こんにちは!林哲平です。
みなさん、スジボリってやったことありますか?
セイラマスオ氏の作例のような、全身にびっしりと入ったカッコいいスジボリって憧れますよね。
でも、高い専用の工具が必要だったり、すごく手間と時間がかかるので初心者には無理だ!!!って思っている人も多いんじゃないでしょうか?
今回はそんな難しいスジボリではなく、ガンプラを初めた初心者でもナイフとリアルタッチマーカーだけで手軽にスジボリを楽しめる、超絶簡単なフリーハンドスジボリ法「引くだけスジボリ」を解説しちゃいます!!!
こちらは著書「ガンプラ凄技テクニック」の表紙モデルであるMG ガンダムVer.kaの製作過程より抜粋したものです。
引くだけスジボリ練習法
①まずはプラ板と鉛筆を用意してください。定規は使わず、自分の感覚でまっすぐに線を引きます。
②線に沿ってナイフで切り込みを入れます。スーッと力を入れず引くようにしましょう。ナイフの切れ味が悪いと線が歪みやすいので刃はこまめに交換してくださいね。
スジ彫りどころかガンプラ製作のあらゆる場面で使える超便利ツールのデザインナイフについてはこちらで徹底解説しているのでぜひチェックしてみてください♪
③リアルタッチマーカーで切り込みにスミ入れします。これは普通のリアルタッチマーカー墨入れと同じでOK。ティッシュで拭き取ってください。
④拭き取ればスジボリの完成です!
「え?スジボリってこんな簡単でいいの?」
と思う人もいるかもしれませんが、これだってディテールに塗料が行き渡った立派なスジボリなんです。
基本はこれの繰り返し。
どんどんステップアップしていきます。
次は折れ線スジボリにチャレンジしてみましょう。
①折れ線を鉛筆で下書きし、ナイフで切り込みを入れます。平行する上下二本から切り込みを入れるようにしましょう
②上下に切り込みを入れた状態。まずはここを目指してみてください。
③上下二本をデザインナイフでつなぎます。ちょっと難しいですが、点と点を結ぶのは以外と簡単。
鉛筆でした下書きをデザインナイフでもう一度なぞるくらいの気持ちで行きましょう。
④折れ線スジボリの完成です!
一見難しそうに見える折れ線も基本は直線の繰り返しです。
やってみると簡単すぎてびっくりするかもしれません。
ここでストップせず、どんどんスジボリを掘りまくってみましょう。
慣れてきたらプラ板全体がディテールでぎっしりと埋まるくらい、フリーハンドで思うがままに引くだけスジボリをしてみましょう。
やっているうちに
①長い線は歪みが目立つが短い線は目立ちにくい
②直角より斜めの線は多少ズレていていても歪みかわかりにくい
③スジボリが複雑なほど左右対象を誤魔化しやすい
ということがわかってくると思います。
ガンプラへ引くだけスジボリをやってみよう!
プラ板でしっかりと練習したら、いざガンプラへの本番開始です!
①スジボリの下書きを鉛筆で書き込みます。
ガンプラの場合、ディテールやアウトラインの角などを基準として線を引きましょう。
②いきなりスジボリとなる本線を引くのではなく、ディテールから伸ばした補助線などを基準にするとバランスを取りやすいです。
③鉛筆はプラスチックの上にただ乗っているだけなので、下書きをやり直したいときは指先で鉛筆の粉を落とすだけでOK です。
③下書き完了! いちいち定規で測っていたら非常に時間がかかるので、基本フリーハンドで作業してください。
線を引いたらプラ板で練習した時同様にデザインナイフを引いて切り込みを入れ、リアルタッチマーカーでスミ入れします。
事前に練習しておけばそれほど難しくありませんよ。
プラ板と同様に、ガンプラのパーツにもスジボリが入りました。
専用の工具無しでも、これくらいのスジボリなら簡単に加えることができるんです。
歪みや非対称を恐れるな!「だいたいディテール」の考え方
と、方法を解説してきた「引くだけスジボリ」
実はプラモデルのスジボリには「デッサンスジボリ」と「高精度スジボリ」の2種類があり、ガンプラに向いているのは実は「デッサンスジボリ」のほう。
この「引くだけスジボリ」は「デッサンスジボリ」に相当します。
大事なのは左右対称や精度よりも、ジボリ自体のデザイン的なカッコよさとどんどん作業を進めるスピードの維持にあります。
いきなり 「精密ディテール」 から始めるのではなく、 「だいたいディテール」 から始めるのが「引くだけスジボリ」をカッコよく見せるコツなんです。
ここからは「だいたいディテール」の考え方を解説して行きます。
例えばこの両足のディテール。
足を閉じた状態、左右垂直に真っ直ぐに並んでいる状態だと非対称や歪んでいる部分が目立ちますが……
こうやって足を広げて角度をつけるとほとんど、いやもうまったくと言っていいほどわからなくなります。
同じ型でも、パーツ同士の距離が離れると歪みは目立たなくなるのです。
例えばこのコクピットハッチの側面のような部分。
こういうパーツは同時に同じ面を見ることはできません。
つまり、作った本人以外はどんなに歪んだ左右非対称なスジボリでもまず気づかれることはないんです。
スジボリをどう彫るか?の考え方
筋彫り彫れ!って言ってもどう彫ればいいのかわからない人も多いと思います。
ここからはスジボリを彫るためのポイントを解説していきたいと思います。
上の写真を見てください。
右のパーツの方が、ちょっとだけディテールが多くなっているのがわかりますね?
元からあるディテールにちょっとだけ足して少しづつ面の密度を高めるのは非常に効果的です。
スジボリをどう描いたらわからない! という人はこのあたりから始めると楽だと思いますよ。
スジボリを追加する部分ですが、目立つ正面に集中させましょう。
ほとんどの人はガンプラの正面しか見ないからです。
このガンダムは左右対象になっているパーツ以外、背面には一切ディテールを追加していません。
実際セイラマスオ氏の作例を見ても、追加ディテールは背面よりも正面の方が圧倒的に多いです。
全身を均等にスジボリしようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。
目を引く部分に効果的に作業時間を投資するのは非常に効果的なテクニックでもあるんです。
おわりに
「引くだけスジボリ」は非常〜にお手軽なテクニックです。
ですが、高難度とされているフリーハンドスジボリの練習法でもあります。
最初は線が歪んだりはみ出たりしますが、数を重ねるごとにデッサン力がつき、どんどん精密なスジボリが彫れるようになっていきます。
デッサン力とスジ彫りについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、合わせて読むとよりスジ彫り力がアップすること確実です♪
スジボリ初心者も上級者もぜひ試してみてくださいね♫
こちらの「引くだけスジボリ」は私の著書「ガンプラ凄技テクニック」より抜粋したものです。
この記事を読んで「いいな!やってみたいな!」と感じていただけたら、こちらの本も読んでいただけると私は凄く嬉しいです♪
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