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40年越しのビッグなクリスマスプレゼント!HMMサラマンダーを旧ゾイドカラー全塗装で仕上げる【月刊ホビージャパン2026年2月号掲載作例】

こんにちは!プロモデラー林哲平です。

今回は月刊ホビージャパン2026年2月号で製作した、コトブキヤのHMM「RZ-045 サラマンダー」を紹介します♪

目次

子供の頃、クリスマスプレゼントの王者といえば大型ゾイドでした

私が小学校低学年の頃、クリスマスプレゼントの王者だったのが大型ゾイド。

同級生もクリプレはみんなゾイドの話題で持ちきりで、包み紙を開けるときは「帝国か、共和国か、どんなゾイドなのか?」とワクワクしたのを今でも覚えています。

それから40年。

我々ゾイド第一世代に、コトブキヤがビッグなプレゼントを用意してくれました。

共和国軍最大の戦闘爆撃機械獣、サラマンダーです!

でかい!これ、本当に自分、作れるの‥‥?

とはいっても、全塗装のHMM大型ゾイドは強敵です。

HMMの大型ゾイドは18年前に作ったジェノザウラーぶりなのですが、あのときは膨大なパーツ数に圧倒され、連日徹夜でギリギリで完成させた記憶があるんですよね。

今回、ゾイド担当氏から「サラマンダー、やってみませんか?」とオーダーされたとき、ちょっと悩んだのですけれど。

モデラー人生で大型ゾイドを合法的に作る機会が、果たしてあるのか?
でも、今大型ゾイドHMMを作った実績があれば、今後デスザウラーとかウルトラザウルスとかHMMで発売されたとき、出番が周ってくるのでは? と思ったんですよね。

なにより、ゾイド大好きですし!

子供の頃、大型ゾイドの箱のサイズにびっくりしたなあ、と過去を懐かしみながら、いざ製作スタートです!

効率的に行こう!

大型モデルかつ製作時間も限られているので、出来うる限り効率的に製作せねばなりません。

最初の組み立てに要したのは大体8時間。構造的には同じ大型共和国ゾイドであるゴジュラスよりも洗練されており、決して組みにくいキットではありません。むしろ、構造の進化に大変驚きました。

私はキャラクターロボットモデルを全塗装で仕上げるときは、いつもは仮組み→工作→最終仮組み→塗装と行くのですが、今回は最終仮組みを省略しました。
組みやすいキットだからこそ、できるワザですね。

大型モデルを攻略する「部分完成法」

サラマンダーのパーツ数は約600。マグネッサーウイングなど30cm近いパーツもあります。

もし、これを一律に表面処理して、全部のパーツを一度に塗装棒に保持して塗装するとしたら‥‥‥私の作業場は結構広いのですが、それでも床全部が塗装棒で埋まってしまいます。一般的な日本の住居環境だと物理的に厳しいのではないでしょうか?

似た形状の小物パーツも多いので、パーツの紛失リスクも高まります。

そこで足、腰、胸、尻尾……というように、ブロックごとに表面処理、塗装、スミ入れ、デカール貼り、つや消し、組み立てまでして完成した状態まで仕上げ、次のブロックに移るという方法を取りました。

部分完成法:足一本を先に完成させた状態

このように足一本完成させたら、つぎは胴体、尻尾、羽……と部分的に完成させていくと、制作の難易度は大幅に下がります。

いくら大きいとはいえ、1ブロックぐらいであれば、小型モデルを一体作る手間ぐらいしかかかりません。

塗装スペースも少なく、パーツ紛失リスクも減らせ、かつ途中で何度も「完成」を挟むのでチェックポイントができる。途中で力尽きてしまいがちな大型キットでも、最後までモチベーションを保つことができるんです。

想像以上にスムーズに製作することができました。大型キットに挑むすべてのモデラーさんにおすすめしたい方法です♪

旧ゾイドのイメージを尊重した配色!

HMMのアレンジも素晴らしいのですが、やはりゾイド第一世代としてはガッシャンガッシャン動く昔のイメージが強いんですよね。

せっかく全塗装で仕上げるので、旧ゾイドのイメージを尊重した工作と仕上げを加えていきます。

大事なのは配色。各部の外装が色分けされている部分を統一して、塗り分けを減らしてみました。これだけで、グンと昔のイメージに近づきます。

基本三色の塗装

大型モデルは混色すると途中で塗料が尽きる危険性があるため、旧ゾイドのイメージに近いカラーを瓶生(びんなま:混色せず瓶のまま使うこと)で塗装します。基本三色はフタロシアニンブルー、ニュートラルグレー2、ニュートラルグレー4を使用しました。

キャップの塗装

キャップはガイアカラーのミッドナイトブルー+Mr.カラーフラットベーススタンダードを混ぜてつや消しにし、塗りっぱなしで仕上げています。つや消しクリアーを吹く手間を省いて、作業量を短縮するワザです。

スミ入れを使い分ける!

