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「ガンプラ」の本質は「ザクプラ」である。ガンプラの方向性を決めた伝説のキット「1/144シャア専用ザク」の偉大さについて語ります!ホビージャパン2022年4月号掲載作例。

こんにちは!プロモデラー林哲平です。

今回はガンプラの流れを決定づけた史上初のザクキット 「1/144シャア専用ザク」について語ります!

あくまで私個人の意見ですが、このキットが無かったら、今のガンプラは無かったと考えております。

目次

実はムサイのほうが早く発売されていた!

シャアザクが発売されたのは1980年9月です。

実はガンプラとしては2番目ではなく、4番目のキットなんです。

7月に1/144、1/100ガンダムが発売され、8月に量産型ムサイ……と実はムサイのほうが早く発売されているのは以外にご存知ない人も多いのではないでしょうか?

これは「宇宙戦艦ヤマト」キットの成功があったため、最初期に宇宙艦船が優先的にラインナップされたと言われているんですよ。

当たり前のようで超革新的な「動力パイプの構造」

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シャアザク最大のポイントは脚部動力パイプの処理です。

書籍「バンダイキャラクタープラモ年代記」によると、設計者の松村氏が最も苦心した部分と書かれています。

ザクって動力パイプがあるじゃないですか?

これを再現するとなると、足が曲がらなくなってしまう。

でも、省くとザクのイメージからかけ離れてしまうし、かと言って固定すると脚部が曲がらず、子供が遊べなくなってしまう。

そこで苦心の末、

「モモとスネの穴にあえて遊びを作り、曲げたとき不自然にならないように」

巧みに設計されているんです!

この動力パイプの構造は現在のザク系キット……というより、動力パイプのついた多くのガンプラに受け継がれています。

最初のキットからそうだったので、 当たり前すぎて実感できないのですが、実はコロンブスの卵のような発想の転換から生まれた偉大な発明なんですよ。

足首が固定されているのにはワケがある!

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300円シャアザクがスゴイのは、ザクマシンガンを両手で構えられるところです。

よく300円ザクの欠点として「足首が動かない」と指摘がありますよね。

プラモ狂四郎の第一話。

狂四郎のガンダムにキックされた丸山建のシャアザクが、足首が動かないゆえにバランスを崩し、倒れて胴体が割れて敗北する、というシーンが印象的ですよね。

ですが、足首が動かないのは限られた資源を効率的に分配された中での、最良の選択であると私は思うのです。

300円という予算、初めてのジオン系MSキット化、謎の動力パイプ……

限られた制限の中で、いかにキャラクターの印象的なポーズを再現して、要素を絞って表現するか?

いかに量産品として、ギリギリラインを攻めて、尖らせて、表現するのか…… 今のガンプラもそうですけど、その根源的な部分が凝縮されていると感じるんですよ。

敵メカを商品化の「革命」

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「ザク」のプラモデル化が斬新だったのは、「敵ロボットの商品化」というところです。

それまではロボットアニメのメイン商材は「主役機の超合金」でした。

敵メカであるザクがプラモデルで商品化され、しかも売れる、というの大きなインパクトだったのです。

もし、このザクの成功が無かったら?

ガンプラはこんなにも多くの量産機や一話しか出てこないマイナーMS、アニメ未登場の機体がキット化されることは無かったのではないでしょうか?

これほど豊富なラインナップを誇る、プラモデル最大のジャンルになることも無かったのではないでしょうか?

ガンプラは実は「ザクプラ」であるということが本質に近い……沢山のガンプラを作る中で、いつもそう感じていたんですよ。

旧キットはただ組み立てるだけで偉大だ!

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というわけで最初のザク「1/144シャア専用ザク」でした♪

私は当時モノキットは無理に合わせ目消したり、色とか塗らなくても、このままで十分魅力のある、歴史的な存在であると思います。

ぜひ、組み立てて伝説を体験してみてくださいね♪

このシャアザクは月刊ホビージャパンで連載している「週末で作るガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編」で製作したものです。

Hjwebにて記事が無料公開されているので、作ってみたい!という人はぜひこちらの記事も読んでもらえると私はすごく嬉しいです♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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