こんにちは!プロモデラー林哲平です。
今回はWizKidsのD&Dミニチュア、アルフーンとインテレクトデバウアーを製作したので紹介します♪
邪悪さ抜群のタコ魔道士に一目惚れし、秋葉原のミニチュアショップ、フリージアエンタープライズへ!
なにかいいミニチュアはないかな〜 と、ミニチュア情報収集用のツイッターアカウントを作り、片っ端から目につくミニチュア系アカウントをフォローして、ワクワクしながらタイムライン眺める…… 最近は休憩時間はそんな感じに息抜きしているんですが。
たまたま目にしたのが秋葉原のミニチュアショップ、フリージアエンタープライズさんのツイート。
ネットショップを見てみると、自分がまったく知らなかったWizKidsというメーカーのミニチュアを多数取り扱っている!
どれもカッコいいな〜 と眺めていると!
タコ頭の超絶邪悪なミニチュア「ALHOON&INTELLECT DEVOURER」に一目惚れ!
通販でもいいけれど、せっかくだから行ってみよう! と、ホビージャパンの作例をヨドバシカメラに展示した日の帰りに秋葉原の店舗まで足を運んだわけです。
グーグルマップで店舗を見つけると、「ホビーショップ ARROWS」の看板が。
ホビージャパンでも素晴らしいミニチュア系の作例を製作している、ARROWS店長氏のお店も一緒のビルに入っているなんて!
ここも後で寄ろう、と思いつつ店に入ってみると…?
なんと、ARROWSとフリージアエンタープライズって、同じ部屋に同居したお店だったんですよ!
私もいろんな模型店に行きましたが、こういうスタイルのお店は初めて。
お目当てのWizKidsのミニチュアも多数陳列されており、どれもこれまで見たことが無いものが多く見ているだけでも楽しくて。
ビホルダーやオウルベアもいいなあ、と思いつつ、当初の目的であったアルフーンを定価1400円、税込み1580円で購入したわけです。
ちなみに、帰りに寄ったボークスでゼロテのミノタウロスのミニチュアをよっぽど買おうかと迷ったのですがなんとか我慢できました(笑)
WizKidsのミニチュアってどんなもの?
私もそうだったのですが、このブログを読んでいる人も「WizKidsのミニチュアって何?」という人も多いと思うので解説を。
WizKidsはアメリカのニュージャージー州ヒルサイドにあるメーカーです。
塗装済みで、ゲームの駒として使用可能なトレーディングフィギュアを製造しており、マーベルなどのアメリカン・コミックヒーローをモチーフとしたトレーディングフィギュアと絡めたミニチュアゲーム「HeroClix」で大きな成功を収めました。
そして、このWizKids社、かつてのラルパーサやシタデルのように、なんと世界初のテーブルトークRPGとして有名なダンジョンズアンドドラゴンズの公式ミニチュアを作っているんです!
それが今回購入したアルフーンがラインナップされている「D&D NOLZUR’S MARVELOUS MINIATURES」シリーズです。
同社のトレーディングフィギュアと同様に軟質樹脂製ですが、このシリーズはペイントを楽しむためになんと無塗装!
しかも塗料がのりやすいように、アンダーコートまでされている。
組み立て済みなので、箱から開けたらすぐに塗れるようになっているんですね♪
どうです?この粘質樹脂とは思えない精密感!
軟質樹脂ゆえ、触手などの複雑な逆テーパーがつくパーツも一発抜き。
もちろん細いパーツでも折れたりしないので、プラや3D造形ミニチュアのように破損するリスクが少ないのも利点でしょう。
このアルフーンにはオマケとしてインテレクトデバウアーが付属しています。
商品によっては複数のミニチュアが入っている商品もあるのでお得ですね♪
ミニチュア用ベース。
かなり薄く平べったいのが特徴的です。
と、箱の中を楽しんだらさっそくペイントに移ります♪
組み立て済み軟質樹脂製ミニチュアをガチで作る!
さあ、箱から取り出したら即ペイント♪
……とはならないのがモデラーのサガ。
バッチリ入っているパーティングラインは気になりますよね。
ですが、ここで軟質樹脂が牙を向きます。
パーティングライン処理の救世主、伝家の宝刀ウェーブキサゲナイフ曲面片刃を使っても、軟質樹脂製ゆえどうしてもケバだっちゃうんですよね!
今回は無理矢理ゴリゴリ削ってなんとか均し、本体の細かいパーティングラインはデザインナイフで削り落としました。
一応、軟質樹脂のパーティングライン消し法としては冷凍庫で凍らせて硬度を上げて作業し、ケバ立ちはツールクリーナーで溶かすというテクがあるんですが、今回はささっと趣味で息抜きでの製作なのでやっていません♪
そして、パーティングラインよりも困ったのが組み立て済みというところです。
てっきり分解できるのかと思ったら、なんとガッチリ接着されており外せない!
アルフーン本体で外せたのはこの触手のみ。
まあ、筆が届く部分だけでお気楽ペイントすればいいや♪
とペイントを進めたのですが……
頑張って固定状態でペイントを進めたのですが、どうしても頭の下と胸が目立つわりに全然筆が入らず上手く塗れない!
どうすればいいんだろ?
と、悩んだ結果、閃きました!
クリティカルヒット!
アルフーン は くび を はねられた !
