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幻のMS「MSA–120」をガンダムUCのフォーマットでリファイン!ミキシングビルドで立体化する!!「ホビージャパンメカニクス02」「ガンプラ凄技テクニック 機動模型超級技術指南」掲載作例

 こんにちは!プロモデラー林哲平です。

 「究極の作例を作る」をテーマに予算、時間、手間など全てのリミッターを解除して思いのままにガンプラを作るホビージャパンメカニクスの連載企画「林哲平の機動模型超級技術指南」

 HJメカニクス02号掲載の第二回は「1/100 MSA-120」。

 知る人ぞ知る幻のMSを題材に、プロモデラーが行う超上級ミキシングビルドテクニックを惜しみなく披露しています。

 HJメカニクス02についての解説記事はこちら

目次

君は「MSAー120」」を知っているか?

 おそらくほとんどの人が「これ何?」となるので簡単な機体解説を。


 MSA-0120は連邦軍の次期主力MSの座をF90と争い、敗北して歴史の影に消えていったMSです。


 F90のキットのインストに記述があり、設定画はサイバーコミックス24号に掲載されているぐらい。


 デザインは「Zガンダム」や「タイラント・ソード」の藤田一己氏によるもので、知る人ぞ知る、マイナー中のマイナーMSなんですね。


 特異すぎる形状やシルエットゆえにガンダムファンからは「MSらしくない」「異質すぎる」「宇宙世紀に合わない」と評価されることが多かったんです。

 今回はそんなMSA-0120を「もし今コミックや映像作品に登場したらどんなカタチになるのか」と想定。


現在宇宙世紀のMSリファインの基準になっている「機動戦士ガンダムUC」のスタイルや方法論を取り入れて立体化しました。


 「設定画が2枚しかないMSの異端児」ではなく、「ラプラス事件やマフティーの動乱を経験したアナハイム・エレクトロニクスが技術を総動員してつくった大型MSの末裔」として製作しています。


 先にも述べましたが、今回のテーマは「ミキシングビルド」です。


 ミキシングビルドにもいろいろな手法がありますが、今回は「手元にあるありあわせのパーツをどんどん組み上げて好きに作っていく」のではなく「パーツを厳選し、数多くのガンプラのパーツに埋もれた山から一体のMSを完璧なカタチで復元する」という、さしずめ「マウンテンサイクル方式」とも言える方法。


 MSA-0120は藤田一己氏デザインなのでガブスレイやバイアラン、メッサーラやパラス・アテネのパーツを主軸に使い、一見まったくどんなMSにも似ていないMSA-120でも、実は同じデザイナーが生み出したMSのパーツを見れば使えるパーツがあるということを解説しています。

ギミックで説得力を強化する!

 宇宙世紀のそれまでのMSを連想させるギミックを入れるとそれだけで「本当にありそう!」という説得力が増すのでその方法も解説しています。

 例えばMSAー120はヘビーガンの同型機という文字設定があるのですが、そこを考慮しつつ、νガンダムヘビーウェポンシステムを連想させる外装脱着ギミックで中身をジム系列の連邦系としたり、シールドブースターのようなギミックを入れてみたり。

 ほら?こうやって脱いだ姿を見てみると「これならありそう!」感がじわじわと増してきませんか?

 文字設定だけですが、MSA-0120には瞬間的に出力を増大させる「メガブースト」と呼ばれる技術が導入されています。

 今の時代になってその設定を見てみると、「これ、ユニコーンガンダムのデストロイモードみたいなものなんじゃ……」とか妄想が湧いてしかたがないんです(笑)

 今回の作例ではバックパックの位置をフルバーニアンのように上に上げるギミックを追加することで、視覚的にメガブーストモードを再現しています。

 こういった「文章だけの設定」を立体で再現すれば異質なデザインのマイナーMSでも「ありそう!」という説得力をもたせられるんですよね。


 「この部分は実はあのMSの技術が取り入れられてるんじゃ……」と想像しながらギミックを組み込むのって本当に楽しいですし、うまくピタリとギミックと設定がハマる瞬間て最高に気持ちいいんですよ。

俺はMSAー120 が大好きだ!

 実は大学生のとき、模型コンテスト用にフルスクラッチしようと図面を引いた経験もあるくらい思い入れのあるMSなんです。

 HJメカニクス02はUC110~120年台の機体がテーマであり、その中で自分が作りたいメカはグランザムかMSA-120でした。

 グランザムを題材にバキュームフォームや複製をテーマに工作系HOWTOもいいかな…… とも考えたのですが、3Dプリンターなどのデジタルモデリングが急速に進歩している今、これからもずっと通用するテクニックを解説するほうが読んでいただく読者さんによりプラスになる……ということで上級者向けミキシングビルドテクニックを解説できるMSA-120の製作となりました。

ミキシングビルドはどちらかというとモデラー自身の創作的才能で語られることが多く、できる人にしか出来ないと考えられがちですが、方法論や手法のガイドラインはちゃんと存在して、それさえ知っていれば誰でもできるテクニックなんです。


 「ミキシング、もっと上達したいなあ」という人はぜひとも読んでいただけると嬉しいです♪

「ガンプラ凄技テクニック 機動模型超級技術指南」にて増補改定して収録しております!

 こちらのMSA-120Aですが、私の著書「ガンプラ凄技テクニック 機動模型超級技術指南」に、連載当時よりも完成写真を大幅に増ページしてより詳細に収録しています。

 この記事を見て「いいな!やってみたいな!」と感じていただけたら、こちらの本も読んでいただけると私はすごく嬉しいです♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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