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「旧キット」の制作法を徹底解説。「週末で作るガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編」

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こんにちは。プロモデラー林哲平です。

おかげさまで私の5冊目の本、「週末でつくるガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編」を書き終えることができました。

少年の頃、初めてガンプラを手にとったときに感じた、あのドキドキ・ワクワクする胸躍る感覚。

ページをめくるたび、その気持が蘇る……そんな本を目指して執筆しております。

表紙は見ての通り、第一次ガンプラブームを牽引した名著「HOW TO BUILD GUNDAM」をリスペクトさせていただきました。

作るたびに、先人の偉大さを身に沁みて感じます。

目次

今作のテーマは「旧キット」!

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現在、40年以上の歴史とキット総数も1800種類を超え、日本のプラモデルのメインストリームとなっているガンダムのプラモデル。

5冊目の凄技テクニックはその始まりとなった原点。

1981年からリリースされたファーストシリーズのガンプラ、いわゆる「旧キット」の制作をテーマとしています。

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「旧キット」は現在のガンプラとは違い、

○接着が必須

○色分けが少ない

などの特徴から「難しい!」とどうしても思われがちです。

実際、子供の頃上手く作れず、涙を飲んだエピソードを数多くのモデラーさんからしょっちゅう聞きます 。

それは私も同じで、子供の頃、ガンプラをどうすれば上手に作れるのかよくわかりませんでした。

「ドラえもん」のスネ夫のいとこみたいな、プラモデルが上手いお兄さんがいて、手取り足取り教えてくれたらなあ……

とコミックボンボンを読みながら思っていた、昔の自分にデロリアンで届けて「なるほど!」と納得してもらえる内容を目標に執筆しております。

「簡単仕上げ」「全塗装」の2パート構成!

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これまでの「週末で作るガンプラ凄技テクニック」シリーズはガンプラの成型色を活かし、お手軽にカッコよく仕上げることを主に解説してきました。

ですが、さすがに接着前提の旧キットの制作において、合わせ目消しや表面処理などの全塗装を解説しないのではあまりにも不親切な内容になってしまいます。

というわけで、今回の本は

○前半の成型色仕上げ編

○ 後半の合わせ目消し全塗装編

の大きく2パートに別れた編成としています

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前半では成型色を活かした部分塗装で仕上げる方法を解説しています。

実際、旧キットの箱に掲載されている完成見本は成型色を活かし、合わせ目がそのままになっているものも多いので、これだけでも充分にカッコよく完成するんですよ!

実際、この表紙のグフとドムは成型色活かしの部分塗装で仕上げております。

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後半では合わせ目を消し、全塗装で仕上げる方法を解説しています。

全塗装、と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、そもそもガンプラの全塗装というのは旧キットの塗装を基準とした技法です。

可動やパーツの多い最新キットを全塗装で作るより、実はずっと楽なんですよ。

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なお、別冊収録にあたり、「全塗装編」の作例は写真や解説を大幅に追加しています。

○サラミスでは艦載機であるジムやボールの塗装法

○ リアルタイプガンダムでは複雑なマスキング塗装の徹底解説

○ゲルググでは消しにくい胴体やビームライフルの合わせ目を消す方法

を追加しております。

塗装は全て缶スプレーのみ!

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もちろん、これまでの「週末で作るガンプラ凄技テクニック」シリーズ通り、塗装ではエアブラシは使わず、缶スプレーと筆塗りによる仕上げとしています。

「エアブラシなんて夢のまた夢だ!」という、ガンプラブーム当時の小学生であっても、安心してチャレンジできる内容を志しております。

失敗前提!リカバリー最重視の内容!

ガンプラ制作といえば失敗がつきものです。

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接着剤で指紋をつけたり!

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銀がベタっとはみ出したり!

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接着面が割れたり!

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塗装面を乾燥する前に触ったり!

この本ではおおよそ自分が子供の頃やった失敗をほぼ全て網羅し、失敗前提のリカバリー最重視で技法を解説しております。

とは言っても、これらの失敗写真はHOWTOのためにわざとやったものは少なく、87%ぐらいはリアルで失敗しているので子供の頃とほどんと変わっていないんですけどね(笑)

ああ、1/60ドムとか変な失敗しなければもっともっと早く完成したのに……!

それでは作例紹介行ってみましょう!

1/144シャア専用ザクのテーマは「旧キットの組み立て方」接着剤の使い方を覚えよう!

1/144シャア専用ザクのテーマは「旧キットの組み立て方」

○ゲートが太い旧キットのパーツを切り出す方法

○接着の基本

○最大の難関である、肩リングを固めずに接着する方法

○うっかり接着剤がはみ出したときのリカバリー法

など、旧キットをまったく作ったことが無い人がまず普通に組み立てられるようになる、基本の基本を解説しています。

子供の頃自分が一番知りたかった内容ですね♪

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1/144量産型ザクのテーマは「部分塗装の基本」!

