こんにちは!プロモデラー林哲平です。
HJメカニクス07にて製作した、100円ショップグッズだけで作ったジオがとにかく評判が良く、嬉しい毎日を送っております♪
ですが、このジオはいきなりアイディアが振って湧いたわけではなく、以前自分が趣味で製作していたオリジナルロボットシリーズ「ケルバーダイン」のアイディアをアップデートしたものなんです。
このケルバーダインシリーズ、自分にとって非常〜に想いいれのある作品たちでして。
なんせ私がブログをはじめたのもそもそもはこのケルバーダインを紹介するためでしたし、3年くらい前にタイトルを変える前までは「プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログケルバーダイン」でブログを続けてましたし♪
ジオを作った機会に過去記事を見返していたら懐かしくなりすぎまして。
今回からは過去ブログからの記事リライトも兼ねて、しばらくケルバーダインの紹介をしていきますね♪
「ケルバーダイン」を始めたきっかけ!
ケルバーダインを始めたのは確か2011年とかそれくらい。
結婚してすぐの頃でした。
私は昔も今もホビージャパン編集部の模型製作アシスタントなのですが、その頃雑誌広告営業部の人が接着剤メーカーに営業をするというので何かないか? という話を編集部でしていました。
で、私はいつも通り普通〜にガンプラを組み立てていたのですが、営業の人が帰ったあと、直属の上司に「林くん、何か提案して手伝ってあげたら?結婚したんだし、これからはプラモ一辺倒じゃなくてそういう仕事もできなきゃダメだよ」
と言われ、確かに!と思いまして。
模型雑誌が接着剤メーカーに提案できることってなんだろう? と色々考え、ふと思い出したのが昔のCM。
確かいろんなものをくっ付けてゴジュラスみたいなメカ恐竜みたいなのを作って、なんでも接着できる!みたいなものを作ってるCMを見たことがあるような気がしたんですよ。
ならなんでも接着できて、自由にロボが作れるとかなら接着剤も売れるし、メカ好きのホビージャパン読者も喜ぶからいいんじゃないだろうか? って思ったんですよね。
でも、普通〜にプラモのパーツをくっつけるだけならプラモ用のスチロール系接着剤でいいし、それなら身の回りにあるゴミとか、拾ったアイテムだけで作れば自分で素材を厳選できないぶん、ランダムにもなるし石とか骨とか変なものも接着できて面白いんじゃ? とどんどん自分の中で妄想が膨らみまくっていき。
とりあえず当時住んでいた所沢のアパートの駐車場に落ちていたゴミとレンガのかけらをくっ付けて作ったのがこのケルバーダイン第一号「グルヌ」なんです。
まあ、いきなりゴミを拾ってきて謎のメカを作りだす夫をよく奥さんが許してくれたなあと(笑)
で、勢い勇んでグルヌを会社に持って行って、営業の人に「こんなのどうですか!」と熱く語ってはみたのですが、ただ自分の中で盛り上がった謎メカを押し付けられても迷惑でしかないわけでして、
「あ、ありがとう。じゃ、ここ置いとくね」
と大変にご迷惑をかけただけとなってしまい、本当に申し訳なかったなあ、と今でも反省しております。
ケルバーダインが楽しくなってきた!
と、暴走しまくって迷惑をかけ、当初の目的はまったく果たせない、というケルバーダインでしたが、私はこの方向性に可能性を感じていました。
とにかく、大きくて迫力のあるロボがものすごく早く完成する!
ガンプラと違い、表面処理やマスキングをする必要もなく、戦車のようにまとめてブロックごと塗るのでとにかく製作スピードが早いんですよ。
これなら、忙しい仕事の合間をぬって作り続けることができるのでは?
そう感じた私は作り続けることを決意し、会社の行き帰りや散歩のときは地面を舐めるように見ながらパーツを集め、奥さんに廃材をとって置いてもらい、第二、第三のケルバーダインを作っていったのです。
ブログを始める!
こうして作ったケルバーダインですが、そのままでは誰にも見てもらえないということに気がつきまして。
作例だとホビージャパンに掲載されますが、趣味で作った模型は自分で発信しなければダメだ!と始めたのが初代ブログの「プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログケルバーダイン」。
昔HTMLを自分で打ってホームページを作った経験のある身としてはブログとか超楽でいい時代になったなあ、とブログに載せて。
ただ立体だけだとつまらないから、設定やオリジナルストーリーも考えよう!と当時ハマりにハマっていたウォーハンマーの世界感を元に世界設定を作ったり。
奥さんが当時出品していた「GEISAI」に一緒に出品したりして、とにかくあの時代は楽しかったですね。
あの頃は「このまま人気が出るまで作り続けて、いつかプラモ化して、ハリウッドで映画化して、その稼ぎで奥さんに楽をさせてあげるんだ!」
とか本気で思ってました(笑)
あ、大昔に作ったケルバーダインのHPはまだ残ってます。
もうログインパスワードを無くしてるので、消そうにも消しようがないんですけどね(笑)
ケルバーダイン一覧!
