こんにちは!プロモデラー林哲平です
素晴らしいディテールが魅力の本格派ミニチュアプラモデル「ガンダムアーティファクト」
私、このシリーズが大好きなんです!
ただ、購入したはいいものの、小さすぎて組み立てるのが大変とか、塗るのが大変だと感じて箱に入ったままになっているモデラーさんも多いのではないでしょうか?
今回はアーティファクトの布教のために、私なりに考えた、楽、かつカッコよく仕上げることができる制作方法を紹介したいと思います🎵
ガンダムアーティファクトに転ぶ!

ガンダムアーティファクトですが、正直言うと、ファティマに手を出すのが御法度のノイエシルチスの騎士のように、私は絶対手を出さないように我慢していました
あまりにも自分の好みすぎて、買ったら仕事を放棄してひたすらアーティファクトを作ってしまいそうで怖かったからです
だって、私が大好きな食玩プラモで、しかもスケールモデルの単色フォーマット、ウォーハンマーみたいなハイディールのミニチュアモデルなんですから!
ただ、大学時代の模型サークルの友人たちとLINEグループて話をしていたら、いつの間にか作る流れになってたんですよね
なので、仕事抜きの完全趣味で制作しています
本当を言うとジオが欲しかったんですけど、残念ながら売り切れで買えず
ザクキャノンとシルヴァヴァレトサプレッサーだけが残っていて、ガンダムは顔塗るの無理やな〜と思ったのでザクキャノンをチョイス
ジオン好きですし
ただ、せっかく作るんですから、アーティファクトが気になるけど手を出していないモデラーさん向けに、思い切りガチの制作HOWTO講座を作って、私と一緒に頭まで沼に沈んでもらおうと思ったわけなんです
それではいざ、制作開始です🎵
ヘッドルーペ推奨!
アーティファクトは大変ディテールが精密で作りごたえがあるのですが、普通のガンプラとは違い、かなりサイズが小さく、裸眼だと、パーツをしっかり見るのが難しいモデラーさんも多いと思います
ここは文明の利器、ヘッドルーペを使いましょう
私も製作中は常にヘッドルーペを装着して作業しました
これがあるか無いかで制作難易度が劇的に変わるので、持ってない人はヘッドルーペをゲットしておきましょう

パーツの切り出しと整形、合わせ目消し!

アーティファクトはスケールモデルなみの繊細なディテールが魅力です
そのぶん、部品も細かいので、ランナーからの切り出しもディテールを損なわないように、慎重に行きましょう
まずはゲートを少しパーツに残して、ニッパーで切り出します

ゲートは二度切りよりも、デザインナイフで慎重にカットするほうが、ディテールを損なわずにパーツを成形しやすいです
スケールモデルを作るのと同じイメージですね

アーティファクトは精密なディテールを再現するため、一体ではなく、しっかりとパーツを分けて成形してくれているのが私としてはものすごく嬉しい!
これぐらいのサイズの食玩ミニキットだと、厚みのあるパーツは大きな肉抜き穴の一発整形なことが普通ですからね

ただ、それゆえ、どうしても合わせ目が出来る部分もあります
この合わせ目を消して行きましょう

少し隙間を残したうえで、タミヤの速乾流し込み接着剤を流し込みます
注意点としては、アーティファクトは組みやすいように合わせ目をスジボリディテールとして処理してくれている部分も多いです
ここに流し込み接着剤が流れ込んでしまうと汚くなってしまうので、そのようなディテール部分には流れ込まないように注意しておきましょう

1日ぐらい待ち、接着剤が固まったら、折りたたんでコシをつけた400番紙ヤスリで合わせ目を消します
合わせ目が消えたら、600番紙ヤスリで表面を整えておきましょう
合わせ目を消すついでに、ゲート跡も消しておけば完璧です🎵
紙ヤスリの折り方はこちらで紹介しているので参考にしてください


小さく、ディテールが多いモデルのパーティングライン処理は結構大変ですよね
ここはウェーブのキサゲナイフ曲面片刃を使います
刃先が細く、曲面になっているので、ピンポイントでパーティングラインをカンナがけすることができるんですよ


各部の押し出しピンの跡はディテールに見えるように巧みに処理されていますが、一部、どうしても消したい!って部分もあると思います
そういうところはMr.瞬間接着パテを使うと、手早くキレイに埋めることができます

キットを活かして塗装しよう!

アーティファクトの制作において、一番悩むのが塗装だと思います
全部組んでから塗るか、分けて塗るか?
私の場合ですと、分けて塗るほうが作りやすく感じましたので、バラした状態で塗装します
小さいパーツを保持するときは、持ち手や両面テープを巻いたツマヨウジで保持し、スタイロフォームに突き刺すと楽に作業できます

小さいモデルはどうしても軽く見えてしまいやすいもの
ここは下地として、Mr.フィニッシングサーフェイサー1500ブラックを吹きます
プラの透けも消えますし、完成するとメタルフィギュア並みの重量感を感じさせる仕上がりになるんですよ

アーティファクトの塗装で悩むのは、やはり塗りわけです
細かい塗り分けを再現しようとすると、ちょっと手が止まってしまう人も多いのではないでしょうか?
なので、今回は塗分けは最小限、単色でできるだけカッコよく見えるように塗ってみましょう
まずは全体に、ザクっぽいグリーンをラッカー系塗料で塗装します

ただ、さすがにグリーン一色では地味すぎますよね
というわけで肩をレッドで塗装します 一色鮮やかな色を差し色として入れると、ミニタリーな配色でもすごく映えるんですよ
レッドショルダー最高!