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1/144量産型ザクをテーマは「部分塗装の基本」

元のグリーンの成型色を活かしつつ、

○缶スプレーの基本的な使い方

○筆塗りの基本

など、最低限の部分塗装で旧キットを仕上げる方法を解説しています 。

特に1/144ジオン系MS最大の難関である、モールドが無くどこを塗り分けたらいいのかわからないソールの塗装法などは子供の頃超知りたかったですね〜

1/144ガンダムのテーマは「筆塗り徹底解説」!

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数多くの小学生に恐れられたリアル白い悪魔こと1/144ガンダムのテーマは「筆塗り徹底解説」

ラッカー、アクリル、エナメルとプラモデル用塗料の基本的な特性を解説しつつ。

塗料がはみ出しても拭き取ることを前提とした、失敗前提のリカバリー最重視の方法技法を徹底解説しています。

結構作例もムラムラですが、子供の頃よりは上手く塗れたんじゃないかな〜と思っております♪

1/100リアルタイプ旧ザクのテーマは「デカール貼り」!

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1/100リアルタイプ旧ザクのテーマは「デカール貼り」

数多くのモデラーが旧キット最高傑作に挙げる1/100リアルタイプ旧ザクをを題材に、マークソフターやセッターを使ったデカールの貼り方を現行最新基準で徹底解説しています 。

あの頃、ラインをどれだけ破り、小さい番号を無くし、貼ったデカールが剥がれたか…… 私がまともに貼れるようになったのは、大学生になってからですね(笑)

1/100グフのテーマは「ノーリスクウェザリング」

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1/100グフのテーマは「ノーリスクウェザリング」

旧キットには欠かせないテクニックであるウェザリングですが、どうしても失敗するとリカバリーが難しい難点がありました。

そこで、ここでは失敗しても関節が割れない、汚しすぎてもいくらでもやり直しが効く失敗前提の「ノーリスクウェザリング」を解説しています。

昔はエナメル塗料でドバドバウォッシングして、関節をよく砕いていたのを思い出しますね♪

1/100ドムのテーマは「ジェットストリームアタック仕上げ」!

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1/100ドムのテーマは「ジェットストリームアタック仕上げ」。

担当編集の王氏にも「林さん、あの、ジェットストリームアタック仕上げってなんですか?」とツッコまれたのですが、これは成型色を活かしたスピードフィニッシュで、ホビージャパン1981年3月号の表紙のストリームベース制作による1/100ドム風に仕上げよう!というのテーマなんですね。

ドムはやはり3機揃えたいものですが、全塗装で3機作るのは大変なので、成型色仕上げでというわけです。

○最大の難関である赤いトサカをキレイに塗り分ける方法

○アニメ風にモノアイをマーカーで塗る方法

○市販のシールを使ってラインを加える方法

など、ドムには欠かせないテクニックを解説しています

1/100ザクのテーマは「ハゲチョロ塗装」!

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1/100ザクテーマは「ハゲチョロ塗装」。

第一次ガンプラブーム当時の作風には欠かせない、伝統的な銀ハゲ塗装。

○良いお手本を選ぶ

○筆の選び方

○銀ハゲと相性の良い当時風メタリックカラーの選択

など、リアルタイプに書き込むためのポイントを徹底解説しています。

昔はハゲチョロをやりすぎて、気がついたらほぼ全身シルバーになってましたね♪

1/100ズゴックのテーマは「電飾入門」!

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1/100ズゴックのテーマは「電飾入門」。

旧キットは中がからっぽのモナカ構造なので、中に電池ボックスなどを入れやすく、当時から電飾によるモノアイ発光は盛んに行われていました。

記事では現在でも流通量が多く入手しやすい電飾用素材を使い、プラスマイナスからリード線のつなぎ方まで、基本テクニックを解説しています

もちろん、カラーリングは「HOW TO BUILD GUNDAM2」掲載の小田雅弘氏の作例をリスペクトさせていただいております。

サラミスのテーマは「宇宙艦船を作る」!

1/1200サラミスのテーマは「宇宙艦船模型を作る」。

ここからはからは合わせ目を消し、全てのパーツを塗装して仕上げる「全塗装」編となります。

サラミスなどの宇宙艦船模型は一見、難しそうに見えるのですが、関節が無く、MSよりも全塗装仕上げがはるかに簡単なため、導入としてチョイスしています。

1/100シャア専用ザクのテーマは「挟み込み式関節を活かした全塗装」!

