こんにちは!プロモデラー林哲平です。
みなさん、タミヤモデリングワックスを活用していますでしょうか?
一見、光沢塗装の表面保護専用のイメージがありますが、実は全塗装作品の関節を保護できたりと、いろんな活用法があるんですよ 。
今回はワックスの使い方あれこれについて解説します♪
タミヤモデリングワックスとは?
タミヤモデリングワックスは主にカーモデルやミニ四駆の光沢ボディを保護する用途で使われるマテリアルです。
いわゆる、本物の車を洗車したあと、最後にかけるワックスと同じものです。
ワックスを塗ると指紋やホコリ、汚れが付きやすいパーツの表面をガードしてくれるんですよね。
もちろん、上に乗っているだけなので、塗膜を侵すようなこともありません。
ワックスは日本語だと「蝋」。蝋燭とか、表面がツルツルしていますよね。
蝋に科学的な化合物を加え、常温で液体とし、表面をツルツルの薄い皮膜でコートするので摩擦係数が減り、ホコリや擦れからパーツを守ってくれるわけなんです
基本は光沢パーツの保護に使います!
ワックス使い方は簡単で、基本的に不織布に染み込ませてパーツに刷り込むだけ 。
このように指紋がついた光沢パーツもあっという間にピカピカになるんですね♪
メッキやグロスインジェクションキットと相性バツグン!
このワックス、実はメッキやクリアーキットのパチ組みにも相性バツグンなんです。
塗るだけで光沢感が増して指紋や汚れの付着を防げるので、得に塗装とかせずとも、塗っておくだけで百式やキュベレイやフェネクスのようなキラキラ系ガンプラを美しく保存することができるんですね。
カーモデルなどでも、研ぎ出しをせずとも、ワックス塗るだけでもかなり光沢感が増します。
ワックスは全塗装作品の関節保護に使えるんです!
と、ここまでは通常の使い方 。
タミヤモデリングワックスは全塗装したガンプラやガールズモデルの関節など 「複雑な可動機構を持つキャラクターモデルの関節の塗膜をを保護することができる」 ということにその真価があります。
全てのパーツを塗装して仕上げる全塗装作品は美しい反面、動かすとどうしても関節が擦れて、その部分の塗膜が剥げやすいのが難点です。
ですが、関節にワックスを塗ると、その色ハゲリスクを大幅に軽減することができるのです!
ワックスを塗ると表面に一層保護膜が生まれ、表面が平滑になることでパーツの摩擦を防ぎ、これが塗料の剥がれを軽減してくれるのです。
ワックスを塗るとパーツ表面がテカテカになるんじゃ…?」 との心配もあるとは思いますが、下地をしっかりツヤ消しにしておけば、つや消しの下地に馴染むのでそれほどテカテカにはなったりしません。
注意点としては関節の軸にはワックスが付着しないようにしてください。
軸に塗るとスルスルと回転して関節が保持できなくなってしまうのです 。
うっかりついたときは綿棒にマジックリンを染み込ませて拭き取っておきましょう♪
ワックスによる関節保護の発案者はマイスター木村直貴氏!
この「ワックスで関節を保護する」という方法は私のオリジナルではなく、ホビージャパン2020年8月号で、超高精度な工作技術で高名なプロモデラーである、木村直貴氏が誌面で技法を解説していただいたことではじめて知りました 。
その記事を読んで、正直、目からウロコすぎて驚愕しました
木村直貴氏はフルスクラッチの完全変形ターンXやリジェネレイトなど、ギミックまで組み込んだ超絶作品を数多く製作されています。
通常、そのような作品はどんなに高精度でも変形させるとどこかしら関節の色がハゲたりするのですが、木村氏の作例にはまったくそれが無いのです。
木村直貴氏の作例安定度がどれぐらい凄いかというと 「バンダイ1/72 VF25メサイアバルキリーを全塗装で作って、ファイター→ガウォーク→バトロイドに変形させても塗膜がまったくハゲない」 と言えば、塗装派のモデラーさんにはその異次元さがわかっていただけると思います。
もちろん、これは木村氏の工作精度あってのことですので、ただワックスを塗れば塗膜がハゲなくなるわけではありません 。
ただ、私も関節や擦れやすいパーツにワックスを塗ってみたところ、通常よりもグンと塗膜は剥がれにくくなったのを実感しております。
関節の色ハゲに悩んでいる人は試してみてくださいね♪
というわけでタミヤモデリングワックス活用法でした♪
通常の用途である光沢塗装の保護以外にも、現代の可動やギミックが多いプラモデルを塗装するときにはやたらと便利なアイテムで、一本あるととても便利です。
基本、模型店のミニ四駆コーナーとかによく置いていますし、定番アイテムなのでインターネットショッピングでもすぐ取り寄せ可能です
「どんなに調節しても、関節の色がハゲやすいよな〜」という人はぜひ活用してみてくださいね♪
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