ズバっと首をデザインナイフでカット。
接着されて外せないなら、無理やり切り離しちゃえばいいわけですね♪
軟質樹脂製なので、プラやレジンと違って切り離すのも簡単。
これでずっと楽にペイントできます♪
ベースデコレートはウェーブの軽量エポキシパテで石畳風に。
ウォーハンマーのミニチュアだと平原で大戦争しているイメージなので地面と草って印象なのですが、これはD&Dのミニチュアです。
暗い、ダンジョンの奥で冒険者を待ち構えるイメージでデコレートしてみました♪
このあとつや消しを吹いて完成!
…… と言いたいところですが、ラストで大問題が発生したんです。
私はいつも最後の仕上げとして表面のツヤを消すためつや消しクリアーをミニチュアに吹きます。
表面に微妙なテカリが残っていると、どうしてもおもちゃっぽく見えてしまうんですよね。
シタデルカラーとの相性がそれほど良くないとわかっていつつも、使い慣れたラッカー系塗料のフラットベースなめらか・スムースタイプにExクリアーを混ぜたものを吹いているんです。
なんせ、ツヤが超キレイに消えてきめ細かいフラットに仕上がりますからね。
これまで特に問題無く吹けてきたんですが、今回、ちょっと多く吹きすぎてしまいまして。
早く乾かないかな〜 と眺めていると、みるみるうちに全身に細かいヒビが!
どうも、下地の軟質樹脂がラッカー溶剤を吸収して膨張し、表面の塗膜を破ってしまったようで(涙)
仕方がないので泣く泣くMrカラー薄め液に漬けて塗膜を落とし、再度下地からペイントして完成させました。
2回目だと、工程覚えているので結構早く完成しますね。
あと、最初から塗装されているベースコートを落としたぶん、仕上がりが若干シャープになったのはケガの巧妙でした♪
もちろん、二回目のつや消しはシタデルカラーと相性抜群な水性塗料のプレミアムトップコートつや消しで仕上げてます♪
完成!アルフーン!
というわけで紆余曲折を得て完成しましたアルフーン!
アルフーンはD&Dの世界に登場するマインド・フレイヤーの仲間です。
マインド・フレイヤーというのは頭がタコの邪悪な種族で、知的生命体の脳みそを好んで食するという、絶対にお友達になれないモンスター。
頭がタコという見た目の通り、クトゥルー神話のキャラクターがキャラクターデザインのモチーフとなっています。
マインド・フレイヤーは自分たちの種族のことを「イリシッド」と称しています。
イリシッドはエルダーブレインという巨大な脳が種族を取り仕切っており、マインド・フレイヤーは死後自分の脳をエルダーブレインに吸収され、集合意識の一部となるというライフスタイルを送っているんです。
ですが、中にはエルダーブレインに吸収されることを拒む変わり者のマインド・フレイヤーも存在します。
それがこのアルフーンです。
アルフーンはマインド・フレイヤーのリッチ、つまりアンデッドモンスターなんです。
死霊魔術でリッチ化し、エルダーブレインの一部となることを拒み、個人の探求を優先するアルフーンはイリシッドの世界では社会不適合者として迫害されているようです。
このあたりの設定は読んでて面白いな〜と感じました。
ペイントはマインド・フレイヤーらしく、ブルーを基調としたイメージで。
設定だとアルフーンの肌は干からびており、完成見本では白いのですがそれだとちょっと弱そうだったのでイキイキとしたハリがある感じに。
モンスターなので、目は白目で塗ればいいので、それが楽でいいですね♪
本の文字は極細のミリペンでそれっぽく書き込み。
もう少し密度を詰めればよかったかな〜とも思いますが、正面から見えないのでこれでOKとします♪
インテレクトデバウアーはラッカー塗料のピンクをエアブラシで吹付け、軽くウォッシングしたのみ。
なんでもマインド・フレイヤーの下僕で、犠牲者の脳と入れ替わり、体を乗っ取るという恐ろしいモンスターなのですが、こうしてみるとちょっとキモカワイイような……?
インテレクトデバウアーとの並び。
ちょっと公園で餌をあげているようなビジュアルに。
本持ってると、先生っぽく見えてきますね。
「火を司る4大精霊は?」
「はい!リザードンです!」
「違う!サラマンダー!せめてヒトカゲ!(ダメだ、賢くなってから食べようと思って拾ったのに物覚えが悪すぎる…)」
WizKidsのミニチュアの可能性を考える!
というわけでアルフーン&インテレクトデバウアーでした♪
WizKidsのミニチュアですが、とにかく種類が多くて見飽きないうえ、ドラゴンやジャイアントなどのモンスターから冒険者まで、デザインが最新のものとなっており、今風のスタイルも大きな魅力です。
なにより他のレジンやプラのミニチュアと比べると圧倒的に安い!
モデラーからすると軟質樹脂製で組み立て済みというのはちょっとネックになりますが、アンダーコートが落とせることがわかったのでベンジンに漬け込んだりして硬化できるかちょっと試してみたいな〜とも思います。
なお、購入ですがフリージアエンタープライズが正式な日本代理店となっており、そちらで購入するのが安くてオススメです。
アマゾンでも一応売ってますが、すごい値段がついてますからね(笑)
D&Dは指輪物語と同じく現在のゲームやファンタジーの原点。
ファンタジー好きなら、WizKidsのミニチュアオススメですよ♪
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