関節パーツへのナルンオイルでのスミ入れ

ABS製で力のかかる関節パーツには、プラを痛めないシタデルカラーのナルンオイルでスミ入れしています。エナメル系と違って割れの心配がないので、ABS関節には本当に安心なんですよ。

自作スミ入れ塗料の流し込み

凹部のディテールには、ガイアエナメルのススとタミヤエナメル溶剤を混ぜて作った自作のスミ入れ塗料を使用。タミヤの流し込み接着剤の瓶に入れ、塗料の濃度を調整して毛細管現象を最大限に利用し、できる限りはみ出しを拭き取らずにすむように流し込んでいます。

約600パーツのキットで「はみ出しを拭き取る」作業を最小化できるかどうかは、完成までの時間に直結するんです。

PIGMAでのスミ入れ書き込み

エナメル塗料がキレイに流れにくそうな部分はPIGMA0.3mmで書き込みます。細いラインが引けるため、スジ彫りの掘り直し無しでもシャープなスミ入れに。水性なので、はみ出したときは水をつけた綿棒で簡単に拭き取ることも可能です。

ヤスリスティックフィニッシュでの磨き

ライトグレーのパーツへのスミ入れは、溶剤の拭き取りだけでは汚れが落ちきらないことも多いもの。ここはウェーブヤスリスティックのフィニッシュで表面を磨いてみましょう。表面にわずかに残った塗料が削り落とされることで、クリーンに仕上がります。

精密ディテールを筆で塗り分ける!

外装の塗り分けを減らしたぶん、どうしても単調になってしまうのですが、そこは天下のHMMです。

全身にわたってビッシリ入っている精密なディテール‥‥‥これを筆で細かく塗り分けることで、単調さを解消しました。

水性エマルション系塗料でのディテール塗り分け

全身の精密ディテールはシタデルやファレホなどの水性エマルション系塗料で塗り分けると抜群に引き立ちます。強アルカリ系洗剤を染み込ませた綿棒を用意しておけば、はみ出してもすぐ拭き取ってリカバリーできるので、細かい塗り分けも怖くありません。

HMMサラマンダー 製作工程33

特に胴体内部フレームは初期ゾイドの真骨頂とも言える、バイクのエンジンを思わせるような構造となっており、メタリックカラーで塗り分けるとものすごく映えます。

HMMサラマンダーは、塗装によるディテールアップが本当に効果的なキットなんですよ。

クリアーパーツとセンサーの攻略!

センサークリアーパーツのダボ処理1
センサークリアーパーツのダボ処理2

各部センサーのクリアーパーツには、はめ込み用のダボが正面から見えているものがあります。ダボを削り取り、磨いて透明度を回復したあと、裏側からラピーを貼って仕上げました。これだけでセンサーの輝きがグッと良くなります。

翼端灯の宝石塗り

翼端灯は本来であれば左が赤、右が青。ですが、旧ゾイドは基本クリアーパーツが一色であるので、当時らしさを尊重して全てオレンジとしています。

ミニチュアペイントの「宝石塗り」を応用したグラデーションとハイライトの書き込みで、透明感を強調しました。

塗膜の厚みとの戦い!はめ合わせ対策

ダボの斜めカット

キットははめ合わせがタイトなので、塗装すると塗膜の厚みで最終組み立て時にダボが入らなくなることも多いもの。最も簡単な対処は、ダボを斜めにカットすることです。これでパーツがハマりやすくなります。

なお、最終ツヤ消しはガイアカラーのプレミアムフラットクリアーを使用しました。

キサゲナイフでのダボの塗料削り落とし

それでも入らないときは、ダボについた塗料を削り落としましょう。ウェーブのキサゲナイフ曲面片刃を使えば、細いダボでもピンポイントで削り落とすことができます。

最大の難関!マグネッサーウイング完全攻略

サラマンダー最大の見せ場であり、最大の難関がこのマグネッサーウイングです。

マグネッサーウイングの合わせ目消し

マグネッサーウイングは貼り合わせ式で、面積が大きいうえに、ど真ん中に合わせ目が来ます。ウェーブのキサゲナイフ曲面片刃を使えば、指が入りにくい内側の合わせ目でも効率的に消すことができます。

ウイング関節部の干渉対策

マグネッサーウイングの関節部はこのように下のでっぱりとぶつかるので、全塗装する場合はそのままだと塗膜が剥げてしまいます。ウイング側のでっぱりを削り、干渉しないように調整しておきましょう。

ウイング関節部の削り込み調整
関節パーツのマスキング保護と接着

そしてマグネッサーウイングの関節部は構造上、後ハメ工作をすることができません。

可動部の内側(写真で赤く着色した部分)を内側に削り込んでパーツが干渉しないように調整しておき、関節パーツを塗装して仕上げてからマスキングテープで保護。その後接着して合わせ目を消し、塗装して仕上げる──面倒ですが、これが一番無理の無い方法です。

