究極の成型色フィニッシュ。セイラマスオ氏風仕上げとは?
こんにちは。プロモデラー林哲平です。
「週末でつくるガンプラ凄技テクニック〜ガンプラ簡単フィニッシュのススメ〜」
の表紙作例であり、メインコンテンツと言っても過言ではないセイラマスオ氏風仕上げのMGガンダムVer.ka。
この作例を作るか作らないかは、正直非常に悩みました。
そもそもあまり作業工程を公開されていないセイラマスオ氏の作風を真似たHOWTOを、ご本人では無い私が行うということ自体大変おこがましいことです。
しかし、成型色フィニッシュがテーマの本において、最も偉大な成型色仕上げモデラーであるセイラマスオ氏の作風に触れないわけにはいかないと決断し、セイラマスオ氏風に仕上げたこのガンダムを製作するに至りました。
Kaガンダムを選んだのは、このキットがガンプラの歴史上において、成型色が抜群によくなったきっかけとなったキットだからです。
Kaシリーズはカトキハジメ氏が成型色のプラスチックの色までしっかりと監修しており、現在のガンプラのようにキットごとに特別にカスタマイズしたプラの色が調色された走りとなったキットです。
成型色フィニッシュをテーマにした本の表紙として、これほどふさわしいキットはありませんからね♪
それではどんな工作をすると成型色を活かしたまま、こんな風に仕上がるのか?
ここからはそのあたりのポイントを解説していきたいと思います!
デザインナイフで引いて切り込みを入れるだけの超お手軽スジボリ「引くだけスジボリ」を提案
セイラマスオ氏の作例といえば全身にびっしり入ったスジボリが特徴。
でもスジボリというと「難しい!」と条件反射で拒否反応しちゃう人も多いですよね 。
このHOWTOでは成型色を活かしつつ、デザインナイフで引いて切り込みを入れるだけの超お手軽スジボリ「引くだけスジボリ」を提案させていただきました 。
いきなり本番!ではなく、プラ板を使っての練習から解説しています。
なお、ガンプラへの筋彫りがどうして難しいか? についてはこちらの記事で徹底解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
「引くだけスジボリ」を使って「だいたいディテール」を入れる方法を解説
本番では鉛筆で下書きしつつ、フリーハンドである程度ズレたり左右非対称になってもだいたいOK!
ゆる〜っとした「引くだけスジボリ」を使って「だいたいディテール」を入れる方法を解説。
高精度のビシっとしたスジボリは時間も手間もかかるので、だいたいでどんどん作業を進めるスピードスジボリテクニックを解説しています
左右非対称でもゴマカシが効く「だいたいディテール」のコツ!
ディテールの歪みを誤魔化すためののコツも解説。
○左右垂直に並べた状態だと歪みが目立つが離したり角度をつけるとわからなくなる
○ パーツの側面は同時に見ることが出来ないので歪みやズレは作った人以外には絶対にわからない
などなど「不自然に見えないギリギリまで歪みを誤魔化す理論」は成型色仕上げならず、全塗装でも応用できる、ディテーリング初心者にとって必見の内容であるとおります。
なお、引くだけスジボリとだいたいディテールについてはこちらの記事で解説していますのでぜひ読んでみてくださいね♪
ランナータグから成型色と同色のプラ板を作る!
成型色を活かしてディテールアップする場合、同色のプラ材であるランナーのタグを使うのがセイラマスオ流なのはみなさんご存知ですよね。
HOWTOではランナータグを切り出し、整形してプラ板へと転生させる方法をどこよりも詳しく解説しています。
ランナータグを加工し、立体的、デザイン的にカッコいいディテールを作り上げる!
切り出したランナータグはそのままではただのガンプラ色なプラ板です。
これを加工し、立体的、デザイン的にカッコいいディテールを製作するポイントもしっかり解説しています。
プラ板による凹凸+スジボリが加わることで、間延びしない存在感のあるディテールになるんです。
ただ切った貼るだけでは無い、真に必要な着眼点を養うポイントがあるんですよね。
タミヤアクリル とアクリジョン、双方の利点を活かしたアクリル塗料でパステルカラーを調色する!
セイラマスオ氏といえばアクリル塗料の筆塗りにより仕上げられた素晴らしいセンスのパステルカラーが魅力ですよね。
HOWTOではタミヤアクリル とアクリジョン、双方の利点を活かしたアクリル塗料で、隠蔽力と塗りやすさを両立させたパステルカラーを調色する方法を詳しく解説しています。
アクリル塗料の筆塗り法を練習法、溶剤での薄め方までしっかりと解説!
