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全塗装に最も向いていないガンプラ、RGユニコーンで成型色フィニッシュの限界に挑む。「RX-0パーフェクトユニコーン ガンダム」。「HJメカニクス04」「ガンプラ凄技テクニック 機動模型超級技術指南」掲載作例。

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HJメカニクス連載記事「林哲平の機動模型超級技術指南」第4回はまさかの成型色フィニッシュ!!!

 こんにちは!林哲平です。

 「究極の作例を作る」をテーマに予算、時間、手間など全てのリミッターを解除して思いのままにガンプラを作るホビージャパンメカニクスの連載企画「林哲平の機動模型超級技術指南」

 HJメカニクス04号掲載の第4回はRGユニコーンガンダムを題材に、成型色フィニッシュでどこまでできるのか?がテーマとなっています。

全塗装に最も向いていないガンプラ「RGユニコーンガンダム」で成型色フィニッシュの限界に挑む

 

 今回の作例はRGユニコーンをユニコーンモード⇄デストロイモードでそれぞれメガライダー形態、パワーローダー形態で搭載可能なアームドアーマーGA(Gアーマー)との合体変形ギミックがポイントです。

 でも、これを普通に全塗装で作ったとしたらどうなるでしょう?

 ただでさえRGユニコーン はタイトなキットで、塗膜の厚みを調整しながら変形で禿げないように完成させるのは至難の業。

 ましてや変形合体するGアーマーに入れたり出したりしたら塗膜の禿げや破損は免れません。

 表面処理して全塗装でしあげるとなると、一年は製作期間が必要です。

 実はこの作例のアイディアはOVAユニコーン エピソード6あたりに思いついたんです。

 最終章でシナンジュがパワーアップするという話を聞いていたので、当然フルアーマーユニコーンも小説版からパワーアップするに違いないと。

 そしたら特に追加武装なども(プラモではビームジャベリンが追加されましたが)無く、ちょっとインパクトに欠けるなあって。

 で、ネオジオングと並べられるくらいユニコーンをパワーアップさせるとしたらもうこれしかない!と思いついたのがこのパーフェクトユニコーンなんです。

 ユニコーンは本体が最強なのであまり装飾パーツとかくっつけるのはあまり機体設定にそぐわないし、だったらご先祖様であるヒュッケバインMK3みたいにパワーローダーに乗せてしまえ、そしてついでにパワーローダーをガンナー形態に変形させてしまえ!!!って。

 ただ、これを普通に全塗装しあげで作るとなるとどんなに頑張ってもかかりっきりで半年はかかります。

 そんなことしてる時間無いし、あまりの工作量のため不可能だと自分の中のラプラスの箱に封印していたんですよ。

 しかし!思ったのです。

「これ、成型色フィニッシュだったら作れるんじゃないか?」 と。

 成型色フィニッシュなら色禿げの心配無いし、表面処理の手間も無し!

ギミックとパーツ構成のアイディア練りに全ての時間をつぎ込むことができるので、夢のパーフェクトユニコーン を実現できる!

 と今回の製作にいたったわけです。

成型色フィニッシュでのベースキットの選び方

 HOWTOではまずキット選定の方法論から解説。

 ベースキットの選び方や、キットの成型色とギミックに着目してもとめる完成体に必要なパーツを探す方法などをレクチャーしています。

こういった成型色フィニッシュで大改造する場合、RGシリーズは外装の色を複数使っているので、他のキットから持ってきたパーツの色味が多少バラバラでも目立たなくなるんです。

 こうした意味でもRGはハイレベルな成型色フィニッシュのベースとして非常に優れているんですね。

パワーローダー構築法①まずはパーツを合わせてイメージを膨らませよう!

 と、いきなり始まる外骨格式パワーローダーの作り方なのですが、

「いや、パワーローダーなんてどう作ればいいねん!」

 という人のために0からでもカッコイイパワーローダーの作り方を徹底解説しています。

 最初はパーツの合わせ方からはじめましょう。

 こんな風に足を合わせてみたり…

 背中にデカイのを背負わせてみたり……

 腕を合わせてみたり。

 いきなり変形するパワーローダーを作るのは難しいもの。

HOWTOでは大まかにパーツを合わせながら、完成体をイメージしつつ必要なパーツを選んでいく方法を紹介しています。

パワーローダー構築法②どんどんパーツを着せていこう!

 ある程度パーツを選んだら、ユニコーンに着せていきます。

 パーツを微調整しつつ、少しずつ削り合わせていくと意外とすんなり着せられるものなんですよ。

 この段階ではプロポーションを重視すると、カッコイイパワーローダーに仕上がります。

 組み合わせの方法論などを解説しています。

パワーローダー構築法③関節強度を考える!

 巨大なパワーローダーをRGユニコーン本体の関節で保持するのは不可能です。

 最初はちょっとだけ自立するかもしれませんが、RGのアドバンスドMSジョイントは関節強度が低く、そのままだとぐ関節がダメになってしまいます。

そこで本体に荷重がかからないように、外骨格として手足を背骨や大腿骨の役割を果たすフレームで繋いで関節強度をアップします。

 最終的にはフレームのみでしっかりと自立するくらいが理想的。

 ここではガンプラの関節を繋いで外骨格を構築しつつ、変形の下地をとなる可動フレームを作っていく方法を解説しています。

パワーローダー構築法④変形させてみよう!

 せっかくパワーローダーを作るなら変形させたいですよね!!!

 いや、普通はしないって?

