こんにちは!プロモデラー林哲平です!
今回は私が大学卒業してからホビージャパンに入るまでの2003〜2005年くらいまで。
ファミレスの深夜バイトをしながらフラフラしていた時代に運営していた模型ホームページ「三野町防衛隊」よりトランペッター 1/35 VK.30.01(H)12.8cm対戦車自走砲 シュトーラーエミールを紹介します♪
若かったうえに当時は在野のアマチュアモデラーで、文章が緩かったりいろいろ辛口な発言もしていますが過去のことと許してやってください(笑)
当時の文章は青春時代ということで青文字で表記しています♪
シュトーラーエミールってどんな自走砲?
「デア・シュトーラー・エミール(きかん坊のエミール)」という可愛らしい?ニックネームで呼ばれたこの車両は2次大戦中に数多く作られたドイツ軍の試作車両の一つです。
将来登場するであろう英米軍の重戦車に対抗するために61口径12.8cm砲を搭載、車体にはヘンシェル社が開発したVK.30.01(H)が選ばれました。
このVK.30.01(H)はティーガーⅠの開発の基礎となった車両で、Ⅳ号戦車とティーガーⅠの中間的な存在と言ってもいいでしょう。
複合転輪と上部転輪を併せ持った独特の足回りが特徴的ですね。
ただ61口径12.8cm砲を搭載するには車体が小さかったために車体後部が延長されています。
ちなみにVK.30.01(H)自体は十分な装甲を施せないと判断されたために7両のみの試作に終りました。
このシュトーラーエミール、急造の試作車両の割にはかなり活躍したようで、砲身に数多くのキルマークを刻んだ写真なども残っています。
そもそも本車に搭載された61口径12.8cm砲の破壊力は絶大で、2000メートルの距離から120㎜の装甲を打ち抜くことが可能でした。
これはヤクトティーガーに搭載された55口径12.8cm砲よりもはるかに強力なものです。
東部戦線に投入されたシュトーラーエミールはブラウ作戦などにも参加、最終的にははスターリングラード戦でソ連軍に捕獲され、現在はクビンカ博物館に展示されています。
わずか2両しか生産されていないのに現存しているのは戦車好きとしてはありがたいですね。
でもマウスとかもそうだったような・・・クビンカ恐るべし。
300番記念キットは伊達じゃない!トランペッターのきかん坊!
トランペッターがこのキットの発売を発表したとき、正直なところ「?」以外の感想は浮かびませんでした。
戦車好きでも下手をすると知らないような超絶にマイナーな車両ですし、価格の安さも気にかかりました。
2100円というのはトランペッターのAFVキットとしては平均的な価格ですが、部品数の多くなりがちな2次大戦車両、しかもドイツ車両でオープントップの自走砲ときています。
以前同メーカーのルクレールで痛い目にあった経験があるので、どうせオントラックのデッドコピーだろうとまったく期待はしていませんでした。
まあ今までレジンキットでしか買えなかった車両だし安いから気が向いたら買ってみるか・・・くらいに思っていたのですが、模型誌に掲載されていたテストショットを見てみると意外と悪くなさそうなうえに戦闘室内部や砲基部の出来栄えも十分な水準に達しています。
これは期待できるかも・・・と気が付いたら発売直後に購入していました。
値段が2100円と安かったのはこのキットがトランペッター300アイテム記念キットだからだそうです。
しかしなんでまたシュトーラーエミールなんかを300番に選んだのでしょうか?
