こんには!プロモデラー林哲平です。
今回は知られざる傑作キット「1/100ティエレン地上型」について熱く語ります!
1/100でティエレンのプラモがあるって知ってましたか?
今や数千種類も超えるラインナップにより、普通の人が全てのガンプラを把握するのはとても難しくなってしまいました。
昔は模型店でもらえるリーフレットに全ラインナップが収録できていたのに、現在ではゼクシィや電話帳みたいなカタログ2冊に分冊しないと全て載せられないくらい時代です。
人気MSのプラモならともかく、「あれ? そんなプラモあったっけ?」という中にも知られざる名作キットっていっぱいあるんですよ。
私は仕事で既発売のガンプラの90%くらいは組み立てた経験がありますが、「これはぜひ作って見て欲しい!」というキットの中でもオススメなのがこの1/100ティエレン地上型なんです♪
メカデザイナー本人によるハイディテール画稿を元に立体化されている!
「機動戦士ガンダム00」第一シーズン1/100キットはプラモデル用にメカデザイナーご本人によって描かれた、ハイディテール画稿を元に立体化されています。
これは専用画稿を元に作られているMGシリーズと実質同じ仕様で、フレームこそ入っていないものの、非常にカッコいいのはそれが理由なんです。
ティエレンのメカデザイナーである寺岡賢司氏は現用AFVに精通しており、ティエレン自身も本物の兵器の意匠を大きく取り入れたデザインです。
1/100キットではさらにそこから踏み込み、人革連のイメージベースともなった現用ロシア戦車を思わせるディテールが全身に入っているのも魅力なんです!
パッケージと説明書にそれぞれ専用カラーイラストが描かれている!
このキットはイラストも凄いんです!
なんと、パッケージと説明書。それぞれ別のイラストが使われているんですね!
インストのイラストは背面からとMSVの06Rを想わせる気合いの入りっぷり。
00はまさに新世代のガンダムでしたから、ティエレンも「ザクを次ぐもの」として大きな期待を背負っていたんですね。
デカイ!大迫力のボリューム!
1/100ティエレン、とにかくデカいんですね!
高さは普通の1/100MSぐらいなのですが、とにかく横にボリュームがあるんです。
隣にたまたま手近にあったHGリバイブガンダムを並べてみましたが、これくらい大きさが違うんです。
プラモデルオリジナルのバズーカが付属する!
1/100ティエレンにはプラモデルオリジナルの大型バズーカが付属しています。
これが旧ソ連の携行対戦車兵器であるRPG7を彷彿とさせるデザインで、人革連MSであるティエレンにものすごく似合うんですよね!
ちょうどRPG7をひっくり返したデザインになっているので、ちょっと改造してよりRPG7よりにすればケンプファーなんかに持たせても似合いそうです。
このバズーカ、いっぱい欲しいんですよね〜♪
説得力抜群!リアルなAFVディテール!
AFV的ディテール表現は全ガンプラでもナンバーワン!
○ペリスコープ
○サーチライト
○配線
○シャックル
○鋳造表現
○リアクティブアーマー
○ウインチ
実はガンプラというよりAFVモデルなんじゃないか? と思うくらい全身びっしりモールドされています。
しかも素晴らしいのが、ディテールの説得力の高さ!
ただたくさん入っているのではなく、T90のような実在の現用ロシア戦車をふまえたうえで、ティエレンがもし本当に存在したらこんなふうにここにはディテールが入っているだろう…… としっかりと考え抜かれた配置なんです!
だからこそ、1/100ティエレンはこれほどまでにリアルなメカニズムとして成立しているんですね。
ミニタリー要素には欠かせないフィギアも付属!
AFVのようなミニタリーモデルに欠かせないのがフィギアです。
そしてキット、なんと人革連の兵士までついてくるんですね!
自立せず撮影が大変だったのでここには載せていませんがパイロットフィギアも付属します 。
1/100なのでツメの先ほどのサイズしかありませんが、バンダイ驚異の技術力により恐ろしい高精度で整形されています!
唯一の欠点は関節の弱さ!
1/100ティエレンの唯一の欠点は関節の弱さです。
一番最初のMGガンダムぐらいから使われ続けているポリキャップのため、ぐにゃっと倒れてしまうことが多いんですよ。
作るときは割り切って、AFV的要素を活かして固定ポーズのヴィネットにしてしまうのもアリかもしれません。
月間ホビージャパンでの連載記事「ガンプラ凄技テクニック」で製作したティエレン多脚試験型は4脚化していますが、これは倒れやすいという弱点を補うためでもあったんです。
ティエレンは知られざるガンプラ黄金時代のオーパーツだ!
ティエレンが発売された時代、2006〜2008年ぐらいというのはアニメではガンダム00が、ガンプラではMGの一年戦争系MSがリニューアルされVer.2.0が数多く発売されていた時代でした。
この時代のガンプラは精密さやギミック、ディテール表現などにおいて、ある意味一つの頂点を迎えた時代だと私は思っています。
事実、この時代に発売された2.0シリーズは今でも現役で、フレームを利用したバリエーションキットが未だに発売されていますし。
この時代までのガンプラは「出来をよくするためならば、いくらでもパーツ数を増やす」という設計思想だったような気がします。
ですが、この時代以降は「組み立てやすさ」や「関節の強度」が考慮された、より一歩進んだ設計にシフトしていき、より扱いやすくなっていった…… と個人的には思っています。
ティエレンはアニメ搭乗当時からすでに時代遅れで、ガンダムにあっさりやられていましたが、かつてガンプラがたどり着いた一つの黄金時代のオーパーツとして、まだ作ったことが無いガンプラファンにはぜひ手にとってもらいたいと願っています♪
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実際に作った作品をモデラーさんから見せていただけることも多く、本を書く側として。
プロモデラーとして、そのたびにたまらない喜びを感じます。
「プラモデルを趣味として作ってみたいけれど、ちょっと難しそうで手が出ない」という人はぜひ手にとってみてください。
プラモデルの楽しさをを体感する、手助けになれば私は嬉しいです。
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