こんにちは!プロモデラー林哲平です。
ビートル製作法もいよいよ大詰め。
今回はクリアパーツの加工法やミラーフィニッシュを使ったメッキサッシの金属表現。
そして、カーモデルの最終工程に置いて必須となる、エポキシ系接着剤を使った小物の固定法を解説します♪
前回のタイヤ&ホイール塗装編はコチラ。
一体化されたワイパーを削り落とす!
透明度が高く、ワイパーのディテールも良く出来てはいるのですが……
やはりワイパーは別パーツにしたいもの。
細いワイパーをマスキングでキレイに塗装するのはかなり難しいんですよね。
周りのサッシの金属表現をするときにもディテールが邪魔になりますし。
ここはワイパーのディテール削り落とし、後で自作することにしましょう。
まずはワイパーのディテール以外の部分をマスキングテープで保護します。
マスキングテープで保護しておけば、ノミの刃がズレたときにフロントガラス部を傷つける可能性がグンとヘリます。
クリアパーツに深いキズがつくと、修正は非常に大変なのです。
ある程度ワイパーをノミで削ったら、残ったディテールを400番紙ヤスリで削り落とし、表面を平滑にします。
削りにくいからといって、あまり荒い番手の紙ヤスリを使うとキズの修正が大変なので、400より荒いヤスリを使うのは厳禁です。
ヤスリ目により、白く曇った状態となっています。
ここから600→1000→1200→1500→2000→ラプロスと番手を上げて磨いていきます。
ラプロス8000番まで磨いたら、タミヤコンパウンド粗目→細目→仕上げ目→ハセガワセラミックコンパウンドの順番で磨き、透明度を回復させます。
このあたりの磨きは研ぎ出しの最終工程と同じ容量なのでコチラを参考にしてください。
クリアパーツの透明度回復にはセラミックコンパウンドが有用で、多少下地が曇っていても、セラミックコンパウンドでしっかり磨けば透明度が戻ることが多いです。
コンパウンドでの磨きが終わり、クリアパーツの透明度が回復した状態。
ワイパーのディテールがあったとは思えないような状態にまで仕上がりました。
普通にカーモデルを製作するときでも、クリアパーツはとりあえずセラミックコンパウンドで磨いておくと仕上がりがガラリと変わってきますよ。
ミラーフィニッシュでメッキサッシを表現する!
ここはオシャレにメッキサッシとして仕上げてみましょう。
ますはハセガワのミラーフィニッシュフィルムを全身に貼り付けます。
ミラーフィニッシュは柔らかくてのびが良く、シワになりにくいのが利点。
初心者が使うならばのり付きアルミ箔よりも使いやすいのでオススメです。
まず気泡が入らないように貼り付けたら、先のある程度尖った綿棒でディテールに軽くなじませます。
ある程度綿棒でなじませたら、次に先端を紙ヤスリでちょっと丸めたツマヨウジを使い、ディテールにしっかりと馴染ませます。
いきなりツマヨウジでなじませるのは厳禁。
ミラーフィニッシュは柔らかくノビが良いフィルムなので、尖ったツマヨウジの先に引っかかり、歪んだりシワが出来たり破れたりすることがあるのです。
ディテールになじませたら不要な部分のミラーフィニッシュを切り取ります。
まずはデザインナイフで外側のミラーフィニッシュを切り取ります。
ミラーフィニッシュは薄いゴムのような質感で、デザインナイフの刃に引っかかりやすいので必ず作業の前に新しい刃に交換し、万全の体勢で作業に望みましょう。
息を止めて手の震えを抑えながら、サッシと窓ガラスの境目にデザインナイフの刃を入れて少しずつ引きながらミラーフィニッシュを切り抜きます。
正直難しい作業なので、初心者ならば失敗を予想してタミヤカスタマーセンターを使って予備パーツを幾つか用意しておくと精神的に楽でしょう。
切り抜いたらツマヨウジでミラーフィニッシュの端をめくり、ピンセットで剥がします。
この剥がすときが一番問題が起こりやすいポイントなんです。
キレイに切り抜けてておらず、少しでも繋がっている部分があるとサッシにせっかくはったミラーフィニッシュまで持って行かれてしまいます。
剥がすときは少しずつ様子を見ながらはがし、もし繋がっている部分を見つけたらそこにナイフの刃を入れて切り離したのち、またはがしましょう。
ガラスのフチは黒く塗る!
