こんにちは!プロモデラー林哲平です
今回は月刊ホビージャパン2026年9月号で制作した、SDW HEROES 78代目武者頑駄無を紹介します
隠密ガンダムエアリアルのパーツを流用して、BB戦士No.47の農丸頑駄無を意識したカラーリングにした「78代目農丸」として制作しております
制作のきっかけは「ラッカー塗料特集」
9月号の特集は「塗装の王道!”ラッカー塗料”を極める!!」
編集部から「林さんの得意な、ラッカー系塗料の上に水性塗料を塗ってマジックリンで落とす技法を紹介してほしい」という依頼をいただいたのが、この作例の始まりです
この技法が一番効くのは、塗り分けが極めて複雑なキット
現在販売されているガンプラで塗り分け難易度が極めて高いといえば、SDガンダムワールドヒーローズシリーズです
その中から、入手しやすく、記事を見た人がすぐに実践しやすい78代目武者頑駄無を選びました
そのまま作っても面白くない!

ただ、キットをそのまま作るのでは面白くないんですよね
そこで、隠密ガンダムエアリアルからアニマルスピリットと眼帯を持ってきて、BB戦士47版の農丸を意識したカラーリングにしました
グリーンの発光部分は凹ディテールとして処理し、よりSD戦国伝風のシンプルなイメージにしています
名付けて「78代目農丸」です!
農丸への思い入れ
農丸といえば「超戦士ガンダム野郎」の主人公、天地大河の愛機
作品中では前半の主人公機扱いで、その後、二代目大将軍にアニマルスピリットが装着された大農丸や、三代目に農丸の要素を組み合わせた大福将軍なども登場しました
私が小学生の頃、初めて買ったコミックボンボン
そこに連載されていた「超戦士ガンダム野郎」が、闇皇帝の中から出てきたレッドウォーリアに農丸が負ける回だったんですよ
初めて読んだ回で、いきなり主人公機の農丸が負けるのにはびっくりでした!
我々SD世代にとっては、とても思い入れのある機体ですよね
以前には、それらをモチーフにした紅大将軍という作品を制作したこともありました。こちらもあわせてどうぞ

塗装前と塗装後を見比べてみよう

こちらが塗装前
キットの成形色だけの状態です

そしてこちらが塗装後
見比べると「こんなに塗ってるんだ」というのが伝わるんじゃないでしょうか
金のふちどり、黒の中の金の鋲、赤の中の白……と、SDの武者は塗り分けだらけ
これを全部マスキングでやろうとすると、心が折れます
HOWTO抜粋:兜の白を「マジックリン落とし」で塗り分ける
塗り方の全体は誌面に譲るとして、ここでは一番わかりやすい兜の前部だけ紹介します

まず兜全体をラッカー系塗料のエルドランゴールドで塗っておきます
次に、兜の前部を水性ホビーカラーのつや消しホワイトで塗装
マスキングは、兜の後ろの黒い部分をざっくりとマスクしておけばOKです

マスキングテープを剥がした状態
思いっきり、兜前部のフチが白く塗りつぶされています
これがラッカー系塗料での塗装であれば、もう完全アウト!最初から塗り直しですが……
ご安心ください。ここからが、この塗装法の本番です

マジックリンなどの強アルカリ系洗剤をガイアノーツのフィニッシュマスターに染み込ませ、フチを拭き取っていきます
強アルカリ系洗剤はラッカー系塗料の塗膜は侵さず、水性ホビーカラーのみ溶かすことができるのです
なお、中性洗剤では効果がないので、必ず強アルカリ系洗剤を使ってください

拭き取った状態
フチが浮かび上がり、まるで超精密にマスキングしたかのように、クッキリとした仕上がりになりました

兜の後ろの鋲は「ツマヨウジ落とし」で
兜の後部、黒の中に何十個も打たれた金の鋲
こちらは水性エマルション系塗料とツマヨウジを使った別の技法で塗り分けています
やり方はこちらの記事で徹底解説しているので、あわせて読んでみてください

総作業時間は30時間ぐらい。マスキングなら200〜300時間
水性塗料とラッカー系塗料を併用することで、塗装の作業時間を大幅に短縮させることができます
この作例は肉抜き穴や合わせ目も消していますが、おそらく工作も合わせて総合作業時間は30時間ぐらい
もし、全てマスキングでラッカーエアブラシ塗装とかしていれば、200〜300時間はかかっていたでしょう
SDガンダムのような塗り分けが複雑なキットには、ラッカー系塗料と水性塗料を組み合わせた塗装が大変効果的です
ぜひチャレンジしてみてくださいね😁
この作例は「月刊ホビージャパン2026年9月号」に掲載されています!

今回紹介した78代目農丸のくわしい製作手順は、月刊ホビージャパン2026年9月号の特集「塗装の王道!”ラッカー塗料”を極める!!」で解説しています
ラッカー系塗料の下地作りから、水性塗料との使い分け、スミ入れまで、誌面でステップごとに紹介していますので、ぜひ手にとってみてください
もっと塗装テクニックを知りたい人へ
今回のような塗装メインのテクニックは私の著書「週末でつくるガンプラ凄技テクニック HG編」にまとめています
よりガンプラ塗装を楽しみたい!という人はぜひこちらの本も読んでくださいね
林哲平の書籍一覧はこちらのページにまとめています



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