 まあ、確かに変形ギミックを入れると急激に難易度が上がることは確かなのですが、やはりそこ、変形はロマン。

 結構長い間ボクサーはガンナーに変形するものだと勘違いしていた自分としては欠かせないポイントなのです。

 変形ギミックを加えるときに必要になってくるのが、パワーローダー形態の可動軸の多さ。

 軸を動かしていろんな形にしてみると、「あれ?これは変形できるんじゃ?」って新しい形が見えてくるんですよね♪

 上半身ブロックはこんな感じ。

 今回は騎乗させるので、ちゃんと乗るかを確認しながら変形を探るのを忘れてはいけません。

 下半身はとりあえず足をピン!と揃えて伸ばしておけばそれっぽく見えるのが変形ロボの伝統です。

 大河原邦男先生がいかに偉大であるか!と思い知らされますね。

 と、このようにMSを変形させる方法を解説しています。

パワーローダー構築法⑤足りないパーツはトップファイターで補え!

 MSを変形させてみると、結構よくあるのがパーツ不足。

 さっきの変形パーツを組み合わせてみると、明らかに長さが足りない。

 そんなときは武器やシールドなど、MS形態でも変形に干渉しない外付け武器をくっつけるのが一番なんです。

 まずはこんな感じに武器を並べてだいたいのイメージを固めておきます。

 飛行機のようなものに変形するのであれば、とりあえず前後を長く伸ばして細長いシルエットにしておけばOKです。

 そしたら並べた武器をつなげます。

 この場合だとビームスマートガン風のシルエットとしています。

 変形させるときは武器にも折りたたみ機能やジョイントの軸穴を設置しておくとぐんと変形の幅が広がりますよ。

 これを仕上げるとこんな風になります。

 ここで機種周りにご注目!

 機種周りは分離可能なトップファイターとして仕上げています。

 MSデザインでもこういった部分が分離して別機体になるものが多いのですが、これは合体させるときにギミックをまとめやすいからなんですね。

 無理に完全変形させるのは大変なので、差し替えパーツを用意したり、部分的に付け替えるパーツを作ったり。

 そんな「SDガンダム的変形」のアイディアなどもしっかり解説しています。

最低限の部分塗装で統一感を出せ!!!

 今回は成型色フィニッシュがテーマ。

 でも、どうしても色が合わないパーツなんかもあるんですよね。

 外装の一部のブルーとダークブルーなんかがそうなんですが、あまり色が増えすぎるとどうしてもおもちゃっぽい印象になっちゃうんですよね。

 そんなときは缶スプレーでさっとひと吹きしてやればOK!

 こういう場合は濃いほうの色に合わせて塗れば、隠蔽力も高いのであっという間に塗りあがるんです。

 全体のバランスを見てホワイトの方がいいパーツもMrフィニッシングサーフェイサー1500ホワイトと缶スプレーのホワイトを塗ればこの通り。

 全身をホワイトで塗ると非常〜に大変ですが、全体の中の10パーツくらいなら製作時の負担をグッと減らすことができるんです。

 こうやって部分的な塗装で全体を落ち着ける手法はセイラマスオさんがすごく得意ですよね。

 HOWTOではそんなお手軽部分塗装理論についてしっかり解説しています。

成型色仕上げという「可能性の獣」

 こうして完成したパーフェクトユニコーン ガンダム。

 でも、言ってしまえばこれって自分がカッコいいと思うパーツをとにかくくっつけ、足りない部分だけ塗り足した、おもいっきり「小学生モデリング」な作例なんですよ。

 丁寧に表面処理して美しい塗装で仕上げられた作品は素晴らしいものです。

が、パーツ数、精度、可動やギミックなど恐竜的なガンプラの進化に我々モデラーが常に全塗装スタイルで挑むとなると、もはやベテランモデラーでもついていけなくなりつつあるのも事実です。

 ガンプラ歴が長くなり、上達するほど作品のアイディアを思いついても「これは大変すぎるから無理」と私のようにあきらめてしがいがちなんですよ。

経験ゆえに無意識にストッパーをかけてしまい、素晴らしい作品を作る機会を逃してしまうのはもったいないですよね。

 でも、2018〜19年にかけて、「ガンプラ凄技テクニック」で成型色フィニッシュの作例をたくさん作ったことで考えが変わってきました。

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 私も成型色フィニッシュなんて初心者向けの簡単なものくらいに思っていたのですが、マテリアルやガンプラの進化により全塗装に負けない作品を作ることができるようになっていたんです!

 成型色フィニッシュの作例は読者にも非常に好評で、「これならば、ガンプラ技の歴史に加える、新時代のテクニックとして超級技術指南の題材にふさわしい!」と製作に至ったわけなんです。

 

 成型色仕上げはお手軽で簡単で全塗装よりも一段低いものではなく、成型色仕上げだからこそできる表現や作品がある。

 そんな「可能性の獣」であると今の私は信じています。

 というわけで機動模型超級技術指南第四回「全塗装に最も向いていないガンプラ「RGユニコーンガンダム」で成型色フィニッシュの可能性を追求する」でした!

 HJメカニクス04をよろしくお願いします♪

番外編 パーフェクトユニコーン使用キットリスト!!!

この作例はかなり好評でして、いろんな人がカッコイイと褒めてくれてめちゃ嬉しかったのですが、そのとき必ず「どのキットをどれだけ使ったのか」と聞かれたので使用キットリストを公開します。

 RGフルアーマーユニコーン×2

 MGフルアーマーユニコーン×2

 HGナラティブガンダムA装備×2

 MGZZガンダムVer.ka

 HGBFガンプラバトルアームズ

 「超級!」と言いつつ、私の作例はハンター×ハンターのグリードアイランドの入手難度みたいなもので、基本金さえあれば真似できる簡単なものばかり。

 その中でもパーフェクトユニコーンはエアブラシ無しの成型色仕上げと非常〜にハードルを下げて作っているので素材さえあれば簡単に作れちゃうと思います。

 我こそは!という人はぜひチャレンジしてみてくださいね♪

 

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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