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初心者でも安心!プロモデラーが教えるメタルフィギア、ミニチュアペイント簡単製作講座! 第二回【パーツの基本的な成型を覚える!】リーパーミニチュア PATHFINDER Red Dragon(パスファインダー レッドドラゴン)

 こんにちは!プロモデラー林哲平です!

 ホワイトメタルやピューターで成型されたメタルフィギュアには、他の模型には無い独特の魅力があります。

 鈍く輝く銀色に、持った瞬間に感じる意外なほどの重量感。

 今では塩ビ製やプラ製のミニチュアに取って変わられつつありますが、リーパーミニチュアなどいま(2012年の頃は)でも勢力的にメタルフィギュアを販売しているメーカーは数多くあります。

 ここでは初めてメタルフィギュアを買ってみたのはいいけれど、その作り方がわからないという人に向け、初心者向けの制作講座を進めていきます。

 ではさっそくHOW TOといきましょう♪

 第2回のテーマは「メタルパーツの整形」です。

 一見固くてなにも歯が立たなそうな金属製のパーツをいかに整形していけばいいのか……

 今まであまり語られることの無かったメタルパーツの真実をお伝えできればと思います。

目次

ゆがみを修正しよう!

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 メタルフィギュアは、シリコンゴムで作られた型に熱したピューターを流し込み、冷やして固めた成形品。

 レジンキットもそうですが、型から取り出すときに十分に硬化していないとパーツに歪みが生じてしまうことがあるのです。

 私の購入したパスファインダー レッドドラゴンでは、舌が内側にグニャリと曲がっていました。

 このままだとカメレオンみたいになってしまうので、修正する必要があります。

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 方法は簡単。

 指でつかみ、正しい位置へとゆっくり曲げればいいだけです。

 金属製ということで硬くて加工が難しそうな印象のメタルフィギュアですが、素材であるピューターは粘度が高く柔らかい金属なので曲げるのは簡単なのです。

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 舌を曲げ、正しい位置に戻した状態。

 「メタルフィギュアは柔らかい」ということを憶えておきましょう。

キラ粉を除去しよう!

 メタルフィギュアの表面には「キラ粉」と呼ばれる微細な金属粒子が付着しています。

 注型のときレジンキットの離型剤のようにシリコン型にまぶしておくと、型の傷みを抑えながらキレイにパーツを取り外すことができるのです。

 キラ粉がついたままだと表面がザラついたり塗装が剥がれやすくなったりと仕上げの段階で色々な問題がおきることに。

 素晴らしい完成品に仕上げるためにも、除去しなければなりません。

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 キラ粉の除去に必須なアイテムがこれ。ワイヤブラシです。

 このワイヤブラシでパーツを磨き、キラ粉を除去するのです。

 ワイヤブラシを選ぶときは、できるだけワイヤーが柔らかく、細いものを選びましょう。

 ワイヤーが固く太いものでメタルフィギュアを磨くと、表面が傷だらけになってしまうのです。

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 ワイヤブラシでパーツを磨きます。

 パーツの奥まった部分まで、しっかりと磨きましょう。

 キラ粉が取れるとパーツの表面のくすみが取れ、メタルがキラキラと銀色に輝きだします。

 全てのパーツを磨き終えれば、キラ粉の除去は完了です。

ゲートを処理しよう!

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 メタルフィギュアのパーツには、成型されるとき、型の中へピューターを流し込む経路がそのまま付着しています。

 これはゲートとよばれるもの。写真で赤く着色している部分がそうです。

 ゲートをキレイに処理し、パーツを本来の形状に整形してみましょう。

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 まずはゲートをパーツに少しだけ残して、切れ味の悪くなったニッパーや金属用ニッパーでゲートをカットしましょう。

 ピューターは柔らかいのでプラモデル用ニッパーでも簡単に切り取ることができますが、ニッパーの種類によっては刃が傷んでしまうこともあります。気をつけましょう。

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 パーツに残ったゲートをナイフでカットします。

 ピューターは柔らかいので、少し粘りの強いABS程度の感覚でサクサク削ることができます。

 なお、作業にはオルファのアートナイフプロ曲刃を使用。

 切れ味が良く、刃先が奥まった部分にも入り作業しやすいので愛用しています。

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 最後にゲート跡を金属ヤスリで削り、表面をなだらかに整形します。

 金属ヤスリは目が細かいものを使いましょう。

 目が荒いものだとパーツが傷だらけになってしまいます。

 オススメはタミヤのクラフトヤスリPRO。

 抜群の切削性能にもかかわらず、削った表面にヤスリ目がほとんどつかない優れもの。

 私の模型制作には欠かせない一品です。

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 ゲートを処理した状態。

 他のゲートも同様の手順でどんどん処理していきましょう。

パーティングラインを処理しよう!