素晴らしいディテールを活かすために、全体にMr.ウェザリングカラーのマルチブラックでウォッシングします
表面を保護しつつ、つや消しにするために、ウォッシング後にガイアカラーのプレミアムトップコートつや消しを吹きます

各部のスリットやモノアイガードなど、真っ黒にしないと行けない部分をタミヤアクリルのフラットブラックで塗り分けます
はみ出すこともありますが、マジックリンで拭き取ればラッカー系塗料の下地を溶かさずにリカバリーできます


頭部センサーもアクリル系塗料で塗り分けます
超小さい部分なのでもちろんはみ出るのですが、マジックリンを染み込ませた綿棒で拭き取れば全然大丈夫です

アーティファクトで最も悩むのが目の塗装ではないでしょうか?
モノアイの場合、先を細く削ったツマヨウジの先をシタデルカラーの赤系塗料を少量つけ、点を打つように塗ると上手くいきます もちろん、失敗したときはマジックリンでリカバリーすればOKです

アーティファクトの素晴らしいディテールを引き立てるために、ドライブラシをしてみましょう!
まず、なんでもいいので、水性アクリル系塗料か水性エマルジョン塗料のツヤ消しホワイトを平筆の先端にちょっとつけます
私は今回、シタデルカラーのスカーホワイトを使いました

塗料をつけたら、ティッシュやキッチンタオルで拭き取ります
「あれ?これ塗料筆先に残ってるの?」
ぐらいの少量ぐらいまで、筆の中の塗料を減らすのが良い塩梅です

パーツのエッジに筆先をこすりつけていきます
こうすると、筆の中にわずかに残った塗料が凸部分のみに付着し、その部分が浮き上がって見えてくるのです
これがドライブラシです♪
ディテール、凹凸も多いアーティファクトとは相性抜群なんですよ♪

とは言っても、ドライブラシで塗料が残りすぎていて、パーツにドバっと筆目がついたりするのもよくあること
ここはまたもやマジックリン! 下地がラッカー系ならば、水性アクリル系塗料や水性エマルション系塗料でドライブラシを失敗してもいくらでもやり直せますからね

それでは最後の仕上げに行きましょう
アーティファクトといえばシリンダーです
これは、最後のつや消し後に、どんな塗料でもいいので、シルバーとゴールドで塗り分けましょう
金属色を入れるとものすご〜く映えますからね♪

私はアーティファクト最大の山場は、塗装パーツの接着組み立てにあると思います
せっかく塗装したパーツに接着剤がついて、頑張った塗装が台無し!みたいな悲劇はできうる限りさけたい!
ここは、タミヤのドロドロタイプの接着剤のフタを流し込みタイプと交換し、細い先端で塗ってみましょう
ピンポイントで接着剤を必要な部分に塗ることができるので、ぐんとはみ出しにくくなりますよ
完成!ガンダムアーティファクト、ザクキャノン!

組み立てたらザクキャノン完成です!
手のひらサイズに数十点のパーツと、密度感が凄い!


全長55mmながら、無地バックで比較するものが無いと、まるでMGみたいに巨大に見える!
ああもう、かっこいい!かっこいいよアーティファクト!
ああ、プレバン限定で「ガンダムアーティファクトスペシャル ティビニダドVSクロスボーンガンダムX3セット」とか出たらどうしよう!どうしよう〜!
アーティファクトですが、いざ作ってみると、これ、スケールモデルですね
作ってる感覚が、パーツ割りの細かい、海外メーカーの1/72AFVモデルにそっくりなんですよ
あのあたりのプラモって、円安やインフレなどもあり、今は5000円ぐらいするものも多いんですけど、アーティファクトはこのハイクオリティで500円!
それが日本全国のスーパーやコンビニで売っている!
これ、超凄いことだと私は思います
かつてのビッグワンガムばりの革命なんじゃないでしょうか?
ジャンルは違いますけど、ミニスケAFVや艦船模型のモデラーさんは、アーティファクトめっちゃ相性がイイと思います

というわけでガンダムアーティファクト、ザクキャノンでした♪
塗装しない素組みでも精密感抜群ですので、ぜひ作ってみてください♪

最後に、私が展開しているオリジナルメカシリーズである、ケルバーダイン ゼミカバーニングと並べてみました♪
あと30年ぐらいしたら、ケルバーダインアーティファクトとかコンビニに並んでる時代になるといいな〜🎵

「ガンプラ凄技テクニック」シリーズ大好評続刊中です!

プロモデラー林哲平が送る、週末の空いた時間に、誰でも簡単、お気軽に、カッコいいガンプラがあっという間に作れてしまうガンプラ製作本「ガンプラ凄技テクニック」。
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プロモデラーとして、そのたびにたまらない喜びを感じます。
「プラモデルを趣味として作ってみたいけれど、ちょっと難しそうで手が出ない」という人はぜひ手にとってみてください。
プラモデルの楽しさをを体感する、手助けになれば私は嬉しいです。





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「世界の全てを模型店に」をテーマに、ありとあらゆる日用品で制作するオリジナルメカ
それが「再生構築機界ケルバーダイン」です。
子供の頃の、なにかを作りたくてしかたがなかったあの衝動を、いつの日も追い続けたい。
そんな気持ちで制作しているので、ぜひケルバーダインたちを見て、なにかを感じていただけると嬉しいです。
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