザリング!となったのですが…
ウェザリング用塗料を染み込ませた筆を持ったまま、10分くらいは固まってました(笑)
2万円する完成品にウェザリングするって、やっぱり勇気が必要ですよね♪
というわけでここからは付属デカールの貼り方や、ウェザリングの方法を解説して行きます♪
デカールを貼る!
デカールを切り出します。
細かな数字が多く、ハサミを使うと台紙がバラバラになってデカールをなくしてしまいやすいのでデザインナイフで必要なデカールを切り抜きましょう。
ピンセットでつまんで水に浸けます。
メタルコンポジットザクに付属するデカールは非常に貼りやすく、水に漬けるとすぐに貼れるようになるので、ちょっと水をくぐらせるくらいでOKですよ。
機番は3枚のデカールを組み合わせて使います。
ズレないようにガイドとなるマスキングテープを貼っておき、基準となる中心の「0」から貼るとキレイに文字を揃えやすくなります。
デカールを指定の位置にセットしたら、ティッシュで上から押し付けて水分を取り除きます。
このときデカールがズレやすいので注意しておきましょう。
デカールをより密着させるためにマークソフターを使います。
デカールの上からマークソフターを塗り、10秒ほど待ってから水を染み込ませた綿棒でくるくる、と中心から外側へ向けて広げるように押し付けてパーツに密着させます。
デカールを貼った状態。
マークソフターを使うとデカールがパーツにしっかりと密着し、つや消しを吹いたときに余白部分が浮いて目立つ「シルバリング」を防ぐことができるのです。
中心の0に合わせて左右の数字を貼れば完成です。
メタルコンポジットのデカールは非常に質感が高く、丁寧に貼ればモデルのクオリティーをさらに高めてくれるのでぜひチャレンジしてみてください♪
ツヤを消す!
頭部のモノアイガードはクリアーパーツ。
つや消しをそのまま吹くと曇ってしまうので、細切りしたマスキングテープをピンセットで貼ってマスキングしておきます。
メタルビルドは非常に重く、普通の持ち手では落下の危険性が非常に高いもの。
なので強度の高い純正ベースをつや消し用の持ち手として使いましょう。つや消しがかからないように紙やマスキングテープ、ラップを使ってマスキングしておきます。
メタルビルドの高級感にふさわしい、現在最高品質のつや消しスプレーであるMr.スムースクリアーつや消しを全体に吹いてつやを消します。
なお、つや消しを吹くときは必ずよく晴れて空気の乾燥した日にすること。
雨の日や湿度の高いときに作業すると、水分とつや消し成分が反応して表面が白く曇ってしまうのです。
ウェザリングせずとも、この段階でクリーンフィニッシュの完成品として全然OKです
ウェザリングする!
タミヤアクリルカラーのフラットブラックとレッドブラウン、ダークグリーンをアクリル溶剤で薄めたもので全体をウォッシングします。
アクリル塗料はプラやABSを侵さないため、完成品TOYのウォッシングには適しているのです。
アクリル塗料は乾燥すると溶剤でも拭き取れないので、塗ったらすぐキムワイプで叩きつけるように余分な塗料をぬぐいつつぼかします。
そのまま乾かすと独特の染みが出来やすいので、少しずつ作業するのがオススメです。
タミヤスミ入れ塗料のダークブラウンで筋彫りや凹部分にピンウォッシュしてディテールを引き立てます。
ピンウォッシュは拭き取りせず、流し込みっ放しでOKです。
大量に使うとプラが割れるので、塗料は少量、ワンポイントにとどめておくと良いでしょう。
ピンウォッシュはこちらの作例記事で詳しく紹介しているので、興味ある人は読んでみてくださいね♪
サビ垂れやレインマークをリアルタッチマーカーで書き込んでいきます。
下に伸びる部分をらいだ〜Joe氏直伝の「神ペン」でぼかすと非常にリアルな仕上がりとなります。
らいだ〜Joe氏のテクニックはこちらの記事で紹介しているので、興味ある人はぜひ読んでみてくださいね♪
タミヤアクリルのフラットブラックとレッドブラウンを混ぜたダークブラウンで色ハゲをスポンジチッピングで追加していきます。
塗料をつけすぎると表面にべったり跡がついてしまうので、少しずつを心がけるのがコツです。
チッピングに使った塗料でエッジ部分を中心にドライブラシをかけていきます。
エッジにダークブラウンが乗ることで繊細な色ハゲ表現となり、スポンジチッピングと組み合わさることでよりリアルな表現となるのです。
武器はガンダムマーカーのガンダムシルバーでドライブラシして金属感を強調させます。
シルバーは非常に強い色なので、気をつけておかないとあっという間に銀ピカになってしまうのです。
チッピングやドライブラシを施したエッジ部分に軽く鉛筆の芯をこすりつけると、鉛粉の鈍い輝きが金属の重量感を醸し出してくれます。
重量感の高いメタルコンポジットとは相性抜群のウェザリング技法なんです。
メタルコンポジットってすご過ぎる!
というわけでメタルコンポジット、ザクⅡC型でした♪
2万円と高額ですが、ある程度お金に余裕があるけど忙しくてプラモを作る時間が全然無い!でもウェザリングや塗装が好き!という人はぜひやってみてください♪
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