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1/100シャア専用ザクテーマは「挟み込み関節を活かした全塗装」。

旧キットの制作において、最も難しいのは挟み込み式の関節部です。

シャアザクではキットを改造することなく、挟み込み式関節を攻略する方法を「ゆっくり安全」「スピード勝負」の2パターンで解説しています。

合わせて、1/100ザクの制作ポイントである頭部の後ハメや鼻の段差処理法についても紹介しております。

リアルタイプガンダムのテーマは「関節固定」!

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1/100リアルタイプガンダムのテーマは「関節固定」.

旧キットは元々可動範囲は少なく、当時の作品でも固定のものが多く見られます .

可動を活かすのは大変ですが、固定にしてしまえば全塗装での制作難易度が大幅に低下するんですよね。

記事ではお手軽に関節を固定し、塗装の手間を軽減する方法を解説しています。

1/100シャア専用ゲルググのテーマは「アルミ線関節」!

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1/100シャア専用ゲルググのテーマは「アルミ線関節」

旧キットの挟み込み式関節を柔軟性が高く、強度も高いアルミ線に置き換える方法を解説しています。

アルミ線の柔軟性で可動可能となり、なにより足首の設置性が高まるので、全体的な安定感が抜群に上昇するんですよ。

加えて、ゲルググの必須工作ポイントである頭部の幅詰めなどについても解説しています。

1/144ジオングのテーマは「ドムの足を付ける」!

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1/144ジオングのテーマは「足つきジオングを作る」.

第一次ガンプラブーム当時、ジオングに1/100ドムの足を装着して足つきジオングを制作するのが流行したのは皆様もご存知の通り。

先のゲルググで解説した関節のアルミ線接続を応用し、ドム足ジオング……いわゆる「クラシックパーフェクトジオング」を誰でも制作できるよう、できうる限り簡単に足の装着する方法を徹底解説しています。

1/60ドムのテーマは「ビッグサイズモデルを作る」!

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1/60ドムテーマは「ビッグサイズモデルを作る」。

旧キット最大ボリュームを誇る1/60ドムを題材に

大型キットの制作で最も重要であるパーツ強度を確保する方法を重点的に紹介しつつ、

○接着したパーツを無理やり剥がす方法

○ラッカー塗料筆塗りによる書き文字マーキング

○市販されていない、キットに合った透明レンズの作り方

などなど、1/60キットを作っていると気になるポイントについて徹底解説しています。

ラストシューティングのテーマは「ディオラマ制作入門」!

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ラストシューティングのテーマは「ディオラマ制作入門」。

第一次ガンプラブームといえば、ガンプラの歴史上、最もディオラマが盛り上がった時代でもあります。

当時の作風を再現する上で欠かせない技法であるディオラマを、ガンダムファンならば誰もが知る「ラストシューティング」で解説。

○ベースの作り方

○ガンダム、ジオングの破損ポイント

○真っ白なガンダムをリカバリー重視で全塗装する方法

などなど。

ラストシューティングは作るのが超面倒なガンダムとジオングの顔を作る必要が無いので、実はディオラマ入門にはすごく向いているシチュエーションなんですよ。

旧キットを学べば、ガンプラ技法の全てがわかる!

この本のは旧キットの制作をテーマとしていますが…… その本当の目的は、ガンプラの技法を原点から学ぶための本であるのです。

パーツの切り出しから、接着、部分塗装、合わせ目消し、後ハメ加工に簡単な改造へと。

ページをめくるたびに少しずつ、でも着実にステップアップ方式で自分もレベルアップしていく。

現在、ガンプラの種類は増え、構造も進化しましたが、制作法の根本は40年前からほとんど変わっていません。

なぜ、わざわざガンプラのパーツを接着するのか?合わせ目を消すのか?ヤスリがけするのか?全部のパーツを塗装するのか?

新しくガンプラに入ってきたモデラーさんから、よく聞かれることが多いのですが、やはり今のガンプラは旧キットあってこそのもの。

「HOW TO BUILD GUNDAM」の時代、年若いモデラーさんたちが子供だましではない、本気の技術を私達に伝えてくれたように。

私達も通ってきた道を記し、新しい世代へと継承していくのが、我々世代のモデラーにとっての責務であると思うのです。

「プラモデルを作る喜び」こそ旧キットの魅力

一年間、旧キットを作り続けて感じたのはとにかく「楽しい!」ということ。

ほんの少し塗ったり、作業したりするだけで劇的に変わって、手を動かせば動かすだけ答えてくれる。

「プラモデルを作る喜び」を最も純粋に楽しめるのが旧キットであると私は思っております。

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というわけで「ガンプラ凄技テクニック懐かしのキット編」でした。

最後になりましたが、実はこれまで紹介した、この本に掲載されている私が制作した作例は全て前座にすぎません。

この本の「真の主役である作品」は最後のページに掲載されているので、ぜひ、本を開いてその目で確かめていただけると嬉しいです。

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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