さすが中国。謎すぎます。
キットはよく考えて分割されており、車体・砲・砲基部・戦闘室を別々に塗装して組み上げることができます。
細かいモールドが多少甘いのが残念ですが、メーカーの気合がビシビシと伝わってくる内容です。
ゴムキャタピラのセンターガイドが実車どおり抜けているのはこのキットが史上初ではないでしょうか。
合いも良く、ルクレールや人民解放軍車両で味わった隙間地獄もありません。すごいぞトランペッター。
ただ・・・少し文句を言わせてもらうなら
転輪が全て左右割りになっており、組むのが非常に面倒くさい。
まあこれはヒケ対策のようなのでメーカー側がこだわった結果なんでしょうけど・・・ただでさえ多い転輪の部品数が2倍になると萎えます。
戦闘室前面のすぐ下の装甲版がリベットにかかるようにヒケている。
こういうヒケがあるのは新興海外メーカーでは普通でもあるのですが、モールドにかかるヒケほど処理が面倒なものはありません。
結局リベットは全て削り取り、ヒケを埋めた後にウェーブのRリベット丸で再生しています。
戦闘室内部の部品接着用のガイドがゴツすぎる。
ここはガイドにそってケガキ針でけがいた後にペーパーでガイドを削り取っています。
ここをそのままにすると完成後非常に目立つそうなので処理しました。
オープントップの車両にとっては戦闘室内部は命ですので
と、いろいろ文句を書きましたが十分に出来のいいキットです。
ヒケに関しては国内メーカーの最新キットにも言語道断なものもありますからね・・・
グリーンを加えてソリッドなジャーマングレーで勝負してみる!
今回はいつもとは違った手法で塗装しています。
いままでジャーマングレイの車両を塗装するときは、下地にフラットブラック→ジャーマングレイ→ジャーマングレイ+ライトブルーを明度を上げながら何回か塗り重ねる→ライトブルーでドライブラシ、とこのように塗っていたのですが、前回この手法でカールを塗ったところ、グレイというよりブルーになってしまうという大失敗をしでかしてしまったのです。
先の反省を踏まえ、グラデ無しでも存在感のあるジャーマングレイになるようにとさまざまな模型誌を参考に調色してみました。
どうも青だけではなく緑を加えるといい感じの色になるようです。
車体・砲・砲基部・戦闘室・木箱・戦闘室内部のアクセサリーを別々に塗装し、最後に組み立てます。
アクセサリー類は戦闘室を組み付ける前にピットマルチで接着しました。
戦闘室の床は木製なのでここをどう塗るか最後まで悩みましたが結局ジャーマングレイで塗りつぶしました。
今回は実戦に参加しているとはいえ試作車両なのでウェザリングは控えめにしています。
雨だれをパステルで再現したくらいでしょうか。
完成してみると独特の足回りに長大な砲、とってつけたような戦闘室に明らかに延長したところがまる判りな車体と見れば見るほど奇妙な車両ですね。
しかしこんなマイナー車両がインジェクションキットで手に入るとは・・・恐ろしい時代になったものです。
この調子でトランペッタ−にはⅢ号地雷処理戦車とかホイッシュレッケとかミーネンロイマーとかを出して欲しいですね。
先日発売されたワイバーンといいこのシュトーラーエミールといい最近のトランペッタ−は侮れません。
次に発売されるKVも買ってしまいそうです。
これで飛行機キットがもっと安ければ文句は無いんですけどね。
20年前はトランペッターの戦車が2000円台で買えた!
というわけでトランペッター 1/35シュトーラーエミールでした!
いやあ、20年前はトランペッターのキットが2000円台で買えたんだな〜としみじみと昔を思い出しますね(笑)
あの時代は円高でしたし、中国の人件費もまだ低かったので中国製キットは今よりずっと安かったんですよ。
いまや中国製の戦車プラモって、普通に8000円くらいするのもゴロゴロしてますしね♪
トランペッターは中国のプラモデルメーカーなんですが、私が大学生だった2000年初頭は共産圏の現用兵器がラインナップの中心で、WWⅡドイツ戦車の発売はビッグニュースだったんですよ。
このシュトーラーエミールは現在では連結履帯つきでモノクロームブランドで再販されていますが、今でも1/35オープントップ自走砲としては価格が安く、完成すると大きく迫力もあるので個人的にはオススメキットです。
東部戦線で実際に使われたときはダークイエローとダークグリーンで迷彩されていた車輌もあるので、そちらで仕上げてもカッコいいですよ♪
変わった車輌ですので、戦車好きはぜひコレクションに加えてみてくださいね♪
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