こんにちは! プロモデラー林哲平です。
今回はカーモデル製作では避けて通れない、メッキ調塗装の方法を解説してききます。
前回のインテリア製作編はコチラ。
https://promodeler.net/2021/02/09/kdfwagen11/メッキシルバーNEXTを徹底理解する!
実在の車にはバンパーなどをメッキ処理しているものが数多くあり、それを塗装で再現する方法は昔から様々な方法が考えられてきました。
このHOW TOで紹介するのは入手しやすいメッキ調塗料である、GSIクレオスのメッキシルバーNEXTを使った塗装法です。
なお、この塗装法は私のオリジナルでは無く、インターネットでのカーモデル製作における第一人者、模型電動士氏の制作法を真似たものです。
今回は模型電動士氏の許可を得てメッキ調HOWTOを自分なりに解説しております。
もちろんオリジナルのHOWTOのほうがより詳しく踏み込んだ内容なので必ず読んでくださいね。
他のHOWTOも模型雑誌がページ数の都合で語れない部分まで細かく紹介されているものが多く、私もいつも参考にさせてもらっています。
メッキパーツの下地処理!
カーモデルのキットによっては最初からメッキ加工されているパーツも多いですが、メッキが厚すぎてディテールが甘くなっていたり、目立つ部分にパーティングラインが入っていたりしてキットのメッキを活かせないことも多いんです。
メッキされたパーツのメッキ剥がしには台所用の漂白剤に漬けるのが一番手っ取り早い方法。
キットによってはメッキの上にクリアーコートされているものもあり、漂白剤でメッキが落ちないときは一晩Mr.カラー薄め液に付けてクリアーを落としてから漬け込んでください。
なお、漂白剤は人体を侵すアルカリ性成分が含まれており、原液が着くと皮膚を溶かし危険なので、必ず手袋を使ってください。
目に入ると失明する危険があるので、そのときはすぐに水洗いして病院に行くこと!!!
メッキ調塗装をするとヒケが非常目立つので、600番紙ヤスリで表面を均して平滑にしておきます。
表面処理が終わったら、Mr.フィニッシングサーフェイサー1500グレーを全体に塗装します。
ディテールを損なわない程度、気持ち厚めに吹いておきます。
サフ地を磨く!
1200番紙ヤスリでプラの地が出ないように慎重に磨きます。
磨いていると目詰りした紙ヤスリによりサフ地が研磨され、サフでありながらなんとも言えない光沢感が出てきます。
今回は実験として2000番スポンジヤスリで磨いたのですが、1200番紙ヤスリで磨くほうが表面が平滑になるのでそちらを使ってください。
プラスチックの下地が出た時は、再度サーフェイサー1500で塗装します。
下地にグレーを塗装する!
メッキ調塗料の塗装はこれまで光沢のブラックで塗装する、という方法が一般的でしたが、メッキシルバーNEXTの輝きを引き出すには少々工夫が必要です。
まず、下地となる色はブラックではなくグレーを使用します。
メッキシルバーNEXTはメタリックカラーとしては隠蔽力が低く、下地がブラックだとかなり暗めなガンメタル風のブラックとなってしまうんです。
今回はガイアカラーのニュートラルグレーⅢ(50%)+ニュートラルグレーⅣ(50%)を下地として塗装しました。
グレーを塗装したあと、にタミヤエナメルカラーのクリアーをエアブラシで吹き付けて全身をコートします。
メッキ調塗料は表面が平滑であればあるほど塗装後の輝きが増します。
タミヤエナメルカラーは伸びが良く、エナメルクリアーは市販の塗料の中だと吹きっぱなしでもっとも表面が平滑になります。
エナメル塗料はラッカー系塗料と較べると、エアブラシで塗装するときの溶剤は少なめに希釈したほうが塗りやすいかもしれません。
なお、エナメル塗料をエアブラシで塗装するときは、エアテックスのレギュレーターなど、ガラス管の中に繊維質がを詰めて水を取るタイプのものは使わないようにしましょう。
溶剤で薄めたエナメル塗料は浸透性が高く、エアブラシから逆流し、空気の通るゴム管を伝って繊維質に浸透し、硬化して詰まらせてしまい、使い物にならなくなってしまうことがあるんです。
クリアーを塗装したあとは、最低でも12時間ほど乾燥時間を取りましょう。
メッキシルバーNEXTはふわっと吹く!
他のメタリックカラーとは違い、メッキシルバーNEXTの吹付けには特別な注意が必要となります。
通常のラッカー系メタリックカラーを塗装するときは、表面が濡れた光沢になるように、塗料が垂れる直前くらいまでエアブラシで吹き付けるとキレイなメタリック面となるのですが……
メッキシルバーNEXTを同じ方法で塗装しても、表面が曇ったり、厚ぼったくなったりと美しいメッキ調仕上げとはなりません。
メッキシルバーNEXTを塗装するときは、レギュレーターがついているならば圧力を通常より下げておき、表面にフワっ、と塗料がかかるように塗装するのが最適なんです。
フワっと吹きつけた瞬間は表面が曇るので不安になってきますが、時間を置いて塗料が乾燥してくるとなんとも言えない美しい輝きが生まれてくるんです。
写真のバンパーはメッキシルバーNEXTで塗装し、メッキ調仕上げを再現した状態。
美しい仕上がりになっているのがわかっていただけると思います。
メッキシルバーNEXTは塗膜が弱いので注意!
なお、この塗装法には一点だけ注意しなければならないポイントがあります。
それは塗装後に素手でメッキ部分を触らないようにするということ。
他のメッキ調塗料も同様ですが、メッキ調塗料はとにかく塗膜が弱く、さわるとすぐ表面が曇ってしまいます。
この塗装法は下地としてエナメル塗料を使っているのでより剥がれやすく、接着などでパーツを持つ必要があるときは手袋をはめ、裏側の目立たない部分をピンセットで保持したりするようにしましょう。
このグレー下地+エナメルクリアーによるメッキシルバーNEXT塗装法は初心者にも簡単に出来る、優れたメッキ塗装法です。
カーモデルのみならず、いろいろなプラモデルの塗装にぜひ応用してみてください。
次回はタイヤの塗装法について詳しく解説したいと思います♪
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