ここからはこれまで作った10体のケルバーダインを紹介します♪
各記事へのリンクから詳しい製作記事を見ることができるのでぜひ見てくださいね!
KDF−02 グルヌ!
KDF−01バテス!
KDM−03オーヴォル!
KDD−04ブリアード!
GKD−05グラッズドレア!
GKD−05バリゴ!
KDF−07ブロージェ!
GKD−08ヴェヴァルジェ!
KDM−05 グロッド!
KDT−10ドルトガ!
ケルバーダインの問題点!
と、色々楽しんでいたケルバーダインですが、作り続けていくうちに、作品としていろんな欠点があることがわかってきたんです。
①デカすぎる!
ケルバーダインはデカイです。
元々生活素材であるゴミで作っているので、基本のサイズが最低でも25cmくらいになっちゃうんですよね。
最初は良かったんですが、4体、5体と作り続けているとただでさえ私のプラモで圧迫されている2DKのアパートがどんどんケルバーダインで占領されていく!
これは流石に温厚な奥さんも、「あれどうするの?」と言われるわけで。
スペースって、大事ですよね〜
②接着剤代が結構かかる!
廃材で作るケルバーダインの材料費はもちろん0円♪
と、言いたいところなのですが、石やレンガのカケラ、ビンなどそこいらに落ちているものを無理やりくっつけるには二液混合タイプのエポキシ系接着剤が大量に必要になるわけで。
そして、エポキシ系接着剤は高いんですよね。
なんでこんなに接着剤代がかかるんだ!と思ったりもしましたが、そもそもケルバーダインは接着剤メーカーに営業をかけるために作られたメカ、そりゃあ接着剤がいっぱいいるのは当たり前なわけなんです!
これを作って、加工しやすい統一素材で作られたプラモデルがいかに優れた工業製品であるかを心の底から再確認しましたね♪
③強度が無い!
ある日、棚の上に置いてあったケルバーダインがガタン!という音と共に崩れ落ち、床に激突してバラバラに砕け散りました。
あちゃ〜と思いながら、他のも見て見ると、どれも足の部分が歪んでいたり、外装パーツが剥がれて浮いている部分がいっぱいある!
そう、変な異素材を無理矢理くっ付けているだけのケルバーダインは強度が無く、ちょっとしたことですぐバラバラになってしまったんです。
これではオークションなどで売ることもできませんし、模型展示会で飾ろうにも運搬中に壊れてしまう。
強度確保は作品製作で大事だな、と作品の安定性を重視するきっかけにもなったのですが、本当にすぐバラバラになりましたね〜♪
④地味すぎる!
ケルバーダインですが、実はGEISAIのとき作ったポートフォリオを模型の師匠でもある直属の上司に見ていただいたことがありまして。
そのとき言われたのが「お前の作品にはガンダムがいない。ザクだけだ!」ということ。
「こういったロボのシリーズであれば、必ず目立つ、一眼で主人公だとわかるような派手な機体がいる。渋いメカが好きなのはわかるが、そういったミニタリーに極振りしたシリーズでは大きな人気は出ない。ってか、プラモのパーツなんで使わないの?もっといろんなパーツ使えばもっと派手なの君なら余裕で出来るでしょ?主人公機はツインアイだよね」
と。
拾ったゴミだけで作っていると、ランダムで面白いものが出来る反面、どうしても地味にならざるを得なかったんですよね。
こうしているうちに2013年には長男が生まれ、そのあとカーモデルやミニカーにプライベートの趣味が移ってしまい、すっかりケルバーダインは作らなくなってしまったんです。
そして自由工作モデリングに!
そんな感じですっかり作らなくなってしまったケルバーダインですが、廃材なら多くてインパクトのあるものを手軽に作れる、素材は自分で選び、金属線入れて強度を確保して、大きさは無理に小さくせず大きいものをのびのびと作ればばもっといいものは出来る!とわかっていたのでいつかこのテクニックを何かしらに活かしたい!とずっと思っていたんです。
そしてついに!HJメカニクス07のジオでやってみたかったことを実現できて、自分としては大満足です。
なによりも「100円ショップの商品だけでジオを作る」というわけのわからない企画を快く承諾してくれた、HJの木村編集長には感謝しかありません!
いつか、もうプラモだろうが100均だろうがゴミだろうが何も関係無しに、ありとあらゆるアイテムを使った新生ケルバーダインとか作れたらな〜と思ってます♪
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