こんにちは! プロモデラー林哲平です。
今回はカーモデルでぜひともマスターしておきたい、車高の調整法の解説です。
前回の洋白線を使ったディテールアップ編はコチラ。
カーモデルで車高は超重要ポイント!
車高は車の印象を決める非常に重要なポイント。
レーシングカーやスポーツカーは低く、民間の乗用車はほどほどに、JeepなどのSUVは高め、など車の性格に合った車高にしておかないと、どんなに塗装がキレイに仕上がってもちぐはぐな印象となってしまいます。
車高は全般的に高めに設定されていることが多く、「車高を下げる」という工作はカーモデル製作を続けるのならば嫌でもぶつかる障壁となります。
ではビートルの車高を調整していきましょう♪
軍用車を民間車らしい車高に下げる!
フォルクスワーゲンタイプ82Eはキューベルワーゲンのシャシーに本来民生用に販売するはずだったkdfワーゲンのボディをかぶせたもの。
悪路を走破するオフロードビーグルとして車高が75㎜上げられており、そのまま軍用車として製作するのならば問題ありませんが、民生用のビートルとして製作するとどうしても車高が高すぎ、どんなに可愛いカラーリングで仕上げても軍用車に見えてしまいます。
上の写真を見てもらうとわかりますが、タイヤの上、フェンダーとの間に1㎜ぐらい隙間があり、この部分が全体の印象を変えているわけです。
75÷48=約1.56となるので、車高を1.6㎜程度下げるのが縮尺的には正しいのですが、実際その通りにすると車高が下がりすぎてそれはそれで違うので1.2㎜車高を下げることにします。
まずは前輪から。
キットは棒状の車軸で両輪を繋ぐ構成。
シャシー側を削り、車軸がキットそのままの位置よりもより上にセッティングされるようにします。
最初にシャシーを削るときに邪魔になるステアリング部をデザインナイフで切り離します。
最後に再び接着するので無くないように小袋に分けるなどしてとっておきましょう
ノギスの位置を1.2㎜に固定し、先端でパーツの表面をなぞるように引っ掻いて1.2㎜の位置にキズをつけます。
このキズを基準にシャシーを削ります。
ノギスでアタリをつけておくと、左右でズレなく同じ場所にアタリをつけることができます。
このアタリを付けずに適当に削ると完成後車体が左右どちらかに傾いた状態となってしまい、非常に見栄えが悪くなります。
車軸が通る部分を削ります。
写真では効率性を重視してリューターで削っていますが、デザインナイフやノミで作業しても全く問題ありません。
自分がやりやすいと思った方法がべストです。
左右でズレがないかパーツを接着する前に確認しておきましょう。
車軸はキットそのままだとタイヤが回転するようになっていますが、加工により軸まわりが広がってグラつくようになるのでガッチリと接着剤で固定します。
タイヤが回転すると製作中に机から転がり落ちて思わぬ破損の原因ともなるので、特にコダワリがなければ固定しておくほうが安全です。
接着中に車軸がズレることもあるので、シャシーを正面から眺めて車軸がどちらかに傾いていないかしっかりチェックしておきましょう。
まずは作業の邪魔になる部分を一旦デザインナイフで切り離し、
車高の調整完了!
車高を調整したらタイヤをつけ、ボディを載せて改めてチェックします。
車高の調整はシャシーだけで行って満足するのではなく、必ずボディを載せてチェックすること。
車体が載っていないのイメージ通りがわかりませんし、思わぬ車軸の歪みに気がつくこともあります。
1.2㎜車高を下げたことにより、オフロードをバリバリ走る大戦中の軍用車から 民間用のファミリーカーのイメージにぐっと近づきました。
最初の写真と比べると、タイヤがホイールアーチの中に隙間無くスッポリと収まってまとまりが良くなりました。
これならば全身ブラックに塗装しても民間車輌っぽく見えることでしょう。
何度も描きますが、車高の調整は車の印象をガラリと変えてしまうので本当に重要です。
1㎜違うだけでもガラリと変わることがあるので、カーモデルを製作するときは実車の写真や動画を見て、仮組みしたキットと車高を見比べてみてください。
ここを押さえておくだけで、仕上がりが全く違ってきますよ!!!
次回はインテリアの製作を解説します。
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