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戦車の9割はキャタピラで決まる!AFVモデラーなら一度は使ってみたい、フリウルモデルの金属製連結可動履帯を組み立てる方法を徹底解説!

 こんにちは!プロモデラー林哲平です♪

 今回はAFVモデラーならば一度は使ってみたいフリウルモデルのメタル製連結可動キャタピラの制作法を紹介します♪

 なお、この記事は「戦車模型製作の教科書 MENG編」掲載のメルカバMKⅢバズの記事より抜粋、加筆したものです。

目次

フリウルモデルの金属製連結可動履帯とは?

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 フリウルモデルはハンガリーのAFVモデル用アフターパーツメーカー。

 戦車用の連結可動履帯を販売しているのですが、これがまた凄いんです!

 本物の戦車と同じ、金属製のキャタピラなんです!

 ホワイトメタルを鋳造して一個一個のキャタピラを成形しているため、製造法も本物のキャタピラとまったく同じ。

 金属製、かつ針金でつなぐため強度も抜群で、プラ製の連結可動履帯のように途中でちぎれるようなこともありません。

 なによりも金属であることを活かした黒染め仕上げをすれば、自然に浮き出してくるサビにより本物と見間違えるぐらいリアルな仕上がりになるんです!

 まさしく1/35に縮小された本物のキャタピラなんです。

 そんなフリウルのキャタピラですが、持ってはいてもで金属製でどう組んでいいのかわからず押入れに封印している人も多いのではないでしょうか?

 今回はそんなキャタピラプラモの作り方を徹底解説していきます♪

 なお、この記事ではメルカバMkⅢ用のATL-49を使っています。

パッケージの中身を確認してみよう!

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 フリウルの金属製履帯は加工しやすいホワイトメタル製。

 ピンバイスで接続穴を開口し、針金で繋ぐという本物同様の構造となっています。

 履帯、針金ともに予備が多いので多少失敗しても困ることはありません♪

メタル履帯を成形する!

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 針金を通す穴を0.5㎜ピンバイスで開口します。

 開口するためのガイドがあるので穴がずれることはそうそうありません。

 またホワイトメタルは柔らかいので、プラスチックを加工するよりも簡単に穴を開けることができます。

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 履帯のバリをデザインナイフで切り取ります。

  「金属とか硬いものにナイフの刃が通じるのか!」

 と思うかもしれませんが、ホワイトメタルは本当に柔らかいので全然大丈夫です。

 粘りがすごく強いレジン、くらいの削り心地だと思ってください♪

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 組み合わせた状態で一度ピンバイスを差し込んで回転させ、二つの履帯の穴を馴染ませて針金を通しやすくします。

 左右から差し込んで馴染ませておきましょう。

針金を通してつなげていく!

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 ピンセットで針金を通し、余分な針金をニッパーで切り取ります。

 プライヤーで針金をつまむとスムーズに作業できます。

 針金を切り取るときはアルティメットニッパーのような繊細なニッパーではなく、刃のしっかりしたニッパーを使ってくださいね♪

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 履帯をつなげた状態。

 なお、針金はこのような向きで差し込むと中で引っかかることが少なく、スムーズに貫通させることができます。

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 履帯は一枚一枚つなげていくよりも、このように2⇒4⇒8⇒16⇒32と倍々になるようにつなげていきましょう。

 こうすれば履帯の数も把握しやすく、モチベーションも下がりにくいのでオススメです♪

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 つなぎ終わったらワイヤブラシで表面を磨き、表面についている微小な金属の粉を取り除きます。

 これが残っていると後に解説する「黒染め」がうまく出来なくなってしまうのです。

 またワイヤブラシは毛が細く柔らかいものをつかうこと。

 あまりにも毛が硬いものだとパーツ表面が傷だらけになってしまうんです。

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 つなぎ終わった履帯 。

 「金属製の履帯に穴を開け、針金で繋ぐ」

 というと非常に難しく感じるかもしれませんが、実際に作業してみると非常に簡単です。

 金属製なので強度も抜群で、プラ製可動連結履帯のようにちぎれることもありません!

履帯を本体に装着してチェックしよう!

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 組み立てたら一度車体に組み付けてチェックします。

 組み付けるときは履帯の方向を逆にしないように注意しよう♪

メタルキャタピラの真価を発揮させる「黒染め」をやってみよう!

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 フリウルの履帯は「黒染め」によりその真価を発揮します。

 黒染めは金属を専用の液体で腐食させ、表面の色を変化させるテクニック。

 今回使用したのは「バーチウッド スーパーブルー」。

  モデルガン用の黒染め液ですが、現在はAKインタラクティブなどから専用の黒染め液が販売されているのでそちらを使うほうがオススメです♪

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 黒染め液は薄めて使います。

 これは説明書通りに水で4倍程度に希釈した状態。

 早く黒染めしたいからといって、原液につけるようなことは絶対にやめること。

 腐食が進みすぎ、履帯がバラバラになってしまうのです!

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 履帯を溶液に浸す前に、食用酢と中性洗剤を混ぜたもので全体をしっかりと洗います。

 これで表面の油分や汚れをバッチリ取り除くことができるんですね。

 油分が残っていると黒染め液がその部分が浸からないので、これは重要な作業なんです。

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 それでは履帯を溶液に入れてみましょう。

 溶液に浸してしばらくすると色が黒く変化していくと同時に、履帯の表面に白い粉が浮き出てきます。

  10分〜15分ほどまったら履帯を引き上げ、白い粉を歯ブラシでこそぎ落とします。

 この作業を3回ほど繰り返していくうちに黒く染まっていきます。

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 黒染めした履帯。

 全体を完全に真っ黒にするのではなく、少しメタルの金属感を残したほうがリアルに仕上がります。

 数日すると履帯の隙間からサビが吹き出てきて、そうなってくると本物の履帯にしか見えなくなってくるぐらい、リアルな仕上がりになるんですよ!

  メタルプライマーを塗れば塗装も可能ですが、せっかくフリウルの履帯を使用するのであればぜひとも黒染めにチャレンジしてくださいね♪

苦手意識は忘れよう!

 このフリウルモデルの履帯が登場したとき、ものすごいリアル感にびっくりしたのですが、金属製のキャタピラを一個一個針金で繋げるとか狂ってる!そんなの組めるわけが無い!と思い込んでいました。

 というよりも、ビビってたんですよね。

 ですが、作例でどうしても組み立てなければいけなくなり、意を決してやってみると……?

 思ったより簡単、というよりも変な海外メーカーの連結履帯よりもはるかに組みやすい!

 これはモデルカステンの連結履帯履帯を組み立てたときも思ったのですが。

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 作業自体よりも「これは難しい!」と思い込む、先入観が一番問題だったんです。

 プラモを作るときは「難しい!」という先入観を捨ててみてください。

 「こんなの自分には無理!」と思っていると、せっかくの素晴らしいプラモとの出会いが無くなり、選択肢が狭まりがち。

 「高難易度キット!」のような世間の評価は一旦忘れて、ぜひいろんなプラモを手にとってみてくださいね♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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