こんにちは!プロモデラー林哲平です。
「はじめてのカーモデルに最適!!! 初心者に優しい好キット「タミヤ1/48フォルクスワーゲンビートル」製作講座」
今回はパーツの整形の筋彫りの彫り直しについて解説します♪
前回の記事であるキットレビューはコチラ
ボディの表面処理をしよう!
ではさっそくビートルの製作にとりかかりましょう♪
最初に始めるのはボディの表面処理。
ヒケやパーティングラインが残っているとどんなにキレイな光沢塗装をしても全部台無しです。
まずはパーティングラインを確認してみましょう。
プラモデルのパーツは金型に溶かしたスチロール樹脂を流し込んで成型されます。
そのとき金型の隙間からわずかにはみ出たプラスチックが線となって残ります。
これがいわゆるパーティングラインです。
赤く着色した部分がパーティングラインが入っているところです
4つ折りした600番紙ヤスリでパーティングラインを削り落とします。
ガンプラだと400番から始まる表面処理ですが、スケールモデルだと400番は粗すぎます。
600番でも充分に削れるので削りにくいからといって安直に荒目の紙ヤスリを使わないようにしましょう。
光沢塗装だと400番のキズってなかなか消えないんです。
ルーフはヒケと歪みが大きかったのでしっかりと紙ヤスリで削りこんで表面を滑らかにします。
使用する紙ヤスリはタミヤのフィニッシングペーパーがオススメ。
目詰りしにくく、耐久力があるのでプラモデルのヤスリがけには最適な紙ヤスリです。
バリはカンナがけの容量で削りとろう!
窓枠には多少バリがあるので、刃を立ててスライドしつつ、デザインナイフをカンナがけの要領で使い削り取りましょう。
ナイフで削りっぱなしの状態だとだと表面が荒れたままなので、カンナがけしたあとは紙ヤスリで表面を削り整えておきます。
なお、現在ではデザインナイフに勝る超便利カンナがけツールであるキサゲナイフがあるので、手に入るならばそちらを使うことをオススメします♪
筋彫りを彫り直す!
ドアの隙間など、分割されている部分やスジ彫り部分は0.1㎜BMCタガネで深く彫り直します。
ボディを貫通するギリギリ直前にまで彫り込んでおくと、クリアーがけした後も深いスジ彫りが残り、スミ入れせずともくっきりとした実車のようなディテールとなります。
普通に塗装するならボディとフェンダーの境目にスジ彫りを入れる必要はありませんが、今回は1930~1950年台のヨーロッパ車に見られるようなボディとフェンダーを分けた塗り分けにするのでマスキングしやすいようにスジ彫りを入れます。
いきなりBMCタガネでこのような曲面部分にスジ彫りを入れようとすると必ず刃先がはみ出るので、最初はハセガワトライツールのニードルで軽く何度もなぞり、BMCタガネで彫るアタリを作ります
。
ニードルで掘ったアタリにそってBMCタガネでなぞり、スジ彫りを深くします。
ある程度深いスジ彫りがあるとマスキングテープのガイドとなり、マスキング作業がうんと楽になります。
筋彫りミスを修正する!
スジ彫りを彫り直していると、いくら気をつけていてもニードルやタガネがピンッ、とラインから外れ、ズバッとパーツの表面に引っかき傷をつけてしまうものです。
上の写真、フェンダーの上側あたりでBMCタガネがずれ、大きな引っかき傷を作ってしまいました。
こういう引っかき傷は削りこみだけでは消えません。
面倒ではありますが、パテや瞬間接着剤で埋めないと完成後に目立って悲惨なことになります。
まずはキズ以外のフェンダー部分をマスキングテープで覆って保護します。
これは不要な部分にパテがつくのを防ぐため。
不要な部分にパテがつくとその部分についたパテを削り落とす手間が増えるばかりか、パテを削っていたら余計な部分まで削ってしまい、またパテを盛り、また削りすぎ……という無限地獄を巡ることになりかねません。
削りたくない部分や、傷つけたくない部分にはとりあえずマスキングテープを貼って保護しておくとカーモデルはキレイに仕上げやすくなります。
スジ彫り堂から販売されている光硬化パテ「ロックレーザー328」を引っかき傷に刷り込みます。
もし埋める必要の無い部分にまでパテが流れ込んでしまったら、先を尖らせたツマヨウジでパテを掻き出しましょう。
瞬間接着剤だと流れこんだ時点でアウトですが、光硬化パテはUV光線を当てない限り硬化しないのでこのあたりの融通がきくのが素晴らしい。
100円ショップで売られているものでも問題ありませんが、私はスジ彫り堂製のものを使用しています。
10~20秒くらい光を当てると硬化します。
電池が弱くなっていると光も弱くなり、硬化に時間がかかるので電池のチェックを忘れずに。
表面がつや消しになり、軽く収縮するのが確認できれば硬化した証拠。
ロックレーザー328は少々高価ですが、あるとプラモデルの作業効率が全然違います。
作例製作にはもう手放せません。
すごく便利なので使ったことが無い人はぜひ試してみてください。
硬化したパテを600番紙ヤスリで削り、表面を滑らかにします。
ロックレーザー328を削ると紙ヤスリの目がすぐに詰まるので、こまめに紙ヤスリを変えましょう。
削りにくいからと言って400番紙ヤスリを使うと削り過ぎたりするので面倒でも600番で少しずつ削ります。
引っかき傷が消え、表面が滑らかになりました。
スジ彫りミスはどんなに熟練してもついついやってしまうもの。
昔は硬くて使いづらい瞬間接着剤での修正がほとんどでしたが、今ではスジ彫り修正に適した便利なマテリアルがいろいろあります。
スジ彫り失敗を恐れず、ガンガン彫り直しにチャレンジしてみてください。
特にカーモデルでははスジ彫りを彫り直して深くする作業は必須ですので。
次回はボディ各部のディテールアップポイントを解説していきたいと思います。
なお、初めてカーモデルを作る人の場合、ディテールアップをしていると完成しなくなる危険が高いので、こちらの表面処理最終仕上げ編まですっ飛ばしてくださいね♪
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