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 メタルフィギュアのパーツには、型の分割ラインに添ってパーティングラインと呼ばれるうっすらとした凸ラインが走っています。

 これは型からわずかにはみ出したピューターが固まったもの。

 素晴らしい完成品に仕上げるためには、パーティングラインの処理が欠かせません。

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 パーティングラインは、ナイフの刃を立て、カンナがけの要領で削り落としていきます。

 削りすぎて表面が荒れてしまったら、金属ヤスリで表面を軽くヤスり、傷を消してなめらかにしておきましょう。

 なお、2021年現在ではミニチュアのパーティングライン処理を効率的に作業できる超便利ツールが数多く発売されています。

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 こちらに紹介している2つはその中でも特に高性能なものなので、持っているとミニチュア製作がグンと楽になりますよ♪

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 パーティングラインを消した状態。

 パーティングラインは目立ちにくいところに配置されていることが多いので、しっかりとチェックしておきましょう。

 塗装編で紹介する予定のドライブラシというテクニックを使った場合、パーティングラインが残っているとくっきりと浮かび上がってしまい、作品を台無しにしてしまうのです。

バリを処理しよう!

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 バリもパーティングラインと同様、型からはみ出たピューターが固まったもの。

 バリの場合はみ出した部分が大きく、薄い膜となってパーツに付着しています。

 写真で赤く着色しているのがバリです。

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 バリはナイフで丁寧にカットして取り除きましょう。

 何度も書きますがピューターは柔らかいので、ナイフの刃で簡単に削り落とすことができます。

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 バリを取り除いた状態。

 バリを切り取った跡が傷ついたり、荒れてしまったときはナイフのカンナがけや金属ヤスリでヤスるなどして表面を整えておきましょう。

厚みのある部分を薄くシャープに仕上げよう!

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 ドラゴンやデーモンなど、羽が生えているメタルフィギュアで最も気になる部分。それは……

 翼の皮膜断面がとてもぶ厚いということです。

 写真で赤く着色部分を見てください。現実の動物…… たとえばコウモリの翼は、このように分厚くはなっていません。

 この翼で空を飛ぶのは大いに難しそうです。

 以前制作した同じリーパーミニチュアのメタルフィギュア、ドラゴネットの翼もおなじようになっていたので、この分厚さはピューターを流しやすくするための工夫の一種なのかもしれません。

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 ここはしっかり修正して、リアリティを高めておきましょう。

 まずはナイフで裏側から削りこみ、フチを薄くします。

 正面から削ると失敗したときに取り返しがつかなくなるので、目立たない裏側から削るのです。

 何度も何度も書きますが、ピューターは柔らかいので粘り気の強いABS程度の感覚でサクサク削れます。

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 削って凸凹になってしまった部分を紙ヤスリで慣らし、表面を平滑にします。

 180番紙ヤスリで凸凹を削りとり、320~600番紙ヤスリで傷を消したあと、ワイヤブラシで磨けばOK。

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 翼の皮膜断面を薄く削った状態。動物の翼として正しい形状となり、キットそのままよりもリアリティがUPしました。

 この翼ならば大空を舞うことができるでしょう。

 メタルパーツの整形はこれでひとまず終了です。

 ピューターは程よく柔らかく加工がしやすい素材。プラスチックやレジンとほぼ同じ感覚でナイフで削り、加工することができます。

 また金属ならではと言いましょうか。強度も高く、よほど細いパーツでも無い限り曲げたりしても破損することもそうありません。

 次回は接着、組立て編となります。

 軸打ちや接着剤の選び方など、重量のあるメタルパーツをしっかりと接着する方法を詳しくレクチャーしていきます♪

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この記事を書いた人

 こんにちは! プロモデラー林哲平と申します。

 2005年より模型専門誌ホビージャパンの編集部に在籍。

 趣味、仕事合わせて3000体以上のプラモデルを組み立てた経験を活かし、プラモの楽しさをみんなに伝えたい!と実体験から得た製作テクニックなどを日々発信しています。
 

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