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戦車の9割はキャタピラで決まる!AFVモデラーなら一度は使ってみたい、超精密なモデルカステンの連結可動履帯を組み立てる方法を徹底解説!

 こんにちは!プロモデラー林哲平です。

 今回はAFVモデラーならば一度は使ってみたい、モデルカステンの連結可動キャタピラの制作法を紹介します♪

 なお、この記事は「ホビージャパンエクストラ2014spring」掲載のプラッツ1/35Ⅳ号戦車D型あんこうチームの作例記事より抜粋、加筆したものです。

目次

モデルカステンの連結履帯とは?

 モデルカステンはモデルグラフィックスやアーマーモデリングなどで有名なアートボックスのプラモデルブランドです。

 そして、モデルカステンが発売している連結可動キャタピラはもの凄く出来がいいんです!

 戦車のキャタピラって昔のプラモデルだとゴムのベルト式のものが多かったのですが、どうしてもゴムで曲がるぶん、本物と違ってグニャっとして見栄えが悪かったんですよ。

 特にキャタピラの幅が広いT-34とか、センターガイドの内側が本来抜けている4号戦車などはちょっと戦車に詳しくなってくると気になるポイントだったんですよね。

 モデルカステンの履帯はそんなゴムキャタピラ時代にアフターパーツとして登場したのですが、正直、ディテールアップパーツといよりも、戦車のキャタピラ単体のプラモデルとして設計されていると言っていいくらい精密に再現されているんです。

 連結可動式なので戦車本体と別々に分けて塗装出来るのでしっかりと足回りを作り込みたいときなども便利ですし、ディオラマを作るときなどサスペンションに連動して可動するので地面に沿ってキャタピラが歪んだり、自然なたるみを表現できたりといいことづくめ。

 ですが、本物とほぼ同じ部品構成となっている都合上、部品数多いいしどう組み立てていいのかわからず、持ってはいても押入れに封印している人も多いのではないでしょうか?

  今回はそんなキャタピラプラモの作り方を徹底解説していきます♪

 なお、今回はおそらくモデルカステンの履帯で最も需要が高いであろう、「ガールズ&パンツァー」のあんこうチームの4号戦車D型が履いている「SK-18 Ⅲ/Ⅳ号戦車中期型履帯[タイプA](可動式)」を製作しています。

パーツを一個一個しっかり成形しよう!

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 まずはパーツを成形していきます。

  履帯とランナーを繋ぐゲート跡は完成後にも見えるので、紙ヤスリでしっかり処理しておきましょう。

パーツを小分けにして紛失を防ぐ!

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 連結可動履帯のパーツ数は膨大です。

  紛失を無くし、スムースに作業するためにもランナーから切り出した履帯、センターガイド、接続ピンは塗料皿などに分けておきましょう。

履帯接着ガイドを作ろう!

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 履帯の幅より3㎜くらい広い幅で1㎜プラ板を帯状に切り出し、両面テープのナイスタック強力タイプを貼り組み立てガイドを作ります。

 そのままでは粘着力が強すぎて履帯を外すときに壊してしまうことがあるので手で何回か触って粘着力を弱めておきましょう。

履帯を並べるのはピンセットで!

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 ピンセットを使って履帯を並べていきます。

 気をつけないと途中から履帯が曲がることがよくあるので注意しておきましょう。

接着剤はドロドロタイプを流し込みの穂先でつけるのがポイント!

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 ここがモデルカステン連結可動履帯組み立て最大のポイントです。

 ここがよくわからないため製作に踏み切れない人が多いので徹底解説していきますね。

 モデルカステンの履帯は可動式。

 普通の連結式履帯のように流し込み接着剤を流し込んでしまうと完全に固着されてしまうので、接着にはタミヤセメントやMr.セメントなどのドロドロタイプのスチロール系接着剤を使います。

 粘度が高いため、奥まで接着剤が流れ込むことが無いんですね。

 履帯は両脇からピンを指して固定するのですが、ピン全てに接着剤を塗ると完全に固着してしまうため根本だけに塗ります。

 ただ、ドロドロタイプの接着剤のビンの蓋についているハケをそのまま使うと大きすぎて根本以外にも接着剤がついてしまうので、流し込みタイプの細いハケを使って接着するととピンポイントで接着剤を塗ることが出来るのでうっかり全部接着してしまうミスを減らすことができます。

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 接着剤を塗ったピンを履帯に差し込みます。

  履帯がきちんと組み合わさっていないとピンを奥までしっかり差し込むことが出来ないので注意しましょう。

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 接着剤が乾いたら、ピンの持ち手を捻るようにしてちぎりとります。

 接着不良のピンがあるとそのまま抜けてしまうので、再度接着しておきましょう。

センターガイドを接着する!

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 センターガイドは別パーツとなっています。

 センターガイド内側の肉抜き穴を再現しているため。

 このように持って、接着剤を着けましょう。

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 持ち手をつまんで履帯に接着していきましょう。

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 硬化したらニッパーで持ち手を切り取ります。

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  切り取った跡のゲートは目立つので紙ヤスリで丁寧に処理しましょう。

  接着剤が乾燥してないとセンターガイドはポロっと外れるので要注意です!

完成!モデルカステン連結可動履帯!

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 地道な作業を続け、ついに完成しました!

  左右合わせて総パーツ数約800、組立てに要した時間は12時間ほど。

  音楽や動画流し見などして気を紛らわしながら作ると気が楽になりますよ♪

 モデルカステンの履帯って、私にとって凄く憧れのプラモデルだったんですよ。

 昔のホビージャパンの戦車作例はほどんどがモデルカステンのキャタピラを使っていましたし、上京してからは大学の模型サークルの先輩が使っているのを見せてもらい、「こんなに精密だなんて凄い! でもこれ、自分じゃ絶対作れないな〜」と感激したのをすごくよく覚えています。

 現在ではキットに連結式の履帯が付属することが当たり前となり、組み立てやすい部分連結式履帯も以前よりもずっと出来が良くなりました。

 いろんなメーカーから連結可動履帯も発売されるようになりましたが、それでもモデルカステン連結可動履帯の精密感は別格の出来栄え。

 かつては値段が高額なのがネックでしたが、現在はプラモデル全般の価格が向上しているため、相対的に安くなり以前より手に取るハードルは低くなっているのではないでしょうか?

 キャタピラは戦車の出来栄えを大きく左右するポイント。

 ちょっと頑張って、しっかり戦車を作り込んでみたいという人はぜひ使ってみてくださいね♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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