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定価1000円、合わせ目ほぼなし、組み立て30分!!! この手軽さこそ「究極のガンプラ」である、HGACリーオーの凄さを徹底解説!!!

 こんにちは!!! プロモデラー林哲平です!!!

 HGACリーオーって作ったことありますか?

 これは仕事で組み立てたときから「やばい、凄すぎる!!!」と感動したので普段ほとんどプライベートではガンプラを買わない自分でも思わず購入するくらいのインパクト。

 そして作例はしても、商品レビューとか滅多にしない自分がもうみんなに紹介しまくりたいくらいおすすめできるすんごいプラモなんです。

 1000円の量産機というキットですが、PGやRG以上にバンダイの技術力を感じる「究極のガンプラ」といって過言はありません。

目次

HGACリーオーってどんなキット?

 キットはガンプラの定番1/144シリーズ「HGUC」にラインナップされたもの。

 商品名は「HGAC」となっていますが、これは『新機動戦記ガンダムW』の世界設定が「AC(アフターコロニー)」となっているため、それに合わせているんですね。

 気になるお値段はなんと1000円!!!

 初期のHGUC並みの低価格には驚かされます。

 ではさっそく箱を開けて組み立ててみましょう♪

パーツ数を減らし、クオリティを高める!相反する課題を統合した超秀逸な設計!!!

 組みててみると「これは凄い!!!」と思うポイントが満載なんですよね!

 まずは球状の肩。

 OZのMSはだいたいこの形ですし、宇宙世紀のMSにもケンプファーなどこの形の肩をしたMSはたくさんいます。

 これ、なんと中心の関節軸を上下で挟み込む構造になっているんですよ。

 組み立ててみるとこの通り。

 合わせ目が中心線のディティールを兼ねているので、合わせ目が発生しません。

 関節軸の露出部分が◯ディテールとして処理されているところも素晴らしい。

 丸い肩関節は左右貼り合わせが一般的でしたが、この上下貼り合わせ方法はコペルニクス的発想です!!!

 手間も減るし、見栄えもいい。

 これから球状肩のMSがガンプラになる場合、この構造がスタンダードになるのかもしれませんね。

 ヒザやヒジ関節は簡易フレームにディテールの入った外装を被せる方式。

 たった2パーツ構成ですが、合わせ目も無く、肉抜き穴も目立たず、後ハメ加工もする必要無し!!!

 組み立てるとこうなります。

 こういったパーツを中心で割らず、前後で割ってヒザアーマーで合わせ目部分を隠すという工夫には脱帽モノですね。

 驚くことにリーオー、ポリキャップはBB戦士などでおなじみの丸ポリことPC-07を一つ使うだけ。

 最初は「あれ? ポリキャップ入れ忘れ?」とか思ったのですが、そんなことはなく、ホントにこれしか使わないんですよ。

 使う部分は足首と太モモの中、あとはお腹といった感じ。

 汎用のポリキャップの中でも、最もシンプルな丸ポリ一ランナーで関節を処理するとは…… 本当に合理的です。

組み立て時間はわずか30分!!! 

 30分もあれば組み立て完了。

 完全ストレスフリーです。

 あれ、テレビのブラウン管部分はって?

 メインカメラははめ込むと外せないので、塗装する人は塗装後にはめ込みましょう。

 目立つ合わせ目は前腕と武器くらい。

 パーティングラインも目立つ部分は肩ぐらいで、初心者向け全塗装入門キットとしては最強なんじゃないでしょうか?

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あまりの凄さにリーオーを始祖としたシリーズが始まるくらいのインパクト!!!

 リーオーは発売と同時に大ヒット。

 ガンダムではない、量産型MSのプラモデルとしては空前の出荷数となりました。

 「低価格」「30分でストレスなく組める」というのがあまりにもユーザーフレンドリーだったんです。

 そして……遂にはリーオーのコンセプトをベースとした、「30分で自分だけの量産機を作る!」という新シリーズ、「30 MINUTES MISSIONS」が展開されるほどになりました。

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 ガンプラでもデスアーミーやマグアナック、ウィンダムなど、リーオーの構造を引き継いだキットが多数開発、販売されており、どのキットも好評です。

 リーオー、影響力凄すぎですよね?

リーオーこそPG、MGを超える「究極のガンプラ」である!!!

 ガンプラの凄さ、というのは40年以上にわたってシリーズが存続し、その間に蓄積され続けた技術力です。

 かつてホビージャパンでのMG開発記の記事は「究極のガンプラを作る!!!」でしたね。

 で、メーカーの本当の技術力っていうのは高単価の高級品ではなく、最もたくさん数が出る量産品にこそ反映されるんですよ。

 例えば自動車。

 高額なスポーツカーやスーパーカーはそもそも単価が高くコストがかけられるので、いくらでも最新素材や技術などをふんだんに投入できます。

 だから例えば時速400キロで走るブガッティ・ヴェイロンは1億8000万円でも許されます。

 でも、最高時速150キロぐらいで、燃費が良く、小回りが聞く軽自動車を100万円くらいで大量生産できることのほうがはるかに凄いことなんですよ。

 リーオーを組み立てていると、PGやMGで培った技術を1000円という販売価格に収めつつ、肉抜き穴や合わせ目を極力目立たないようにする工夫…… いや、それを超えた開発者の愛が伝わってくるんです。

 私は仕事で年間250体くらいガンプラを組み立てますが、こういった「厳しい制限内でいかに素晴らしい商品として工夫をこらすか」というキットに一番魅力を感じます。

 ガンプラ、というよりもプラモデル全体がどんどんハイエンド化していく中、出来はどんどん良くなってきているのですが。

 部品数が多すぎ、構造が複雑すぎで「これプロモデラーじゃないと無理だよね」みたいなプラモも増えました。

 プラモデルメーカーは「誰でもストレスなく組み立てられ、しかも出来もいい」という、相反する課題を兼ね備えたプラモを開発しなければならないという、非常に難しい問題に直面しているんです。

 このリーオーはその一つの答えだと、私は確信しております。

 とにかくものすごくいいプラモデルなんで、普段ガンプラを作る人もそうでない人も、ぜひ作ってみてくださいね♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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