ウイングエッジの削り込み1
ウイングエッジの削り込み2

マグネッサーウイングのエッジ部分はでっぱりを削り、旧ゾイドのオリジナルデザインに近い形状としています。

武装の工作!開口・自作・再接着

機銃の開口1
機銃の開口2

各部の小型機銃やビーム砲などは、デザインナイフの刃先やピンバイスで開口しています。砲口が開いているだけで、密度感が全然違ってくるんですよ。

バルカンファランクスアームの分割1
バルカンファランクスアームの分割2

バルカンファランクスのアーム部はチューブが邪魔をして、そのままだと合わせ目を消すのが困難。一度カットしてから合わせ目を消し、最後に再接着して仕上げています。

バルカンファランクスの自作1
バルカンファランクスの自作2

バルカンファランクスはHMMではガトリングガンとなっていますが、旧ゾイドのオリジナルデザインに合わせた形状のものを自作しました。コトブキヤのMSGシリーズを組み合わせて製作しています。

「旧ゾイドのあの形」へのこだわり、わかってくれる人にはわかってもらえるはず!

2連対空レーザーセンサーの切り離し1
2連対空レーザーセンサーの切り離し2

2連対空レーザーのセンサーはエッチングソーでカットして本体から切り離し、合わせ目を消して塗装した上で本体に再接着しています。

胸パーツの改修!

コアブロック上部のシンプル化

コアブロック上部のパーツは、クリアーパーツのセンサーが装着されるようにHMMではアレンジされています。ここは旧ゾイドの形状に寄せ、クリアーパーツを廃し、プラ板を貼り付けてシンプルな形状に変更しました。

揚力が発生するウイングにする!

補助翼の翼形状への改修

各部の補助翼はキットのままでは板状なので、各部を削り込み、揚力が発生する航空機の翼らしい形状に改修しています。空を飛ぶゾイドですからね。ここは航空機モデルの考え方です♪

エンジンと特殊塗装で航空機イメージを強調!

エンジンの焼け表現塗装

エンジンはアルティメットブラックを下地にスターブライトシルバーで塗装し、クリアーブルー、クリアーオレンジを細吹きして焼け表現を追加。航空機的なイメージを強調しています。

真黒色無双による補助エンジン中心部の塗装

補助エンジン中心部には、光の吸収率が極めて高い塗料である暗素研の真黒色無双を使用しました。

このパーツ、内部は埋まっているのですが、まるで穴が空いているような表現となるんです。初めて使ったときは本当に驚きました。水性塗料なので、はみ出しは強アルカリ系洗剤で拭き取れば問題ありません。

フィギュアは旧ゾイド伝統の金色に!

パイロットフィギュアのキャンディ塗装

フィギュアは旧ゾイドに合わせて金色に塗装。アルティメットブラック→エルドランゴールド→クリアーイエロー+クリアーオレンジ→Exクリアーの順番でキャンディ塗装を施しました。

あの金色のパイロットフィギュアこそ、旧ゾイドの魂ですよね♪

マーキングは旧共和国仕様再現セットデカールで!

旧共和国仕様再現セットデカール

マーキングはコトブキヤショップ限定アイテムである「旧共和国仕様再現セットデカール」を使用しました。

このデカール、旧ゾイドのパッケージ裏側に描かれていたカラーバリエーション「ブラックバード」「レッドバロン」の部隊章も入っている豪華なもの。当時からのファンにはたまらない内容となっています。

全塗装で仕上げるのであれば、これらの再現に挑戦してみるのもいかがでしょうか?

ミサイルランチャーも旧ゾイドカラーに!

背部ミサイルランチャーは旧ゾイドに合わせ、シンプルなブラックにしています。

旧ゾイドではスプリングでミサイルが射出されるギミックがあり、ここもオリジナルと同様に、ブラックのシンプルなカラーリングとしています。

スプリングで飛ぶミサイルって、楽しいんですけど速攻で無くしていた記憶があります♪

完成!サラマンダー!

というわけで完成しましたサラマンダー!

想定よりもはるかに組みやすかったため、スケジュール内で無理なくフィニッシュすることができました。

ビッグサイズモデルだけあり、完成したときの達成感は格別!

作業机に乗せて眺めていたら、いつの間にか何時間も経っていました。

しかし、大型ゾイドは本当にいいですね!
この作品はレビュー作例ということで大改造や塗装の大幅な変更はしていませんが、ゾイドバトルストーリーに登場した羽を外し、ゴジュラスの腕を装着した陸戦型サラマンダーであるガブリエーレなど、カスタマイズするのも本当に楽しそうです。

子供の頃、大型ゾイドを組み立てたときの喜びと興奮が蘇ってくる、メモリアルキットをぜひ!体感してみてくださいね。

誌面・HJWEBもあわせてどうぞ!

このサラマンダーは月刊ホビージャパン2026年2月号の掲載作例です。誌面ならではの誌面構成・完成写真とあわせて、HJWEBの記事もぜひチェックしてみてくださいね♪

林哲平の書籍一覧はこちらのページにまとめています。あわせてどうぞ♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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