こんにちは!プロモデラー林哲平です!
今回はホビージャパン2019年5月号の連載記事「ガンプラ簡単フィニッシュのススメ」にてMGジムとザクをニコイチしたジオン鹵獲「CMS03ゲム」を紹介します♪
「鹵獲機」って知ってますか?
「ジムとザクを合体するなんて、そんなな無茶苦茶な!」
と思う人もいるかと思いますがご安心を。
今回のテーマは「鹵獲機(ろかくき)」です。
鹵獲機というのは敵軍の兵器を拿捕したものを自軍で使ったもので、第二次世界大戦から現代に到るまで、いたるところに存在しているものなんです。
例えば第二次世界大戦のドイツですと、マーダーシリーズのようにロシアから大量に捕獲した大砲を自軍の戦車に搭載して自走砲にしたりなど、ただ色を塗り替えるとか国籍マークを貼り付けるとか以上の大改造を施された鹵獲機も数多いんです。
今回はジオン残党に鹵獲されたジムという設定で、物資が欠乏する中、あり合わせのザクのパーツで補修を繰り返してジオンの再興を待ち望む… というシチュエーションで製作。
フレーム組み替えテクやジオン残党には欠かせない手持ちザクシールド、簡単モノアイ化 などを解説しています。
別機体のフレームを組み替える!
ジム、ザク2.0はフレームが違うので腕をそのまま付け替えることはできません。
ですが! 肩の付け根ごと交換すれば無改造で装着可能なんですよね。
これは先に発売されたザクのデータをもとにジムの基本となったガンダムVer2.0が設計されているため、基本の軸の太さなど、共通のものが多いことを利用したテクニックなんです。
ガンプラの基礎設計に着目して組み替えを考えて見ると、思いも寄らないパーツがピタリと合ったりするので、そういう裏技的なミキシングを探してみるのも楽しいですよ♪
手持ちザクシールドを作る!
0083のゲルググマリーネなど、物資の欠乏したジオン残党に欠かせないのが手持ちザクシールド。
実はこれ、ジムとザクのパーツを組み合わせるとびっくりするほど簡単にできるんです。
HOWTO記事では詳しく製作法を解説しています。
っていっても、瞬間接着剤で無理矢理くっつけているだけなんですけどね♪
今回はノーマルのザクシールドにしていますが、肩からスパイクを持ってきてくっつければスパイクシールドにもなりますし、いろんな応用が聞く武装でもあるんです。
ジオンの象徴!モノアイ化工作!
ジオンといえばモノアイ。
一眼見ただけで「あ、これはジオンMSなんだ」と問答無用でわからせてくれる素晴らしいアイコンなのです。
今回はモノアイ化工作についてもバッチリ解説。
切って削ってくっつけるだけの作業なので、ガンプラをパチ組みできる人なら誰にでもできるお手軽改造なんですよ♪
名前と形式番号で遊ぶ!
鹵獲機は名称や形式番号を考えて遊ぶのも楽しいポイント。
実際の戦争でも、鹵獲兵器に自軍独自の形式番号を割り当てるのは一般的なんです。
「CMS-03Jゲム 0082北アフリカ」の名称は鹵獲を意味するドイツ語の「Capture」から「C」をジオン形式番号の「MS」の前に割り当て、ジムの前に何か2機種くらいはMSを鹵獲してあるだろうという想像から「03」に。
「J」は陸戦型のザクであるJ型のパーツを使っているので末尾につけています。「ゲム」という名称は「GM」のドイツ語読みで、『MSイグルー』に登場するジムの偽装機や鹵獲機である「ゲム・カモフ」「ゲム・ゲファンナー」からチョイスしました。
最後に「0082北アフリカ」と活動年と場所を指定しておくと本物の戦場記録写真のように見る者のイメージを膨らませてくれるので効果抜群なんです。
自分だけの鹵獲機を作ってみよう!
というわけで「鹵獲MSの作り方」でした。
ミキシングというとどうしても同形機の組み合わせになりがちですが、現地で補修パーツを調達した鹵獲機という設定であれば、軍の枠に囚われない様々な組み換えが可能となります。
元々完全に別系統の機体なので無理に色を全て合わせる必要もありませんし、機体特性的にウェザリングが非常にマッチするので工作や接着のアラが目立ちにくく、工作初心者にもオススメです。
ジムとザク以外でもジェガンとギラドーガで宇宙世紀100年代とか、逆に連邦が接収した設定としてゲルググやグフに連邦系の武器を持たせてキレイに仕上げるなどアイディア次第でいくらでも製作の幅を広げることができます。
ぜひ自分だけの鹵獲機を作ってみてくださいね!
こちらのCMS03Jゲム 0082北アフリカは著書「週末で作るガンプラ凄技テクニック〜ガンプラ簡単フィニッシュのススメ」に完成写真増補版で収録されているので、この記事を読んで「いいな!やってみたいな!」と感じてもらえたら、こちらの本も読んでいただけると私はすごく嬉しいです♪
コメント
コメント一覧 (2件)
凄い。その一言。
鹵獲機というテーマで、カラーリングは連邦カラーの赤の部分のみを目立たない灰色寄りのグリーンで塗装しつつ、(物資の限られた現地では)塗装の必要性の薄そうな、排気部の黄色や元々の白いパーツはそのままにしているところや、塗り直す物資や時間が許さないかと思うような端々の元下地の赤塗装が見える所がロマンを感じる。
また腰部に目をやると、ザクマシンガンのパンマガジンがそのまま付けられている為、重量オーバーで出来たかと思われるクラックがある。さらにこれも、ゲムが装備しているのはザクバズーカのみなのに何故このマガジンを持っているのかもイメージを膨らませてくれる良い材料になっている。他の味方のザクがいるのか?又は、実はこの中身はヘッドバルカンの予備弾が入ってるのかもしれない…など想像するのを飽きさせない。
さらに脚のパーツを見ると、片脚はザク、もう片脚はそのままジムの脚になっているが、これもどのタイミングで交換したのか考えるのも面白い。鹵獲した際なのか?それとも最初は両脚ジムで、なんらかの理由により片脚ザクになったのか?塗装の擦れ具合的に同時期に交換した可能性が高そうなのを考えると、鹵獲した際に交換した可能性が高い…つまりは元々のジムは左脚と右腕を撃破され、戦意喪失し投降したのだろうな、等奥の奥まで見えてくるのが楽しい。
ジムの脚は各パーツが簡略化されてる為剛性が取れてるように見受けられるが、脚首のジョイントを支える細いパーツは過酷な環境により少し歪んでるのがジムの弱点が見えて良い。
ザクの脚は太ももなど大きいところを複雑化し、脚首など大事な部分を簡略化する事で弱点を減らす狙いが見える。その代わり、脚の装甲丸々脱落したような耐久性のなさを見せる所もあるだろうなという部分を表現していて、よく考えられている。
ザク脚のミサイルポッドも3連装のうち2発を使い切ってしまっている。ここぞという時に使ってきたことが見受けられるし、補充するミサイルも無いことを表現している。
まだまだ目を凝らして見るとたくさんの要素が散りばめられたゲム。作ってくれた林さんのロマンが、見る人1人1人に色んな解釈を与えてくれる素晴らしい作品に仕上がっている。
たこ焼きさん、コメントありがとうございます!!!!
自分が製作時に込めた想いを全て読み取っていただけて、本当に、ものすごく嬉しいです!
MSって、やはり兵器ですから、どう戦ってきたか、のようなストーリーを感じさせるものを作りたい、といつも思っております
本当にありがとうございます!!!