フロントガラスの側面、プラスチックの厚み部分はエナメル塗料のフラットブラックで塗装しておきます。
こうしておかないと厚みの部分からボディカラーが見えてしまい、非常にみっともなく見えてしまうのです。
また、厚み部分をブラックで塗装しておくと、フロントガラスが薄く見えるのでリアリティも高まります。
メッキサッシの完成!
メッキシルバーNEXTで塗装するのもアリですが、作業中に手で触ってしまいやすい部分などは塗料ハゲの心配のないミラーフィニッシュを使うと安心ですね。
ワイパーをホッチキスの針で自作する!
今回は前回削り落としてしまったワイパーの自作法とエポキシ系接着剤を使った小物の接着法を解説します。
ワイパーは1/24スケールや1/35スケールならば市販の別売りエッチングパーツや他のキットから流用するという手段が使えますが、1/48となると合うものがなかなかありません。
ここは自作してみましょう。
プラ板で自作し、塗装するというのが実は一番楽なんですが、今回はちょっと変化球で行ってみようと思います。
使用するのはホッチキスの針。
これを切断し、ハンダづけして自作します。
元々が銀色なので、素材の色を活かせるというのもポイントが高いところです。
一般的に売られているホッチキスの針は太いものと細いものの2種類があり、必ず細いものを使いましょう。
ハンダごては多少高くても温度調節ができるものを使用しましょう。
カーモデルを製作しているとそのうちライトを点灯してみたくなったり、エッチングパーツをハンダづけで組み立てたりすることが増えてくるので、一本いいのを持っておくと安心です。
ホッチキスを適度な長さに切り、ハンダづけする部分にフラックスを塗ってハンダづけします。
フラックスを塗っておくと塗った部分にハンダがキレイに流れ込み、作業が容易になります。
フラックスは腐食性の液体なので、作業後はしっかり洗浄して落としておかないと後でサビが浮いてくるのできをつけましょう。
ハンダづけしたあとはラプロスと8000番で磨いておくと鏡のようなメッキ風仕上げとなります。
エポキシ系接着剤で小物を固定する!
瞬間接着剤はオススメできません。
一瞬で硬化し、接着したパーツを剥がせない瞬間接着剤はリカバリーがまったく効かないからです。
エポキシ系接着剤は硬化すると弾力性のある透明のゴム状になり、位置がズレたときなどは塗膜を傷つけずに剥がし、接着をやり直すことができます。
個人的に一番オススメなのはセメダインのエクセエポ。
10分というほどよい硬化時間のおかげで微調整が効くのが素晴らしい。
エポキシ系接着剤は取材と硬化剤を1:1で混ぜ、ツマヨウジの先でちょっとすくって接着部に起き、その上に接着するパーツを置いて硬化するまで待ちます。
硬化するまで時間がかかるので、このようにマスキングテープでパーツを仮止めしておきましょう。
はみ出したエポキシ系接着剤はエナメル溶剤を染み込ませた綿棒で硬化前に拭き取れば跡も残りません。
完成!フォルクスワーゲンビートル!
これまで別々に塗装したパーツをエポキシ系接着剤で接着すればついに完成です!!!
オシャレなツートンカラーに塗り分けられたビートルになりました♪
完成したことだし、これでおしまい…… ではなく!!!
次回は美しい完成品を破損なく末永く保管するためのベースやケースへの保管法を解説します。
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