タミヤアクリルカラーをベースとしたセイラマスオ氏風パステルカラーは隠蔽力、発色共に優れており、溶け出しの無い性質などムラ無い均一な面を筆塗りするにはピッタリの塗料です。
HOWTOではアクリル塗料の筆塗り法を練習や溶剤での薄め方までしっかりと解説しています。
こちらの記事にアクリル塗料の筆塗り法について詳しく解説しているので、エアブラシ無しで頑張っている人はぜひ目を通しておいてください!
アクリルと相性抜群のプレミアムトップコートでツヤを消し、筆ムラを誤魔化す!
アクリル塗料をそのまま塗りっぱなしだと、光沢テロテロで筆ムラがどうしても目立つのが難点。
でも、心配ご無用です。
HOWTOではアクリルと相性の良いプレミアムトップコートでさっとツヤを消し、筆ムラを目立たなくしつつ、シャープにカッコよく仕上げる方法について解説しています。
つや消しによる表面に与える変化についてはこちらの記事を読んでおくとより詳しく理解できると思うのでぜひ読んでみてください。
セイラマスオ氏の雰囲気を真似た作例であるとご理解ください!
このガンダムはあくまでもセイラマスオ氏の作風を私が真似して製作した「セイラマスオ風」ガンダムです。
セイラマスオ氏がこのHOWTOのような工作をそのまま使って作例を製作しているわけではないので、あくまでもマスオ氏の雰囲気を真似たものだとご理解いただけるとありがたいです。
成型色フィニッシュがメジャーになったのはセイラマスオ氏の功績である!
セイラマスオ氏は私がホビージャパン編集部で働き始めたころにデビューされ、あっという間に人気モデラーとなる姿を間近で見てきました。
初めてその作例を生で見たとき、プロポーションの徹底改修からオリジナリティーの高いミキシングビルドに、ハイセンスなディテールを成型色のままで実現していることに度肝を抜かれました。
しかも、その作例は高価な機材や長い時間をかけて作られているのではなく、工具は全て100円ショップで、エアブラシ無しの筆塗り、トップコートだけはベランダで吹き、他は全てリビングにあるちゃぶ台で家族とテレビを見ながら作られているというのですから!
この15年の間、最も人気が高く、影響力の強いガンプラモデラーがセイラマスオ氏であることは疑いようの無い事実です。
RGやハイディティールのMGなど、もしセイラマスオさんがいなかったらああはならなかったのではないか?と私は思います。
高価な機材、惜しみ無い時間、超高度なテクニックを駆使した超絶技巧作例が数多く生まれる中、短期間で効果的なポイントを抑えた成型色フィニッシュの作例が常にトップに君臨していたのです!
セイラマスオ氏は生きる伝説である!
私のモデラーとしての目標として「伝説の作例を作る」ということがあります。
私はホビージャパンメカニクスで模型コンテスト入賞やプロを目指すガンプラ最上級者向けのガンプラ製作講座「林哲平の起動模型超級技術指南」を連載しています。
これは後世に残るような伝説級の作例に挑戦し、その製作課程を徹底的に解説するというHOWTOなのですがこのkaガンダムは「超級技術指南」と同じスタイルで構成しています。
週末の空き時間だけでことごとく伝説級を数多く生み出すであるセイラマスオ氏。
時間も資金も空間も限られているモデラーにとって、これほど輝く星はありません!
このHOWTOを学んだ人の中から、第二、第三のセイラマスオ氏のようなモデラーが生まれてくればいいな!と楽しみにしております。
というわけでセイラマスオ氏風ガンダムでした !
「週末で作るガンプラ凄技テクニック〜ガンプラ簡単フィニッシュのススメ〜」をよろしくお願いします!
セイラマスオ氏の真の必殺技「プロポーション改修」はHG編のジムカスタムで解説しています!
続刊となる「ガンプラ凄技テクニックHG編」掲載のジムカスタムで、このKaガンダムで紹介しきれなかったプロポーションの改修法を紹介しています。
成型色を活かしたプロポーションの徹底改修はディテールや筋彫り以上にセイラマスオ氏の真の必殺技と言って過言ではありません。
このジムカスタムのHOWTOと合わせてセイラマスオ氏風仕上げは完璧となるので、ぜひ読んでみてくださいね♪
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