MENU
カテゴリー

マスキング漏れを修正する究極の方法!コンパウンドではみ出した塗料をけずり取る「コンパウンドリカバー」を覚えればガンプラ塗装に怖いもの無し!!!

 こんにちは!プロモデラー林哲平です!

 ガンプラの塗装で欠かせない作業がマスキング塗装。

 頑張ってマスキングして、塗装して、さあ剥がすぞ!

 と、テープをめくると塗料の吹きこぼれを見つけてテンション下がることってありますよね。

 リタッチする、マスキングして塗装し直すなど修正方法はいろいろありますが、どれも面倒臭いもの。

 ですが、美しい塗装を目指すクリーンフィニッシュの全塗装作品を作るとき、このあたりをおろそかにすると仕上がりがガクン!と下がってしまいます。

 そこで、今回は私が知っている中で最も優れたマスキング漏れの修正法、「コンパウンドリカバー」を紹介します!

目次

修正の困難なホワイトへのマスキング漏れ!

 ガンプラを全塗装するとき、より美しく塗料を発色させるために、基本は薄い色→濃い色の順番で塗装します。

  なのでマスキングして塗装していると、このようにしっかりと発色させたホワイトの上に彩度の高い色が噴きこぼれるミスが起きることがありますよね?

 これは私の著書、「ガンプラ凄技テクニック 機動模型超級技術指南」のEx-Sガンダムの頭部ですが、超重要で一番目立つ、頭部のインコム部分のレッドがホワイトにマスキングミスで吹きこぼれてしまったんですよ!

あわせて読みたい
伝説の『ガンダムセンチネル』掲載のカトキハジメ氏のイラスト「REAL Ex-S」をMG、HG、旧キットのミキシ...  こんにちは!プロモデラー林哲平です!  「究極の作例を作る」をテーマに予算、時間、手間など全てのリミッターを解除して思いのままにガンプラを作るホビージャパン...

 美しく仕上げるのが重要なクリーンフィニッシュの場合、これは極めてダメージの大きいミスとなってしまうんです。

 吹きこぼれた塗料をリカバーする方法は2つ。

  ①こぼれた塗料を上からリタッチする

 ②こぼれた塗料を取り除く

 となりますが、ホワイトの上だとこれがまた難しいんです。

 ①の上から改めてホワイトを塗ってリタッチをしようとした場合、上からどんなに塗装しても、下地の赤がいつまでも透けてしまうことが非常に多いんです。

 いくら隠蔽力の強い高性能のホワイト系塗料を使っても、鮮やかな色はとにかく強いので完全に隠蔽できないことが多いんです。

 そして完全に隠蔽したとしても、その部分だけ極端に厚塗りになったり、その部分だけホワイトの輝度が高くなったりと部分的に色味や仕上がりが変わってしまうんです。

  こうなると均一で美しい仕上げを目指すクリーンフィニッシュだとその部分だけ浮いてしまうので、結局はサーフェイサーを吹き直すところからやり直すことになってしまいます。

 こうなると②のはみ出した塗料を除去する、になりますが、2000番くらいの番手の細かい紙ヤスリを使って削っても、結構すぐに下地のサフが出てきたりしますし、その部分だけ傷がつくことによる質感の変化やスミ入れの染み込みなどはこれまたクリーンフィニッシュの大敵となるのです。

実践!コンパウンドリカバー法!

 パーツを傷つけず、いかにはみ出した塗料を除去するか?

 そこで必要になるのがコンパウンドです。

 コンパウンドは細かい粒子を擦り付けてパーツを磨く研磨剤。

 いわばペースト状のヤスリなのですが、これを使うと塗膜に大きな傷をつけることなく、表面を削ることが可能になるのです。

 コンパウンドリタッチに適しているのがタミヤコンパウンドの粗目。

 細目や仕上げ目はキメが細かすぎて塗料を除去するのには向いてないので、粗めを選んでおきましょう。

 コンパウンドを少量綿棒の先に付け、少しずつ先端を回転させるようにしてはみ出た塗料を落としていきます。

  このとき力を入れすぎると綿棒の芯棒が塗膜を傷つけてしまうので、力加減を注意してください。

 少しずつ、少しずつと加減しながら作業するのがコツです。

 はみ出した塗料を除去した状態。

 ホワイトの塗膜を傷つけることなく、濃い色を除去することができました。

  あまりに塗料がはみ出し過ぎている時は使えないこともありますが、リタッチするよりはるかに簡単かつ美しくミスをリカバリーすることができます。

より完璧を目指すならクリアーコートを併用しよう!

 と、便利なコンパウンドリタッチですが、それでも磨きすぎてサフ地が露出してしまうこともあります。

 こんなときはどうすればいいのでしょうか?

 最も確実な方法は、事前にクリアーを吹いてホワイトの塗膜を保護することです。

 ホワイトを塗装したあと、マスキングする部分に一度クリアーを吹いて透明の保護膜を作っておき、そのあとマスキングして塗装する。

 こうしておけばたとえマスキング漏れが起きても一段クリアーの層がホワイトを保護してくれているので、鮮やかな色が染み込むことも無いですし、はみ出しをコンパウンドで削り落とすときクリアー層が下地のホワイトを守ってくれるのです。

 なので私はマスキング漏れしそうな部分には塗膜が硬いのでしっかり下地を保護することができ、かつ乾燥の早いガイアノーツのExクリアーでホワイトを保護してからマスキングしています。

 ガンプラ界隈だとあまり知られていませんが、このテクニックはカーモデルでは一般的なテクニックだったりします。

 こちらの記事でアメリカレベルの1/25ダッジラムVTSの中心部にレーシングストライプをマスキングで再現しているのですが、カーモデルの技法書を読んで実践し、そのときに私も覚えたんですよ。

あわせて読みたい
アメ車のプラモ、通称「アメプラ」を作ってみよう!アメリカレベル 1/25 ダッジ・ラムVTS【3】ボディ...  こんにちは。  あ~ホットロッドのアメプラ超作りて~ と最近不穏なことばかり考えている林哲平です。  前回のボディ工作編はコチラ https://promodeler.net/2021/0...

  カーモデルは美しく仕上げるのが必須のジャンル。

  なのでミスをリカバリーするためのテクニックが非常に充実しているんです。

 全塗装のクリーンフィニッシュを追求しているモデラーさんでしたら、カーモデルの技法書を何冊か持っておくと確実にレベルアップに繋がります。

 というわけでマスキング漏れの救世主、コンパウンドリカバー法でした♪

 これを知っているか知らないかで全塗装でのガンダム系MS、特にマスキング作業の多い、144のガンダムを作る手間がガラリと変わってきます。

 ヤバ!漏れた!というときは、ぜひ試してみてくださいね♪

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

コメント

コメント一覧 (3件)

  • マスキングに失敗してリタッチなども不得意の為何か良い方法などないか知らべていたらこちらの記事にたどり着きました。

    今回の記事ではホワイトについて記述されていますが、これはホワイトだけでなくとも使える技法なのでしょうか?

    • えもやんさん、コメントありがとうございます!

      もちろん、ホワイト以外にも使えます!
      この記事でホワイトで紹介しているのは、ホワイトが一番リタッチが難しい色なんですよ。
      黒みたいな濃い色だと、リタッチしちゃうほうが楽なときもありますし

      私もマスキング苦手なので、作業の手助けになれば幸いです♪

      • ご返信ありがとうございました!

        コメント遅くなってしまい申し訳ありません。

        ホワイト以外にも使える事、承知しました。
        試してみます!

        ありがとうございました。

えもやん へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA


目次
閉じる